英語イマージョン学習|Youtubeで英文法#15【助動詞can】
- イマージョンで助動詞 can を理解する
- イマージョン学習で英文法を学ぶ前の確認事項
- can とは何か ― まだ起きていない可能性の芽
- イマージョンで学ぶ【助動詞 can】16の顔
- 一人プレゼンを実施してみる
- ① can + 原形、説明できますか?
- ② can be + 形容詞、説明できますか?
- ③ can + sometimes、説明できますか?
- ④ can be + 過去分詞、説明できますか?
- ⑤ can + help、説明できますか?
- ⑥ モノ・コト + can、説明できますか?
- ⑦ can’t、説明できますか?
- ⑧ How can ~?、説明できますか?
- ⑨ can’t help ~ing、説明できますか?
- ⑩ can’t wait to ~、説明できますか?
- ⑪ can’t be ~、説明できますか?
- ⑫ can’t ~ enough、説明できますか?
- ⑬ be able to、説明できますか?
- ⑭ be allowed to、説明できますか?
- ⑮ may / might、説明できますか?
- ⑯ could、説明できますか?
- 今日の表現をAnkiで復習しよう
- まとめ:can の16の顔を再確認しよう
- さらに英語学習を進めたい方へ
イマージョンで助動詞 can を理解する

In some places people can be fined for going shirtless.
「場所によっては、上半身裸だと罰金を科されることがあります」。
上半身裸で走ることをめぐる議論の中で、話し手がこう言っています。
この can を「できる」と訳すと、「罰金を科されることができる」になります。
日本語として成立していません。
can =「〜できる」と覚えていると、この一文で止まってしまいます。
僕自身、TOEIC300点からのスタートでした。
オンライン英会話を7年続けて910点まで来ましたが、
can はずっと「できる」「be able to に言い換えられる」という2点だけで済ませていた項目でした。
でも実際の会話を聞くようになって気づきました。
ネイティブが使う can の多くは、「できる」ではなく「そうなることがある」だったのです。
can は「できる」ではなく「潜在」。まだ起きていないけれど、そうなる可能性が眠っている
読み終えるころには、can を見て「できる」と反射的に訳すのをやめて、話し手がどれくらい言い切っているかを読み取れるようになっているはずです。
助動詞ごとの意味を丸暗記するのではなく、can が持っている1つのイメージを手に入れる、という感覚です。
イマージョン学習で英文法を学ぶ前の確認事項

動画紹介
今回教材にするのは、BBC World Service のポッドキャスト番組「What in the World」です。
世界中の若者の関心事を10〜15分で扱う番組で、今回は「上半身裸で走るのはアリか?」という回を使います。
ロンドンのランナー、インド出身のランナー、イタリアで条例違反をしていたニューヨーカー、韓国BBCの記者と、次々に話者が変わります。
この動画を can の教材に選んだ理由は、「できる」と訳せない can が集中して出てくるからです。
服装のマナーという、国ごとに答えが変わる話題を扱っているため、
話し手が「場所によっては〜ということがある」と言い切りを避ける場面が何度も出てきます。
そのたびに can が登場します。
しかも司会はイギリス英語、ゲストはインド英語・アメリカ英語・韓国の話者と、発音の幅も広いのが特徴です。
▼ 動画(公開前に、ここへ YouTube の URL を貼り付けてください。URLだけの段落にすると自動で埋め込みブロックになります)
学習の進め方
文法の知識を実際に使いこなすには、
その言葉が使われる場面や気持ちごと覚えるのが近道です。
だからこそ今回は、動画の生きたセリフを教材にして、「助動詞 can」の視点を見ていきます。
読み方は、目的に合わせて選んでみてください。
英語を楽しみながら勉強したい方は、このまま記事を読み進めてください。
動画のセリフをたどりながら、
「助動詞 can」の感覚を少しずつ自分のものにしていけます。
逆に、効率的に英文法だけを押さえたい方は、要点だけをまとめた別記事へどうぞ。
can とは何か ― まだ起きていない可能性の芽

can は助動詞です。
名前のとおり、動詞を助ける係で、自分では意味を運びません。
やっているのは1つだけ。
うしろの動詞に「その可能性がある」という色をかぶせることです。
この「可能性」を、大西泰斗先生の言葉では潜在と呼びます。
まだ起きていないけれど、そうなる力が眠っている状態です。
土の中の種のようなものだと思ってください。
芽は出ていない。でも、出てくる力は確かにそこにある。
主語が人なら、その力は「能力」に見えます。だから「〜できる」と訳せます。
でも主語が国や研究や現象だったら、「できる」という日本語は当てはまりません。
同じ潜在でも、そこにあるのは能力ではなく「そうなる見込み」だからです。
can が難しく感じる原因は、この1つのイメージが訳語によってバラバラに見えてしまうところにあります。
このシリーズでは、名詞のまわりと修飾を、ここまで9回に分けて整理してきました。
- 限定詞編:冠詞(a / an・the)、some / any / no など、名詞の「前」につく語
- 代名詞編:it / one / that / this など、名詞の「代わり」になる語
- 形容詞編:限定用法・叙述用法・後置修飾・並び順など、名詞を「説明する」語
- 副詞編:位置と頻度・程度など、名詞以外を「説明する」語
- 原級編:as … as で2つを同じ目盛りに乗せる
- 比較級編:-er / more で目盛りをずらして差をつくる
- 最上級編:the -est / most で端を指して言い切る
- 否定編:not と no で、打ち消す範囲を指し示す
- 助動詞 can 編(この記事):動詞に「そうなる可能性」をかぶせる
否定編で見た can’t が、今回は「潜在がゼロ」という角度で再登場します。
前回の否定編をまだ読んでいない方は、先にこちらを読むと今回の話がつながりやすくなります。
イマージョンで学ぶ【助動詞 can】16の顔

ここからは、動画のセリフを使いながら、can が持つ16の顔を1つずつ見ていきましょう。
前半8つは動画に実際に出てくる can、後半8つはcan’t の慣用表現と、can の仲間たちです。
① 動画のセリフで見る can の8つの顔
- can + 原形 ― やろうと思えばできる力がある
- can be + 形容詞 ― 「そうなることもある」と幅を残す
- can + sometimes ― いつもではないが、起こりうる
- can be + 過去分詞 ― そうされる可能性がある
- can + help ― そうする力を秘めている
- モノ・コト + can ― そういう性質を持っている
- can’t ― その可能性が閉じている
- How can ~? ― そんなことがありうるの?
② can’t の慣用表現
- can’t help ~ing ― 自分の意志では止められない
- can’t wait to ~ ― 待つという選択肢がない
- can’t be ~ ― 〜のはずがない(否定の推量)
- can’t ~ enough ― いくら〜してもし足りない
③ can の仲間・言い換え
- be able to ― can が形を変えられないときの代役
- be allowed to ― 許可は外から与えられる
- may / might ― 可能性はあるが、確信は低い
- could ― 控えめな can、過去の can
⑨〜⑭の6つは、この動画に出てこない形なので、例文は参考例・言い換え例であることを明記しています。
否定編で見た can’t が、②でそのまま慣用表現の土台として再登場します。
以下のカードをタップすると、それぞれの視点を実際の例文つきで詳しく確認できます。
カードをタップすると詳しい説明が開きます
people can be fined for going shirtless(罰金を科されることがある)、some countries and cities can be quite specific(細かく決まっている場合がある)、lifting weights can help you to live longer(寿命を延ばす助けになりうる)。
これらに共通しているのは、潜在という一点です。まだ起きていないけれど、そうなる可能性が眠っている。can はその可能性を、うしろの動詞にかぶせているだけなのです。ここまでが骨組み(カード1〜8)です。
そのうえで、can’t を含む決まり文句(カード9〜12)と、can では言えないところを埋める仲間たち(カード13〜16)を見ていきます。「できる」から離れられると、can は一気に読みやすくなります。
助動詞 can の出発点は、学校で習ったとおり「〜できる」です。この文も「シャツを脱いで走れるなら」と、そのまま訳せます。
ただ、助動詞という名前のとおり、can は動詞を助ける係です。自分では意味を運ばず、うしろの動詞に「その可能性がある」という色をつけるだけ。だから can のうしろは原形で固定されます。主語が he でも he can runs にはならないし、過去のことでも can ran とは言いません。
そしてここが今回のいちばん大事なところですが、この「できる」という訳は、can の顔のひとつでしかありません。このあと見ていく7枚は、ほとんどが「できる」と訳すと日本語として成立しない文です。
- うしろは必ず原形:can run / can be / can help(三単現の s も過去形もつかない)
- 主語で形が変わらない:I can / he can / they can すべて can
- 否定は can’t:cannot の短縮形。can not と2語に離すのはまれ
- 疑問文は can を前に出す:Can you ~? / How can she ~?
- can を2つ重ねられない:× will can → ○ will be able to(カード⑬)
※ ルール中の一般例には、この動画に登場しない参考例も含まれます。
主語が人で、その人の力の話なら「〜できる」でほぼ合っています。主語がモノ・コトだったら、「できる」は疑ってください(カード②〜⑥)。
- everyone gets to that stage where they feel like they can run more comfortably with their shirt off(もっと楽に走れると感じられる段階に、みんなが行き着く・3:03)
- You don’t mess with the chafe if you can run with your shirt off.(シャツを脱いで走れるなら、擦れを甘く見ちゃいけない・0:19)
この can を「できる」と訳すと、「人の反応はとても違うことができる」になってしまいます。日本語として成立しません。
ここでの can は、潜在を表しています。「そうなる可能性が眠っている」ということです。人の反応は、好意的にも否定的にも転びうる。その幅そのものを示しているのが can です。
話し手は、実際にこの直後で depending on what the runners look like(走っている人の見た目しだいで)と条件を足しています。can は「決めつけない」ための道具なので、depending on / sometimes / in some places といった条件表現と一緒に出てくることがとても多いのです。
reactions(反応)、attitudes(態度)、rules(決まり)などが主語のときは、「〜になりうる/〜のことがある」と訳してみてください。
- ideas about what’s okay to wear in public can depend a lot on the place(何を着てよいかという感覚は、場所によってかなり変わりうる・12:17)
- some countries and cities can be quite specific(国や都市によっては、かなり細かく決まっている・13:46)
ここでの can は、「〜することもある」という傾向を表しています。毎回そうなるわけではない。でも、そうなる場合がある。
注目したいのは sometimes と並んでいることです。can が「いつもではない」という含みを最初から持っているので、sometimes と非常に相性がよく、実際この2語はよく並んで出てきます。
この can には、もうひとつ役割があります。断定をやわらげるクッションです。It makes people feel awkward. と言い切ると「必ず気まずくさせる」という強い主張になりますが、can を挟むと「そういうこともある」に下がります。相手を全否定せずに問題点だけを指摘したいとき、ネイティブはここに can を入れます。
always(毎回)とは違い、can は例外を許す言い方。「〜することもある」と訳すと、たいてい自然な日本語になります。
- lifting weights can actually help you to live longer(筋トレは寿命を延ばす助けになりうる・12:51)
- they can be maybe like dangerous(危ない目に遭うこともある・10:35/話し言葉のため崩れた形)
この記事でいちばん覚えて帰ってほしい形です。can be + 過去分詞、つまり can と受動態の組み合わせ。
「罰金を科されることができる」と訳すと意味不明ですが、「罰金を科される可能性がある」と読めば一発で通ります。can = 潜在という一点さえ押さえていれば、受動態と組んでも迷いません。
形のうえで注意したいのは、be が原形のままだということです。can のうしろは常に原形なので、is / are にはなりません。can is fined / can are fined は誤りで、必ず can be fined です。
この形が便利なのは、誰が罰金を科すのかを言わなくていいところです。警察なのか自治体なのか、はっきりしないことを説明するときに、受動態はよく使われます。
形容詞なら「〜になりうる」(カード②)、過去分詞なら「〜されることがある」。fined / done / seen / found のような -ed / -en の形が来たら受動態です。
- people could face a fine of up to 500 euros(最大500ユーロの罰金を科される可能性がある・11:58/字幕は a final だが正しくは a fine)
- banned people from walking around the street shirtless(上半身裸で街を歩くことを禁止した・11:45)
主語は lifting weights(筋トレをすること)。人ではありません。それでも can が使えます。
この can が表しているのは、「そうする力を秘めている」という潜在的な効能です。「筋トレは必ず寿命を延ばす」とは言っていません。その可能性がある、という控えめな言い方にとどめています。
この形は研究結果を紹介するときの定番です。この動画でも、話し手は「新しい研究でこういうことが分かった」という文脈でこの文を使っています。学術的な内容を紹介するとき、英語は断定を避けて can を挟むのが普通です。
形のうえでは help + 人 + (to) 原形 がポイントです。help のうしろの to はあってもなくてもよく、help you live longer と言っても同じ意味になります。
Exercise can improve your mood. のように、効き目はあるが必ずではない、と言いたいときに使われます。
- the extreme heat has actually made the debate even bigger(猛暑がこの議論をさらに大きくした・8:45)
- attitudes towards showing skin are changing(肌を見せることへの意識は変わりつつある・7:46)
主語は countries and cities。国や都市です。国が何かを「できる」わけではありませんから、ここも「できる」とは訳せません。
この can は、そのものが持っている性質を表しています。「国や都市というものは、細かく決まっている場合がある」。全部がそうだとは言わず、そういうところもあると含みを残す言い方です。
ここで音の話もしておきます。この can は、ほとんど聞こえません。「キャン」ではなく「クン」に近い、あいまいな音になります。これは弱形と呼ばれる現象で、話し手の意識が can ではなく、うしろの動詞にあるから起こります。「can が聞こえなかった」のではなく、「もともと弱く読まれている」わけです。
「〜というものは、〜な場合がある」と補って訳すと、話し手が言い切りを避けているニュアンスまで拾えます。
- ideas about what’s okay to wear in public can depend a lot on the place(何を着てよいかは場所によってかなり変わりうる・12:17)
- People’s reactions can be very different.(人の反応はかなり違ってくることがある・11:27)
can’t は cannot の短縮形です。can not と2語に離して書くことはまれで、ふつうは cannot か can’t のどちらかです。
意味は「できない」でもいいのですが、can が潜在なら、can’t はその潜在がゼロだと考えるほうが応用が利きます。可能性の扉そのものが閉じているイメージです。
この考え方が効いてくるのが、カード⑪の can’t be ~(〜のはずがない)です。「できない」ではなく「その可能性がない」。同じ理屈で can’t help ~ing(〜せずにいられない)も、「止めるという選択肢がない」と読めます。
最後に音の注意点です。can は弱く、can’t は強く読まれます。肯定か否定かは t の音ではなく、強さで聞き分けるのが実際的です。
- can(肯定):弱く短く。「クン」に近い(I can go → アイクンゴウ)
- can’t(否定):強くはっきり。母音が長い(I can’t go → アイキャーン(トゥ)ゴウ)
- アメリカ英語:語尾の t はほとんど聞こえないことが多い
- イギリス英語:can’t は「カーント」に近い音になる
※ 聞き分けの例文は、動画に登場しない一般的な参考例です。
肯定の can は弱形になるので、強く読まれている時点で否定か強調のどちらかです。
- women can’t … be shirtless in public(女性は人前で上半身裸になれない・10:04/話し言葉のため崩れた形)
- you don’t have to look(見なければいいだけのこと・3:33)
疑問文では、can が主語より前に出ます。She can be allowed … の can を she の前に動かすと Can she be allowed …? になり、疑問詞 How を頭につけると、この文の形になります。
ただ、この文は本当に理由を聞いているわけではありません。インドで上半身裸の女性ランナーに向けられる視線を紹介する場面で出てくるセリフで、驚きや非難を込めた問いかけです。日本語の「どうしてそんなことが許されるわけ?」と同じ温度感で、答えを期待していない疑問文になっています。
同じ can の疑問文でも、Can you ~? になると依頼(〜してもらえますか)、Can I ~? になると許可を求める(〜してもいいですか)に変わります。can 自体は「その可能性があるか」を尋ねているだけで、依頼になるか非難になるかは、主語と文脈が決めています。
本当に方法を尋ねたいときは How do I ~? / How does it work? を使うのが普通なので、How can ~? が出てきたら感情が乗っていると思ってください。
- why is her family allowing this?(どうして家族はこれを許しているの?・5:14)
- why do men get to be completely shirtless?(どうして男性は完全に上半身裸でいられるの?・5:24)
ここからの4枚は、can’t を含む決まり文句です。どれも「できない」と訳すと意味が取れませんが、can’t = 潜在ゼロと考えると全部つながります。
can’t help ~ing の help は「助ける」ではなく「避ける」という古い意味です。つまり「避けることができない」=「〜せずにいられない」。止めるという選択肢がそもそもない状態を表します。
注意点はうしろが -ing 形になることです。can’t help to stare とは言いません。なお can’t help but ~ という形もあり、こちらはうしろが原形になります(I can’t help but stare.)。
help のうしろに人が来る help you live longer(カード⑤)とは別物なので、うしろの形で判断してください。
- I couldn’t help laughing.(笑わずにいられなかった)
- I can’t help but agree with you.(同意せずにいられない・うしろは原形)
can’t wait to ~ は直訳すると「〜するのを待てない」。そこから「〜が待ちきれない、楽しみでしかたない」という意味になります。
これもcan’t = 潜在ゼロの応用です。「待つ」という選択肢がゼロになるくらい楽しみだ、ということですね。ネガティブな形なのに、意味は完全にポジティブという点がおもしろいところです。
うしろは to + 原形 が基本ですが、can’t wait for + 名詞 の形もよく使います(I can’t wait for summer.)。
メールの結びで Can’t wait! だけを単独で使うこともあり、この場合は「楽しみにしています!」という決まり文句です。
- I can’t wait for the weekend.(週末が待ちきれない・うしろは名詞)
- She couldn’t wait to tell everyone.(彼女はみんなに話したくてたまらなかった)
この can’t は「できない」ではありません。「〜のはずがない」という否定の推量です。
ここでもcan’t = 潜在ゼロが効いています。「そうである可能性がゼロだ」→「そんなはずがない」。話し手の確信の強さを表す言い方で、かなり強く否定しています。
対になるのが must be ~(〜に違いない)です。must be が「そうに決まっている」なら、can’t be は「そんなわけがない」。この2つはセットで覚えると効率がいいです。mustn’t be は「〜であってはならない」という禁止になるので、推量の否定には使いません。
That can’t be right.(そんなはずない)、You can’t be serious.(冗談でしょ)が定番。「できない」と訳して変なら、必ずこちらです。
- You can’t be serious.(冗談でしょう)
- It must be hot in Korea right now.(韓国は今すごく暑いに違いない・can’t be の反対)
直訳すると「十分にすすめることができない」。これだけ見るとけなしているように見えますが、意味は正反対で、「すすめてもすすめ足りないほど良い」という最大級の称賛です。
理屈はこうです。enough(十分な量)に到達する可能性がゼロなくらい、すすめたい気持ちが大きい。だから「いくら〜してもし足りない」になります。
同じ発想の表現に can’t thank you enough(感謝してもしきれない)や、can’t be too ~(いくら〜してもしすぎることはない)があります。You can’t be too careful. なら「用心するに越したことはない」。どれも「上限に届かない」という同じ仕組みで動いています。
文字どおり否定に読むと真逆の意味になるので、enough と too をセットのサインとして覚えてください。
- I can’t thank you enough.(感謝してもしきれません)
- You can’t be too careful about local rules.(現地のルールは、いくら気をつけてもしすぎることはない)
ここからの4枚は、can の手が届かないところを埋める語です。
can には大きな弱点があります。助動詞は2つ重ねられないので、× will can / × have canned のような形が作れません。そこで登場するのが be able to です。be の部分が自由に変化するので、will be able to(できるようになる)、have been able to(できている)と、どんな時制にも乗せられます。
もうひとつ違いがあります。過去形の could は「昔はできる状態だった」という能力の話ですが、was able to は「あの時、実際にやり遂げた」という1回の達成を表します。マラソンを完走したなら I was able to finish が自然で、I could finish だと「やろうと思えばできたのに」という響きになってしまいます。
現在形なら can のほうが自然なので、be able to の出番は未来・完了・過去の1回だと覚えてください。
- You’ll be able to run more comfortably.(もっと楽に走れるようになりますよ)
- I haven’t been able to run this week.(今週は走れていない)
許可の意味では can と be allowed to が近い働きをしますが、視点が違います。
can は「その可能性がある」と、本人の側から言っているだけです。一方 be allowed to は受動態なので、誰かが許可を与えているという含みが必ず入ります。ルールや権限のある側の存在が、言葉の上に現れるわけです。
この動画では、インドで女性ランナーに向けられる視線を紹介する場面でHow can she be allowed to leave the house …? と、can と be allowed to が同時に使われています。「そんなことが許されるはずがある?」という、可能性への疑問と、許可への疑問が重なった言い方です。
ルールを説明するときは be allowed to、軽く許可を求めるときは Can I ~? と、場面で使い分けます。
You can’t park here. は「無理だよ」とも取れますが、You’re not allowed to park here. は「規則で禁止されている」と明確に伝わります。
- How can she be allowed to leave the house wearing something like this?(どうしてあんな格好で家を出ることが許されるの?・5:16)
- why is her family allowing this?(どうして家族はこれを許しているの?・5:14)
can と may は、どちらも可能性を表しますが、見ているものが違います。
can は「一般的にそういうことが起こりうる」という性質の話です。一方 may は「今回、実際にそうかもしれない」という個別の推量になります。
この文でも、話し手は「上の世代には抵抗がある人もいるかもしれない」と、自分の推測であることをはっきりさせています。ここを can にすると「そういうことは起こりうる」という一般論になり、推測のニュアンスが消えてしまいます。
might は may よりさらに確信が低い言い方です。この動画にも some might view it as bragging(自慢と見る人もいるかもしれない・10:51)という形で出てきます。
can は「〜することがある」で、may は「〜かもしれない」。一般論か、目の前の推測か、で選び分けます。
- some might view it as bragging or attention seeking(自慢や目立ちたがりと見る人もいるかもしれない・10:51)
- Something that might have come up more for me because I’m a woman(女性だからこそ、より強く感じたことかもしれない・5:22)
could は can の過去形ですが、過去のことを言うためだけの形ではありません。
この文の could は過去の話ではまったくなく、can より控えめに言うために使われています。One reason can be … と言い切るより、could にしたほうが「あくまで一説ですが」という距離が出ます。さらに I suppose(〜だと思うのですが)まで添えているので、二重に慎重な言い方になっています。
過去形が丁寧・控えめになるのは、can に限らず英語全体に共通する感覚です。Can you ~? より Could you ~? のほうが丁寧なのも、まったく同じ理屈です。過去形は「今ここから距離を取る」形で、その距離が時間ではなく心理に働くと、控えめさになります。
もちろん、素直に過去を表すこともあります。その場合は 「昔はできる状態だった」という意味で、1回きりの達成には was able to を使うのが自然です(カード⑬)。
- 控えめな推量:One reason could be …(〜かもしれない)※この動画の使い方
- 丁寧な依頼:Could you help me?(Can you ~? より丁寧)
- 過去の能力:I could swim at five.(5歳のとき泳げた=できる状態だった)
- 1回の達成には使わない:× I could finish the race → ○ I was able to finish the race
※ ルール中の一般例には、この動画に登場しない参考例も含まれます。
yesterday / when I was young などがなければ、まず「控えめな can」だと思って読んでください。
- people could face a fine of up to 500 euros(最大500ユーロの罰金を科される可能性がある・11:58/字幕は a final だが正しくは a fine)
- there are lots of different reasons why (people) might choose to run without a shirt on(シャツなしで走る理由はいろいろありうる・11:33)
一人プレゼンを実施してみる

まずは何も見ずに例文を自分で作って説明してみて、
うまく言えなかった項目だけ解説例を確認する、
という使い方がおすすめです。
16問あるので、1日に全部やろうとしなくて構いません。
①〜⑧の8つだけでも、can の読み方はかなり変わります。
① can + 原形、説明できますか?

例文:
if you can run with your shirt off
シャツを脱いで走れるなら
要点:
- can は動詞を助ける係で、うしろは必ず原形
- 主語が人で、その人の力の話なら「〜できる」でよい
- 「できる」は can の顔のひとつにすぎない
解説例:
can といえば「〜できる」ですよね。
この文も「シャツを脱いで走れるなら」と、そのまま訳せます。
ただ、can は助動詞、つまり動詞を助ける係です。
自分では意味を運ばず、うしろの動詞に「その可能性がある」という色をつけるだけなんです。
だから can のうしろは原形で固定されます。
主語が he でも he can runs にはなりませんし、過去のことでも can ran とは言いません。
そしてここからが本題です。
「できる」という訳は、can の顔のひとつでしかありません。
このあと見ていく7枚は、ほとんどが「できる」と訳すと日本語にならない文です。
見分け方は簡単で、まず主語を見ることです。
主語がモノやコトだったら、「できる」はいったん疑ってください。
② can be + 形容詞、説明できますか?

例文:
People’s reactions can be very different.
人の反応はかなり違ってくることがあります。
要点:
- 「できる」と訳すと日本語にならない can がある
- can のコアは潜在=「そうなる可能性が眠っている」
- depending on / sometimes など条件表現と一緒に出やすい
解説例:
この can を「できる」と訳すと、「反応がとても違うことができる」になります。
日本語になっていませんよね。
ここでの can は潜在を表しています。
つまり「そうなる可能性が眠っている」ということです。
人の反応は、好意的にも否定的にも転びうる。
その幅そのものを示しているのが can なんです。
実際この直後に、話し手は depending on what the runners look like と条件を足しています。
can は決めつけないための道具なので、こういう条件表現とセットで出てくることがとても多いんです。
③ can + sometimes、説明できますか?

例文:
it can sometimes make people feel a bit awkward
気まずい思いをさせることもあります
要点:
- can は「〜することもある」という傾向を表せる
- sometimes と相性がよく、並べて使われる
- 断定をやわらげるクッションとしても働く
解説例:
ここでの can は「〜することもある」という傾向を表しています。
毎回そうなるわけではない。でも、そうなる場合がある。
注目したいのは sometimes と並んでいることです。
can はもともと「いつもではない」という含みを持っているので、sometimes ととても相性がいいんです。
そしてもうひとつ、この can には役割があります。
断定をやわらげるクッションです。
It makes people feel awkward. だと「必ず気まずくさせる」という強い主張になります。
can を挟むと「そういうこともある」に下がるんですね。
相手を全否定せずに問題点だけ指摘したいとき、ここに can が入ります。
④ can be + 過去分詞、説明できますか?

例文:
In some places people can be fined for going shirtless.
場所によっては、上半身裸だと罰金を科されることがあります。
要点:
- can + be + 過去分詞で「〜されることがある」
- be は原形のまま。can is / can are にはならない
- 誰がするのかを言わずに済むのが受動態の利点
解説例:
これが今日いちばん覚えて帰ってほしい形です。
can be + 過去分詞、can と受動態の組み合わせですね。
「罰金を科されることができる」と訳すと意味不明になります。
でも「罰金を科される可能性がある」と読めば、一発で通ります。
can = 潜在、という一点さえ押さえていれば、受動態と組んでも迷いません。
形で注意したいのは、be が原形のままだということです。
can のうしろは常に原形なので、can is fined とは言えません。
必ず can be fined です。
この形の便利なところは、誰が罰金を科すのかを言わなくていいことです。
警察なのか自治体なのか、はっきりしないときに重宝します。
⑤ can + help、説明できますか?

例文:
lifting weights can actually help you to live longer
筋トレは寿命を延ばす助けになりうる
要点:
- 主語がモノ・コトでも can は使える
- 「そうする力を秘めている」という潜在的な効能を表す
- 研究結果の紹介など、断定を避けたいときの定番
解説例:
主語は lifting weights、筋トレをすることです。
人ではありませんが、それでも can が使えます。
この can が表しているのは、「そうする力を秘めている」という効能です。
「筋トレは必ず寿命を延ばす」とは言っていないんですね。
その可能性がある、という控えめな言い方にとどめています。
この形は研究結果を紹介するときの定番です。
動画でも「新しい研究でこう分かった」という文脈で使われています。
英語は学術的な話をするとき、断定を避けて can を挟むのが普通なんです。
形のうえでは help + 人 + (to) 原形 がポイントですね。
この to はあってもなくてもよくて、help you live longer でも同じ意味です。
⑥ モノ・コト + can、説明できますか?

例文:
some countries and cities can be quite specific
国や都市によっては、かなり細かく決まっている
要点:
- 国・制度・研究など、人以外も can の主語になれる
- 「そういう性質がある」と含みを残す言い方
- can は弱く読まれ、「クン」に近い音になる
解説例:
主語は countries and cities、国や都市です。
国が何かを「できる」わけではないので、ここも「できる」とは訳せません。
この can は、そのものが持っている性質を表しています。
「国や都市というものは、細かく決まっている場合がある」ということですね。
全部がそうだとは言わず、そういうところもある、と含みを残しています。
ここで音の話もしておきます。
この can は、ほとんど聞こえません。
「キャン」ではなく「クン」に近い、あいまいな音になります。
これは弱形と呼ばれる現象で、話し手の意識が can ではなく動詞にあるから起こります。
聞き取れなかったのではなく、もともと弱く読まれているんです。
⑦ can’t、説明できますか?

例文:
I can’t put it any other way.
それ以外の言い方ができません。
要点:
- can’t は cannot の短縮形
- can’t = 潜在がゼロ。可能性の扉が閉じている
- can は弱く、can’t は強く読まれる
解説例:
can’t は cannot の短縮形です。
can not と2語に離して書くことはまれですね。
意味は「できない」でもいいのですが、もう一歩進めましょう。
can が潜在なら、can’t はその潜在がゼロということです。
可能性の扉そのものが閉じている、というイメージですね。
この考え方が効いてくるのが、can’t be ~ です。
「できない」ではなく「〜のはずがない」という意味になります。
can’t help ~ing も同じで、「止めるという選択肢がない」から「〜せずにいられない」になる。
最後に音です。
can は弱く、can’t は強く読まれます。
肯定か否定かは、t の音ではなく強さで聞き分けるのが実際的です。
⑧ How can ~?、説明できますか?

例文:
How can she be allowed to leave the house wearing something like this?
どうしてあんな格好で家を出ることが許されるの?
要点:
- 疑問文では can が主語の前に出る
- How can ~? は答えを求めない、驚き・非難の問いかけ
- Can you ~? は依頼、Can I ~? は許可を求める形
解説例:
疑問文では、can が主語より前に出ます。
She can be allowed … の can を she の前に動かして、頭に How をつけた形ですね。
ただ、この文は本当に理由を聞いているわけではありません。
インドで女性ランナーに向けられる視線を紹介する場面のセリフで、驚きと非難が込められています。
日本語の「どうしてそんなことが許されるわけ?」と同じ温度感ですね。
答えを期待していない疑問文なんです。
同じ can の疑問文でも、Can you ~? なら依頼になります。
Can I ~? なら、許可を求める形ですね。
can 自体は「その可能性があるか」を尋ねているだけです。
依頼になるか非難になるかは、主語と文脈が決めています。
ここからは、can’t を含む決まり文句です。
どれも「できない」と訳すと意味が取れませんが、can’t = 潜在ゼロで全部つながります。
下の一覧図解に4つまとめてあるので、これを見ながら順番に説明してみてください。
⑨ can’t help ~ing、説明できますか?

例文:
I can’t help staring at shirtless runners.
上半身裸のランナーをつい見てしまいます。(※動画には登場しない参考例)
要点:
- can’t help の help は「避ける」という古い意味
- 「〜せずにいられない」=止める選択肢がない
- うしろは -ing 形。can’t help but なら原形
解説例:
ここからは can’t を含む決まり文句を4つ見ていきます。
どれも「できない」と訳すと意味が取れません。
でもcan’t = 潜在ゼロと考えると、全部つながります。
can’t help ~ing の help は「助ける」ではなく「避ける」という古い意味です。
つまり「避けることができない」、「〜せずにいられない」ですね。
止めるという選択肢が、そもそもない状態です。
注意点は、うしろが -ing 形になることです。
can’t help to stare とは言いません。
ちなみに can’t help but ~ という形もあって、こちらはうしろが原形になります。
⑩ can’t wait to ~、説明できますか?
例文:
I can’t wait to run without a shirt this summer.
今年の夏はシャツなしで走るのが待ちきれません。(※動画には登場しない参考例)
要点:
- 直訳は「待てない」、意味は「待ちきれない・楽しみ」
- 否定の形なのに、伝わる感情はポジティブ
- うしろは to + 原形。名詞なら can’t wait for
解説例:
can’t wait to ~ は、直訳すると「〜するのを待てない」です。
そこから「待ちきれない、楽しみでしかたない」という意味になります。
これも can’t = 潜在ゼロの応用ですね。
「待つ」という選択肢がゼロになるくらい楽しみだ、ということです。
否定の形なのに、意味は完全にポジティブなのがおもしろいところです。
うしろは to + 原形が基本です。
名詞を続けたいときは can’t wait for the weekend のように for を使います。
メールの結びで Can’t wait! とだけ書くこともよくありますよ。
⑪ can’t be ~、説明できますか?
例文:
That can’t be legal in Venice.
それがヴェネツィアで合法なはずがありません。(※動画には登場しない参考例)
要点:
- can’t be ~ は「〜のはずがない」という否定の推量
- 「そうである可能性がゼロ」という強い確信を表す
- 反対は must be ~(〜に違いない)
解説例:
この can’t は「できない」ではありません。
「〜のはずがない」という推量です。
ここでも can’t = 潜在ゼロが効いていますね。
「そうである可能性がゼロだ」から「そんなはずがない」になる。
話し手の確信の強さを表す言い方で、かなり強く否定しています。
対になるのが must be ~、「〜に違いない」です。
must be が「そうに決まっている」なら、can’t be は「そんなわけがない」。
この2つはセットで覚えると効率がいいですよ。
なお mustn’t be は「〜であってはならない」という禁止なので、推量には使いません。
⑫ can’t ~ enough、説明できますか?
例文:
I can’t recommend this podcast enough.
このポッドキャストはいくらすすめても足りません。(※動画には登場しない参考例)
要点:
- 直訳は「十分に〜できない」、意味は最大級の称賛
- enough という上限に届かないほど、という仕組み
- can’t be too ~(いくら〜してもしすぎない)も同じ発想
解説例:
直訳すると「十分にすすめることができない」です。
けなしているように見えますが、意味は正反対です。
「すすめてもすすめ足りないほど良い」という最大級の称賛なんです。
理屈はこうです。
enough、つまり十分な量に到達する可能性がゼロなくらい、気持ちが大きい。
だから「いくら〜してもし足りない」になります。
同じ発想の表現に can’t thank you enough、感謝してもしきれない、があります。
can’t be too ~ も同じで、「いくら〜してもしすぎることはない」ですね。
You can’t be too careful. なら「用心するに越したことはない」です。
最後は、can では言えないところを埋める仲間たちです。
未来形にしたい、許可を強調したい、確信を弱めたい。
そういうときに can から持ち替える語を、一覧図解にまとめました。
⑬ be able to、説明できますか?

例文:
I was able to finish the race without a shirt.
シャツなしでレースを完走できました。(※動画には登場しない参考例)
要点:
- 助動詞は2つ重ねられないので will can とは言えない
- be able to なら未来形・完了形にも乗せられる
- was able to は「1回、実際にやり遂げた」
解説例:
ここからは、can の手が届かないところを埋める語を見ていきます。
can には大きな弱点があります。
助動詞は2つ重ねられないので、will can とは言えないんです。
そこで登場するのが be able to です。
be の部分が自由に変化するので、will be able to、have been able to と、どんな時制にも乗せられます。
もうひとつ違いがあります。
過去形の could は「昔はできる状態だった」という能力の話です。
was able to は「あの時、実際にやり遂げた」という1回の達成を表します。
マラソンを完走したなら I was able to finish が自然ですね。
I could finish だと「やろうと思えばできたのに」という響きになってしまいます。
⑭ be allowed to、説明できますか?
例文:
You’re not allowed to run shirtless here.
ここでは上半身裸で走ることは許されていません。(※スクリプトの言い換え例)
要点:
- can は本人の側から見た可能性
- be allowed to は「誰かが許可を与えている」という受動態
- ルールの説明では be allowed to のほうが明確
解説例:
許可の意味では、can と be allowed to が近い働きをします。
ただ、視点が違います。
can は「その可能性がある」と、本人の側から言っているだけです。
be allowed to は受動態なので、誰かが許可を与えているという含みが必ず入ります。
ルールや権限のある側の存在が、言葉の上に現れるんですね。
動画では How can she be allowed to leave the house …? と、両方が同時に使われています。
可能性への疑問と、許可への疑問が重なった言い方です。
ルールを説明するときは be allowed to、軽く許可を求めるときは Can I ~? と使い分けます。
⑮ may / might、説明できますか?
例文:
Some people, especially from older generations, may still feel uncomfortable with it.
特に上の世代には、まだ抵抗を感じる人もいるかもしれません。
要点:
- can は一般的な性質、may は個別の推量
- may は「〜かもしれない」と訳せる
- might は may よりさらに確信が低い
解説例:
can と may は、どちらも可能性を表します。
ただ、見ているものが違います。
can は「一般的にそういうことが起こりうる」という性質の話です。
may は「今回、実際にそうかもしれない」という個別の推量になります。
この文でも、話し手は自分の推測であることをはっきりさせていますね。
ここを can にすると「そういうことは起こりうる」という一般論になって、推測の色が消えてしまいます。
might は may よりさらに確信が低い言い方です。
動画にも some might view it as bragging という形で出てきますよ。
⑯ could、説明できますか?
例文:
One reason I suppose could be that Koreans tend to care about dressing for the right time and place.
理由のひとつは、韓国の人がTPOに合った服装を大事にすることかもしれません。
要点:
- could は過去形だが、過去の話とは限らない
- can より控えめ・丁寧にするための形
- 過去の1回の達成には was able to を使う
解説例:
could は can の過去形ですが、過去のことを言うためだけの形ではありません。
この文の could は、過去の話ではまったくないんです。
can より控えめに言うために使われています。
One reason can be … と言い切るより、could のほうが「あくまで一説ですが」という距離が出ます。
さらに I suppose まで添えているので、二重に慎重な言い方になっていますね。
過去形が丁寧・控えめになるのは、can に限った話ではありません。
Can you ~? より Could you ~? が丁寧なのも、まったく同じ理屈です。
過去形は「今ここから距離を取る」形なんです。
その距離が時間ではなく心理に働くと、控えめさになる。
もちろん素直に過去を表すこともありますが、1回きりの達成には was able to を使ってください。
一人で言えた例文は、相手がいると急に出てこなくなります。
文法が身につくのは、通じた/通じなかったを自分の耳で確かめた瞬間です。
まずは量をこなせる環境で、今日覚えた can を実際に使ってみてください。
今日の表現をAnkiで復習しよう

記事に出てきた動画の表現を、そのままAnkiに取り込めるようにまとめました。
今回は会話の温度感を伝える表現が多く入っています。
特に stay in your lane(余計な口出しはするな)と each to their own(人それぞれだね)は、
どちらも相手との距離の取り方を1フレーズで表せる言い回しです。
意味だけでなく、どんな場面で使われていたかごと覚えてしまってください。
知らなかった表現を追加・編集して、自分専用のカードを作ってみてください。
知らなかった表現を追加・編集して、そのままAnkiに取り込めます。
| 表現 | 発音記号 | 意味 | 動画の例文 | シンプル例文 |
|---|
- PC・Android(AnkiDroid含む):「💻 PC・Android用」ボタンで
anki_import.txtをダウンロードし、Ankiのファイル → インポートから取り込む(区切り文字はTabを選択) - iPhone(AnkiMobile):「📱 iPhone用」ボタンで
anki_import.apkgをダウンロードし、AirDropやFilesアプリでiPhoneに送って、AnkiMobileの設定(歯車) → Import File から開く
まとめ:can の16の顔を再確認しよう

さて、今回は「can は潜在、つまりまだ起きていない可能性である」というテーマで、16の顔を見てきました。
- can + 原形 ― うしろは必ず原形。主語が人なら「できる」でよい
- can be + 形容詞 ― 「そうなることもある」と幅を残す
- can + sometimes ― 例外を許す言い方。断定をやわらげるクッション
- can be + 過去分詞 ― 「〜されることがある」。be は原形のまま
- can + help ― 効き目が眠っている。研究結果の紹介で頻出
- モノ・コト + can ― 人でなくても主語になれる。音は「クン」に近い
- can’t ― 潜在がゼロ。can は弱く、can’t は強く読まれる
- How can ~? ― 答えを求めない、驚きと非難の問いかけ
- can’t help ~ing ― help は「避ける」。止める選択肢がない
- can’t wait to ~ ― 否定の形なのに、意味はポジティブ
- can’t be ~ ― 「〜のはずがない」。反対は must be ~
- can’t ~ enough ― 上限に届かない。最大級の称賛になる
- be able to ― 未来・完了に乗せられる。1回の達成にも使う
- be allowed to ― 許可を与える側の存在が言葉に出る
- may / might ― can は一般論、may は目の前の推量
- could ― 過去形が心理的な距離になり、控えめ・丁寧になる
16と聞くと多く感じますが、出発点はたった1つです。
can は、うしろの動詞に「そうなる可能性」をかぶせているだけ。
その可能性が人の中にあれば「できる」に見えます。
国や研究や現象の中にあれば「そういうことがある」に見えます。
可能性がゼロになれば can’t、可能性の有無を尋ねれば疑問文になる。
見え方が違うだけで、can がやっていることは最初から最後まで同じです。
そしてcan が守備範囲外になったときに、be able to や may、could に持ち替える。
後半8つの使い分けも、この1つのイメージの上に乗っています。
今日の16のうち、まずおすすめしたいのは④の「can be + 過去分詞」と⑯の「could」です。
この2つが体に入ると、英語で「言い切らずに伝える」ことができるようになります。断定を避けながら、それでも自分の考えを差し出せるからです。
もし今日の内容で「なるほど」と思った部分があれば、ぜひコメントで教えてください。
次回は、可能性と許可を表す「may」に進む予定です。
さらに英語学習を進めたい方へ
発音が気になっている方へ
文法と同じくらい大事なのが、発音です。
「読めるのに、なぜか伝わらない。」
そんな経験、ありませんか?
実は、発音には明確なルールがあります。
ルールを知るだけで、ネイティブの英語がグッと聞き取りやすくなります。
話すときの自信も、ぜんぜん違ってきます。
発音の基礎からしっかり学びたい方は、こちらをどうぞ。
学習習慣がどうしても身につかない方へ
「やる気はあるのに、続かない。」
これ、意志の問題ではありません。
一人で学び続ける仕組みがないだけです。
私も独学時代、何度も挫折しました。
英語コーチングに出会ってから、学習が習慣として定着しました。
あなたに合った学習プランを一緒に作りましょう。
話す機会を探している方へ
文法を学んだら、次は実際に使ってみることが一番の近道です。
頭でわかっていても、口から出てこない。
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