ChatGPTで発音練習|オンライン英会話で通じなかった単語を3分で直す復習法
オンライン英会話で「発音が通じていない」と気づけない理由

レッスンが終わったあと、こう思うことはありませんか。
「今日も楽しく話せた。でも、何か伝わっていない気がする」
文法は合っている。会話も成立している。
それなのに、たまに話が妙な方向にズレる。
私は先週、その正体を見ました。
中学生でも読める単語ひとつが、3レッスン連続で一度も通じていませんでした。
しかも私は、そのあいだずっと「今日はうまく話せた」と思っていたのです。
気づけたのは、レッスンの文字起こしを見たからでした。
- 自分の発音が「実際どう聞こえているか」を、レッスンの文字起こしで確かめる方法
- ChatGPTの音声モードを使って、レッスン前の3分で発音を直す手順(6ステップ)
- 講師に直してもらう方式では直らなかった理由
- この方法が効く範囲と、効かない範囲
私のオンライン英会話歴は7年です。
TOEICは300から910になりました。
それでも、単語ひとつ言えていませんでした。
3レッスン連続で、その単語は0回でした

つまずいた単語は shirtless(上半身裸の)です。
shirt に less がついているだけの単語です。
その週、私はレッスンに「上半身裸で走るのはアリか」というトピックを持ち込んでいました。
つまり shirtless は、この単語が落ちたら話そのものが成立しない中心語です。
レッスンの文字起こしを開いて、自分の口から shirtless が正しく出た回数を数えました。
1日目:0回 文字起こしには short rest(短い休憩)が6回
2日目:0回 文字起こしには shuttle bus(シャトルバス)が6回
3日目:0回 文字起こしには short rest が8回
3レッスンで、0回です。
いちばんこたえたのは3日目でした。
「暑くても上半身裸で走るべきではない」と締めたつもりの一文が、こう残っていたのです。
Taking all of this into account, I’d keep short rest running in public no matter how hot it gets.
「どんなに暑くても、公共の場でショートレストランニングを続けます」
主張が、まるごと逆になっていました。
それでも私は、言い終えたあと「今日はうまく話せた」と思っていたのです。
「文字起こしの精度が悪いだけ」ではありませんでした
ここで、当然こう思いますよね。
「自動文字起こしなんて、そもそも精度が低いのでは」
私もそう思って、講師の発話を数えてみました。
結果はこうです。
同じ音声・同じエンジンで、講師の shirtless は毎回すべて正しく文字になっていた
1日目5回/2日目4回/3日目5回、全部 shirtless と出力
エンジンが shirtless という単語を知らないわけではありません。
落ちていたのは、私の音だけでした。
言い訳の余地が、どこにもなくなった瞬間です。
そして同時に、大事なことに気づきました。
この比較ができたのは、レッスンの記録が丸ごと残っていたからです。
記憶と感想だけなら、私は今も「たまに通じない気がする」で止まっていました。
講師に直してもらう方式では、直りませんでした

「講師に直してもらえばいいのでは」と思われるかもしれません。
実際、直してもらっています。
1日目のレッスンでは、講師が異変に気づいてくれて、残り20分がまるごと発音矯正になりました。
早口言葉まで出てきました。30分レッスンの3分の2が発音レッスンです。
それでも翌日、また shuttle bus に戻りました。
2日目の講師には、面と向かって言われています。
three years is a long time. And or I would think that the pronunciation would be a little bit clearer, to be honest with you.
「正直に言うと、3年もやっているならもう少し発音がはっきりしていてもいいと思います」
へこみましたが、この講師は正しいのです。
そして、ここが大事なところです。
講師に直してもらう方式には、構造的な限界があります。
① 講師は優しいので、たいてい流してくれる
文脈で意味は取れてしまうからです。普段のレッスンでは気づかれないまま終わります。
② 指摘されても30分に1、2回で、回数がまったく足りない
発音は反復しないと変わりません。2回では足りないのです。
③ その場では言えても、翌日には戻る
紙の上で直しても、口に入った音の並びは書き換わりません。
私に足りなかったのは、上手に直してくれる講師ではありませんでした。
自分の音がどう聞こえているかを、何度でも、すぐに確かめられる相手でした。
そこでChatGPTを使いました。
ChatGPTの音声モードで、発音の「ズレ」を見る

やったのは4日目の朝、レッスンの前です。
ログが残っているので、時間まで正確に書けます。
6時40分15秒に開始 → 6時43分24秒に終了
かかった時間は3分9秒です。
用意したものは、何もありません
アプリを開いて音声モードにして、こう言っただけです。
I’d like to practice my pronunciation. Is that okay
(発音の練習をしたいんですけど、いいですか)
凝ったプロンプトも、役割設定も、教材もありません。
これで成立する理由はひとつです。
音声モードは、自分がしゃべった内容が全部テキストで残ります。
声を出した瞬間に、画面に文字が出る。
その文字が、答えそのものになります。
1回目で、いきなり答えが出ました
私は「no shirtless running って言いたい」と言ったつもりでした。
画面に出た文字がこれです。

Ah I want to say NorthShorerunning
ノースショア・ランニング。ハワイのサーフスポットみたいになっていました。
そして、ここからが本題です。
ChatGPTも、普通に騙されました。
Nice. Say it slowly, like ‘Nort-shore run-ning’.
「いいですね。ゆっくり『ノート・ショア・ラン・ニング』と言ってみましょう」
存在しない単語の、発音指導が始まってしまいました。
講師が優しいから流していたのではありません。そもそも、そう聞こえていたのです。
だから、キーボードで打ちました
ここでやったことが、いちばん地味で、いちばん大事かもしれません。
声で伝えるのを諦めて、単語をキーボードで打ち込みました。
返ってきたのがこれです。
Say no shirtless running. Break it into three parts: no, shirt-less, run-ning.
(no / shirt-less / run-ning の3つに分けて言ってみて)
3つに割れ、という指示でした。
ここで白状しておきます。
私は発音記号が読めます。shirtless が2音節だという知識もありました。
知らなかったのは、自分が実際にはそう言えていないことのほうでした。
知識は自分で確認できます。
でも、口から出る音は自分では確認できません。
ここに、知識と実践のあいだの断絶があります。
この3分でやったのは、勉強ではありませんでした。
知っていたことと、実際に出ている音とのズレを見にいく作業です。
あとは、言われるがままに13回
ここから先、私は自分で考えていません。
言われたとおりに言って、出てきた文字を見る。それだけです。
正直に言うと、途中経過はひどいものでした。
NorthShorerunning → No shirtless → Short place → Short-lace → NorthShirtless running → NoNorthShirtless running
ここで大事なのは、一直線に良くなってはいないことです。
2回目で No shirtless と正しく出たのに、次は Short place に落ちています。
shirtless を含むフレーズを言ったのは全部で13回。そのうち6回は化けていました。
でも、化けた6回が全部テキストで残るのが、この方法の価値です。
自分がどこで崩れているかを、あとから並べて見られます。講師との30分では、こうはなりません。
AIの褒め言葉は、当てになりませんでした
ここで、ひとつ注意点があります。
ChatGPTは私の声を直接聞き、画面には文字起こしが出ます。
この2つが、しょっちゅう食い違いました。

画面の文字は NoNorthShirtless running。まだ「ノー・ノース」です。
なのに返事は「Perfect. That sounded natural.(完璧です。自然に聞こえました)」でした。
逆に、正しく出ている回に「まだ詰まっています」と言われたこともあります。
優しいのは、人間の講師だけではありませんでした。
信じるべきは褒め言葉ではなく、画面に出た文字のほうです。
だから最後は、文字のほうで確認しました。
続けて6回言って、6回とも正しく文字になりました。

時計は6時43分24秒。ここで終わりです。
レッスン前3分でやる、6つの手順

そのまま真似できる形にまとめます。
1. 核語を1〜2語だけ決める
基準は「これが落ちたら話が成立しない語」。難しい単語である必要はありません。
2. レッスン前に3分、音声モードで言って認識結果を見る
上手いか下手かは聞かないこと。何と聞こえたかだけを見ます。
3. 化けていたら、その単語をキーボードで打ち込む
これをやらないと、AIも別の単語だと思ったまま話が進みます。
4. あとは、言われたとおりに言い直す
自分で考えないこと。割り方はChatGPTが教えてくれます。言い直したら、また文字を見る。
5. どうしても通らない語は、退避表現を決めておく
私は wearing what fits the place を用意していました。言い換えは逃げではなく保険です。
6. レッスン後、文字起こしで「自分の口から出た回数」を数える
感想では「通じた気がする」で終わります。数えれば、0回か5回かがはっきりします。
核となる考え方は、ひとつだけです。
上手いか下手かを聞かない。何と聞こえたかを見る。
「採点して」と頼めば、返ってくるのは主観です。人間だろうがAIだろうが、主観は優しくなります。
でも文字起こしは事実です。Short place と出たら、それは Short place に聞こえたということ。
翌日のレッスンで5回、その次は12回通りました

練習をした日のレッスンです。
冒頭、いつもどおりトピックを切り出しました。
Today’s topic is no shirtless running.
通りました。1回目からです。
0回 → 0回 → 0回 → 5回 → 12回
4日目は自力5回・化け0回、5日目は自力12回・化け0回
この単語に関して言えば、変えたのは英語力ではありません。レッスン前の3分だけです。
いちばん嬉しかったのは、回数ではありませんでした。
5日目の講師が、途中から自分から shirtless runner と言い始めたことです。
私の話が伝わって、相手が話を引き取ってくれたということです。3日前は、トピック名すら伝わっていませんでした。
ただし、直ったのは「練習した1語」だけでした
正直に書きます。この方法は万能ではありません。
まず、5日目は2回聞き返されています。文字起こしは12回とも正しいのに、人間の耳はまだ引っかかるわけです。
そしてもうひとつ。同じ5日目に、私はこう言ったつもりでした。
This is about dressing for the time and the place.
(時と場所にふさわしい服装の話です)
残っていたのは、これです。
This is about the duration for time and place.
(時間と場所の継続時間の話です)
dressing(服装)が duration(継続時間)に化けました。主張のど真ん中の言葉です。
通じた語と通じない語の差は、単語の難易度ではありませんでした。
shirtless は3分かけて音を確かめた語。dressing は確かめていない語。それだけです。
だから、核語は1〜2語に絞ってください。
10個やろうとすると、10個とも中途半端になります。1語なら、その1語は守れます。
この方法は「記録が残るレッスン」とセットで初めて回ります

ここまで読んで、気づいた方もいると思います。
この記事に出てきた数字は、全部レッスンの文字起こしから数えたものです。
文字起こしがなければ、この記事は1行も書けませんでした。
・「3レッスン0回」と分かったのは、数えられたから
・「講師の shirtless は正しく出ている」と言えたのは、比較できたから
・「5回 → 12回に増えた」と確認できたのは、記録が残っていたから
ChatGPTの3分は、あくまで直す側の道具です。
直ったかどうかを確かめる側は、レッスンの記録が担います。
片方だけでは回りません。
私が使っている【Cambly(キャンブリー)】は、レッスンの録画と文字起こしが自動で残ります。
今回のように「自分の口から何回出たか」を検索して数えられるのは、これがあるからです。
ただ、正直に書いておきます。
Camblyは、完全な初心者にはおすすめしません。
料金が格安スクールの倍以上かかるうえ、記録が残っても「何を数えるか」を自分で決められないと持て余します。
向いているのは、会話は成立するのに伸びが止まった人です。
私自身、その録画機能を3年間まったく使わずに停滞していました。
料金の内訳、4年続けた正直な感想、そして録画を使い始めてから何が変わったかは、レビュー記事にまとめています。
「そもそも今のサービスを続けるべきか」から迷っている場合は、症状別に次の一手を整理した記事があります。
5日間の全記録は、noteに書きました

この記事では要点だけを書きました。
実際のログはもっと生々しいです。
ChatGPTとのやりとり全文、講師の発言、13回ぶんの誤認テキスト、そして講師に「3年やっているのに」と言われた場面まで、noteに一次情報として全部残しました。
スクリーンショットもそのまま載せています。
「自分の発音が実際どう聞こえているか」を確かめたい方は、そちらも読んでみてください。
まとめ|発音は「気をつける」では直りませんでした

3レッスン連続で0回だった単語が、3分の練習をした日に5回通りました。
翌日は12回でした。
変えたのは英語力ではなく、確認する相手だけです。
講師は優しいので流してくれますが、機械は流してくれません。
shirtless を short rest と、容赦なく文字にします。
練習は機械に、本番は人に。
発音は「気をつける」では直りませんでした。見ると、直りました。
明日のレッスンの前に、3分だけ試してみてください。
単語ひとつで大丈夫です。
化けた文字を見た瞬間、たぶん笑ってしまうと思います。私は笑いました。
そして、その日から通るようになりました。
レッスンが終わったあとの復習については、口癖を名指しで出すプロンプトを別記事にまとめています。
