英語イマージョン学習|Youtubeで英文法#14【否定】
- イマージョンで否定(not と no)を理解する
- イマージョン学習で英文法を学ぶ前の確認事項
- 否定とは何か ― 打ち消す範囲を指し示す矢印
- イマージョンで学ぶ【否定】16の顔
- 一人プレゼンを実施してみる
- ① be動詞 + not、説明できますか?
- ② 一般動詞 + don’t、説明できますか?
- ③ doesn’t + 原形、説明できますか?
- ④ didn’t + 原形、説明できますか?
- ⑤ 助動詞 + not、説明できますか?
- ⑥ 命令文の Don’t、説明できますか?
- ⑦ isn’t going to、説明できますか?
- ⑧ not A but B、説明できますか?
- ⑨ not many / not much、説明できますか?
- ⑩ no + 名詞、説明できますか?
- ⑪ not … any、説明できますか?
- ⑫ nothing / nobody / never、説明できますか?
- ⑬ 部分否定、説明できますか?
- ⑭ 全体否定、説明できますか?
- ⑮ I don’t think ~、説明できますか?
- ⑯ little / few / hardly、説明できますか?
- 今日の表現をAnkiで復習しよう
- まとめ:否定の16の顔を再確認しよう
- さらに英語学習を進めたい方へ
イマージョンで否定(not と no)を理解する

not so focused on being fresh and good for you, but more about being convenient
「新鮮さや体に良いことより、便利さのほうを重視している」。
アメリカのスーパーの食品について、話し手がこう言っています。
ここで not が打ち消しているのは、文全体ではありません。
so focused on being fresh という、すぐうしろのカタマリだけです。
だからそのあとに but を置いて、「そっちではなく、こっちだ」と続けられる。
「否定=not をつけて打ち消すこと」と覚えていると、この使い方は出てきません。
僕自身、TOEIC300点からのスタートでした。
オンライン英会話を7年続けて910点まで来ましたが、
否定はずっと「don’t を入れる」「doesn’t のあとは原形」という手順として覚えていた項目でした。
でも実際の会話を聞くようになって、否定は打ち消すためではなく対比を作るために使われていると気づきました。
否定は「打ち消す範囲を指し示す矢印」。どこに not を置くかで、何を否定しているかが決まる
読み終えるころには、not と no を使い分けて、「ない」の強さを自分で選べるようになっているはずです。
手順をいくつも覚えるのではなく、打ち消す範囲を指すという1つのイメージを手に入れる、という感覚です。
イマージョン学習で英文法を学ぶ前の確認事項

動画紹介
今回教材にするのは、MJ and Adam Show というポッドキャスト番組です。
アメリカ人とカナダ人の2人が、「なぜアメリカには体格の大きい人が多いのか」を13分間話し続ける回です。
冷凍食品、保存料、賞味期限、そして「健康的に食べるにはお金がかかる」という社会の話へと広がっていきます。
この動画を否定の教材に選んだ理由は、否定文の密度が異常に高いからです。
2人が「アメリカが悪いわけではない」「そう決めつけたいわけではない」と、
何度も断定を避けながら話すので、not の使い方が自然に何通りも出てきます。
しかも台本のない雑談なので、短縮形も口語もそのまま聞けます。
学習の進め方
文法の知識を実際に使いこなすには、
その言葉が使われる場面や気持ちごと覚えるのが近道です。
だからこそ今回は、動画の生きたセリフを教材にして、「否定」の視点を見ていきます。
読み方は、目的に合わせて選んでみてください。
英語を楽しみながら勉強したい方は、このまま記事を読み進めてください。
動画のセリフをたどりながら、
「否定」の感覚を少しずつ自分のものにしていけます。
逆に、効率的に英文法だけを押さえたい方は、要点だけをまとめた別記事へどうぞ。
否定とは何か ― 打ち消す範囲を指し示す矢印

否定というと、「not をつけて打ち消すこと」だと習います。
間違いではないのですが、これだと大事なことが抜け落ちます。
何を打ち消しているのか、という視点です。
英語の not は、置かれた場所からうしろに向かって矢印を伸ばします。
その矢印が届く範囲が、打ち消される部分です。
だから not を置く場所が変わると、否定される内容も変わります。
I don’t think it’s a lot. と I think it’s not a lot. の違いも、ここから生まれます。
そして英語には、打ち消す道具が2種類あります。
動詞を打ち消す not と、名詞をゼロにする no です。
There’s not many people と There are no people は、どちらも「いない」と訳せますが、
前者は「多くはない」、後者は「1人もいない」。強さがまるで違います。
限定詞編で出てきた some / any / no が、今回そのまま否定の道具として再登場します。
前回の最上級編をまだ読んでいない方は、先にこちらを読むと今回の話がつながりやすくなります。
イマージョンで学ぶ【否定】16の顔

ここからは、動画のセリフを使いながら、否定が持つ16の顔を1つずつ見ていきましょう。
前半8つは否定の基本形と not の位置、後半8つはnot と no の使い分け・打ち消す範囲です。
① 否定の基本形と not の位置(動画のセリフで学ぶ)
- be動詞 + not ― be のうしろに not を置くだけ
- 一般動詞 + don’t ― be動詞がないなら do を呼んでくる
- doesn’t + 原形 ― 三単現の s は do が持っていく
- didn’t + 原形 ― 過去形も do が引き取る
- 助動詞 + not ― 助動詞がいるなら do は要らない
- 命令文の Don’t ― 主語がないから文頭に置く
- isn’t going to ― 動詞が長くても、not は最初の1語のうしろ
- not A but B ― not は「直後のカタマリ」を打ち消している
② no / not / any の使い分け
- not many / not much ― 量を打ち消す(ゼロではない)
- no + 名詞 ― 名詞そのものをゼロにする
- not … any ― no を2語に分けた形
- nothing / nobody / never ― 1語で否定を背負う
③ 部分否定と全体否定
- 部分否定 ― 「全部が〜なわけではない」
- 全体否定 ― 「ひとつも〜ない」と言い切る
- I don’t think ~ ― 否定を前に繰り上げる
- little / few / hardly ― not を使わずに「ほとんどない」
⑩⑪⑫⑭の4つは、この動画に出てこない形なので、例文は言い換え例・参考例であることを明記しています。
限定詞編で見た some / any / no の関係が、②でそのまま否定の使い分けとして再登場します。
以下のカードをタップすると、それぞれの視点を実際の例文つきで詳しく確認できます。
カードをタップすると詳しい説明が開きます
しかも、not がどこまでを打ち消しているかで意味が変わる文まであります。not so focused on being fresh, but more about being convenient。ここでの not は、文全体ではなくすぐうしろのカタマリだけを打ち消しています。
not が置かれる場所を決めるのが be動詞・助動詞・do、打ち消す範囲を決めるのが 否定の焦点。ここまでが骨組み(カード1〜8)です。
そのうえで英語には、動詞ではなく名詞をゼロにする no(カード9〜12)と、「全部が〜なわけではない」と一部だけ打ち消す部分否定(カード13〜16)があります。not と no の違いが分かると、「ない」の強さを自分で選べるようになります。
否定という文法は、やっていることがたった1つしかありません。「そうではない」と、打ち消す印をつける。それだけです。
その印が not です。be動詞の文では、置き場所も決まっています。be動詞のすぐうしろ。You are born obese. の are のうしろに not を差し込めば、それでもう You are not born obese. の完成です。
ここで大事なのは、語順がまったく変わっていないことです。日本語は「生まれつき肥満だ」→「生まれつき肥満ではない」と文の最後で否定が決まりますが、英語は動詞のところで、いきなり否定が決まります。この差が、英語を聞くときのつまずきどころになります。
- be + n’t:isn’t / aren’t / wasn’t / weren’t(否定語のほうを縮める)
- 主語 + ‘s / ‘re + not:You’re not / It’s not(主語のほうを縮める)
- どちらでもよい:この動画の話者は You’re not born obese. と It’s not a condition. の形を選んでいる
- I am not だけは例外:I amn’t とは言わず、I’m not になる
※ 短縮のしかたで意味は変わりません。話し言葉ではどちらも普通に使われます。
be動詞なら not を置くだけで終わり、do も does も要りません。You don’t are… のように do を足すのは誤りです。
- I’m not fat, I’m just big boned(太ってるんじゃない、骨太なだけ・0:24)
- It’s not a condition(それは症状のようなものではない・1:03)
- I’m not sure exactly(正確なところは分からない・10:27)
- there’s something there that is not good(そこに何かよくないものがある・10:27)
一般動詞の文では、like のうしろに not を置くことができません。I like not frozen foods. とは言えないんですね。
なぜかというと、not は「くっつく相手」を選ぶからです。not がくっつけるのは be動詞か助動詞だけ。一般動詞の文にはそのどちらもありません。そこで助動詞の do を呼んできて、その席に座らせる。これが do not(don’t)の正体です。
do は意味をほとんど持たない、not を置くためだけに呼ばれた助っ人です。だから日本語訳にも出てきません。この「助っ人 do」は疑問文でも同じ顔で登場します。Do you like frozen foods? の do とまったく同じものです。
be動詞なら not だけ、それ以外なら don’t / doesn’t / didn’t を呼んでくる。この2択で、否定文の作り方はほぼ決まります。
- To those who don’t know, what is obesity?(知らない方のために、肥満とは何でしょう・0:42)
- the base stuff that you really don’t think about(あなたが普段まるで意識していない土台の部分・12:42)
- You don’t really look at it so much(そこまでじっくり見たりはしませんよね・12:42)
主語が三人称単数のとき、肯定文なら the food goes bad と三単現の s がつきます。ところが否定文では the food doesn’t go bad。s が消えて、原形に戻っています。
消えたのではなく、引っ越しただけです。助っ人の do が呼ばれると、時制や三単現の s といった「文法の荷物」は全部 do が引き受けます。その結果 do 自身が does に変わり、後ろの本動詞は荷物を降ろして原形に戻る、というわけです。
この仕組みが分かると、doesn’t goes / doesn’t went のような間違いが起きなくなります。荷物を持てるのは1人だけ。does がすでに持っているのだから、後ろの動詞は必ず手ぶら(原形)です。
- 三単現:the food goes bad → the food doesn’t go bad
- 過去:they knew why → they didn’t know why
- それ以外:I like it → I don’t like it
- 共通ルール:do / does / did のうしろは、いつでも原形
※ 荷物(時制・三単現の s)を持てるのは文のなかで1か所だけ、と覚えると迷いません。
逆に言うと、原形が来ていることが「do がもう荷物を持った」証拠になります。
- Why does this kind of food go bad so quickly?(なぜこの手の食べ物はこんなに早く傷むのか・8:54/疑問文でも同じ仕組み)
- How can we make it so the food doesn’t go bad?(メイン例文・8:11)
過去の否定も、考え方はまったく同じです。I noticed → I didn’t notice。過去を表す -ed が do のほうへ移って did になり、本動詞は原形に戻ります。
ここも荷物を持てるのは1人だけというルールがそのまま効いています。I didn’t noticed とは言えません。did がすでに過去という荷物を持っているからです。
不規則動詞でも同じです。they knew why が they didn’t know why になる。knew という過去形は姿を消して、原形の know に戻ります。否定文・疑問文では、本動詞は活用しないと覚えてしまうのが早いです。
過去であることは didn’t がすでに示しています。本動詞は原形のまま置いておきましょう。
- people got really sick and they didn’t know why(人々は重い病気になったが、その理由が分からなかった・8:36)
- I didn’t want to go there to begin with(そもそも行きたくなかった/to begin with の形は本文の to begin with より)
can / will / would / should / might のような助動詞がある文では、do を呼んでくる必要がありません。not のくっつく相手が、すでにそこにいるからです。
置き場所は助動詞のすぐうしろ。be動詞のときとまったく同じ発想です。I would go → I would not go。ここでも本動詞は原形のままで、何も変わりません。
短縮形は can’t / won’t / wouldn’t / shouldn’t。will not だけは won’t という特別な形になるので、ここだけ注意です。この動画では you can’t take care of yourself という形でも出てきます。
あれば not を助動詞のうしろに置くだけ。I don’t can go のように do を足すのは誤りです。not の席はすでに埋まっています。
- you can’t take care of yourself(自分の面倒を見られなくなる・12:13)
- to eat healthy isn’t going to cost you a lot of money(健康的に食べるのに大金はかからない・11:37)
命令文には主語がありません。目の前の相手に向かって、動詞の原形からいきなり始める形だからです。Get me wrong. のように。
では否定はどこに置くか。主語がない以上、否定の印は文のいちばん前に出るしかありません。そこで Don’t を先頭に置きます。ここでも do は、not を置くために呼ばれた助っ人です。
be動詞の命令文でも同じで、Be late. の否定は Don’t be late. になります。命令文だけは、be動詞でも do を呼んでくるのがポイントです。この動画には Don’t get me wrong. と Don’t get me started. という、会話でそのまま使える2つが出てきます。
主語が省かれているのではなく、はじめから存在しません。だから Don’t のうしろは必ず原形になります。
- Don’t get me started(その話をさせないでくれ・6:04)
- Let us know what you think about this topic(この話題についてどう思うか教えてください・13:08/肯定の命令文)
- just take that into consideration(そのことを考慮に入れてみてください・13:00/肯定の命令文)
be going to、have been、will be able to のように、動詞が何語かの組み合わせになることがあります。こんなとき not をどこに置くか迷いますが、答えは決まっています。
最初の1語のうしろです。is going to cost なら、is のうしろ。つまり isn’t going to cost になります。この「最初の1語」は助動詞やbe動詞のことなので、結局これまでのカードとまったく同じルールです。
長さに惑わされないでください。カード①〜⑤で見てきた「not は be か助動詞のうしろ」が、そのまま適用されているだけです。have not been、will not be able to も、全部この形です。
そこが not の置き場所。残りの going to cost の部分には、いっさい手をつけません。
- food is not that expensive overall(全体として、食べ物はそこまで高くない・11:25)
- It is expensive, don’t get me wrong(高いことは高い、誤解しないでほしいけど・11:37)
ここまで「not は be か助動詞のうしろ」と見てきましたが、本当に大事なのは、not が何を打ち消しているかです。not は、そのうしろに続くカタマリを打ち消します。これが否定の焦点という考え方です。
この文で not が打ち消しているのは「文全体」ではありません。so focused on being fresh の部分だけです。だからそのあとに but more about being convenient と続けて、「そっちじゃなくて、こっちだ」と正解を差し出せます。これが not A but B の形です。
この感覚を持っておくと、否定文の聞き取りが変わります。not が聞こえたら「どこまでを打ち消しているのか」を耳で追う。多くの場合、そのすぐあとに but や rather が来て、話し手の本当に言いたいことが出てきます。つまり否定は、否定するために使うのではなく、対比を作るために使われるんですね。
あれば、その文の要点は but のあとにあります。not A but B は「A ではなく B」。強調されているのは B のほうです。
- the list tends to veer into a kind of oily, fatty … maybe not so healthy for you kind of food group(そのリストは油っこくて、あまり健康的とは言えない食品群のほうへそれていく・2:51)
- their height and their weight was more average and not overweight(身長と体重は平均寄りで、太りすぎではなかった・2:11)
ここからは、not とno の関係を整理します。まずは not が量を表す語にかかる形からです。
not many people は「多くの人、ではない」。つまりゼロではないけれど、多くはないという意味になります。ここが日本語の「いない」とずれるところです。「少しはいる」という含みが残るんですね。
数えられる名詞には many、数えられない名詞には much を使います。not many people、not much time。ゼロだと言い切りたいときは、次のカードの no を使います。
「多くはない=少しはいる」。完全にゼロだと言いたいときは no people / nobody を使います。この差は大きいです。
- There isn’t much time left.(時間があまり残っていない)
- Not many people came to the event.(そのイベントに来た人は多くなかった)
- I don’t have much money.(お金はあまりない)
no は not とは仕事が違います。not は動詞を打ち消す印、no は名詞そのものをゼロにする語です。
置き場所を見れば一目瞭然で、no は名詞の直前に立ちます。a / the / my と同じ限定詞の席です。限定詞編でやったとおり、この席に座れるのは1つだけ。だから a no preservative とは言えません。
そして no は not より強く、そして少しあらたまった響きを持ちます。There are no preservatives. は「ゼロです」と言い切っている感じ。会話でくだけて言うなら There aren’t any preservatives. のほうが自然です。この2つの関係が、次のカードのテーマです。
「〜しない」なら not、「〜がゼロ」なら no。no のうしろには必ず名詞が来ます。
- There is no milk in the fridge.(冷蔵庫に牛乳がない)
- I have no idea.(まったく分からない)
- No student failed the test.(テストに落ちた生徒は1人もいなかった)
no = not + any。この等式を覚えてしまうと、2つの形が一気につながります。They use no preservatives. と They don’t use any preservatives. は同じ内容です。
any のイメージは「どれをとっても」です。肯定文なら「どれでもいいよ」(Any day is fine.)、否定文なら「どれをとっても〜ない」=1つもないになります。any 自体は否定語ではなく、not と組んではじめてゼロになるのがポイントです。
使い分けは響きの強さです。no のほうが強く、書き言葉的。not any のほうがやわらかく、会話的。ちなみに not any は文頭に置けません。「1人も来なかった」は No one came. とは言えても、Not anyone came. とは言わないんですね。
I have some time. → I don’t have any time.
否定文・疑問文では、some が any に姿を変えると覚えてください。
- I don’t have any money. = I have no money.(お金がまったくない)
- She didn’t say anything. = She said nothing.(彼女は何も言わなかった)
- Do you have any questions?(何か質問はありますか/疑問文の any)
nothing / nobody / no one / never / neither は、その1語だけで否定を背負っている語です。no + 名詞が1語に固まったもの、と考えると分かりやすいです。
大事なのは、これらを使ったら not は要らないということ。Nobody wasn’t shopping. とは言いません。否定は文にひとつだけ。この動画で言えば、there’s not many people の代わりに Nobody を使うなら、not はもう出番がありません。
この形の便利さは、否定を主語の位置に持ってこられることです。「誰も〜しない」を英語にするとき、日本語のまま組み立てると詰まりますが、Nobody を主語にして、あとは普通の肯定文を書けば終わりです。never も同じで、「一度も〜ない」を not ever と言わずに1語で片付けられます。
nothing / nobody / never を使ったら、その文にはもう not を入れません。I didn’t see nothing. は、標準的な英語では誤りとされます。
- Nothing changed after that.(そのあとは何も変わらなかった)
- I have never been to Canada.(カナダには一度も行ったことがない)
- No one knew the reason.(誰もその理由を知らなかった)
not が so / all / always / every / both のような「全部」を表す語にかかると、意味が独特になります。部分否定と呼ばれる形です。
not so healthy は「まったく健康的でない」ではありません。「そこまで健康的ではない」=多少はそういう面もある、という含みです。カード⑧で見た否定の焦点がここでも効いていて、not が打ち消しているのは healthy ではなく、so(そこまで)という程度のほうなんですね。
この形は英語の会話でとても丁寧な言い方として働きます。「体に悪い」と言い切らずに「そこまで健康的ではない」と言う。断定を避けたいときの定番なので、自分で使えるようになると会話の角が取れます。
- not all:Not all frozen food is bad.(冷凍食品が全部だめなわけではない)
- not always:He is not always right.(彼がいつも正しいわけではない)
- not every:Not every store sells it.(どの店にも売っているわけではない)
- not both:I don’t like both of them.(両方とも好き、というわけではない)
- not very / not so:It’s not very cheap.(そこまで安くはない)
※ not so 以外の4つは、この動画には登場しない一般的な参考例です。
all / always / every / both / so / very があれば部分否定。「全部が〜というわけではない」と訳すと、ほぼ外しません。
- the amount of fried frozen foods is more here(揚げ物の冷凍食品はこちらのほうが多い・6:34/比較で断定を避ける形)
- everything is a lot more possibly healthy, at least for me in my case(少なくとも僕の場合は、たぶんずっと健康的だ・10:45/断定を避ける言い方)
部分否定の反対が 全体否定です。「ひとつの例外もなくゼロだ」と言い切る形で、no / none / no one / never / neither が担当します。
見分け方はとてもシンプルで、語順です。Not all の bread なら「全部が〜なわけではない」(部分否定)、None of the bread なら「ひとつも〜ない」(全体否定)。否定語が all にかかっているか、それとも文全体を支配しているかの違いです。
日本語ではどちらも「ない」で済んでしまうので、ここは意識して区別する価値があります。Not all Americans are overweight. は「全員が太っているわけではない」。No Americans are overweight. は「1人も太っていない」。言っている内容がまるで違います。
Not all の場合は「例外がある」、None の場合は「例外がない」。この2つを取り違えると、意味が正反対になります。
- None of them came.(彼らは誰も来なかった)
- No one in the class knew the answer.(クラスの誰も答えを知らなかった)
- He never eats frozen food.(彼は冷凍食品を絶対に食べない)
この文、日本語に訳すと「多くないと思う」です。「多いとは思わない」ではありません。ところが英語は I don’t think と、否定を前の動詞に繰り上げて言っています。
英語には、否定はできるだけ早い位置で出すという好みがあります。I think it’s not a lot. と言えなくはないのですが、ネイティブはほぼ I don’t think ~ を選びます。聞き手からすると、最初のうちに「これは否定の話だ」と分かるほうが処理しやすいからです。
この繰り上げが起きる動詞は決まっています。think / believe / suppose / expect / seem といった、「〜だと思う」系の動詞です。逆に hope と be afraid では繰り上げが起きません。I hope it’s not a lot. とは言っても、I don’t hope ~ とは言わないんですね。
「〜だと思わない」と訳すと不自然になります。英語は否定を先に出し、日本語は最後に置く。この順番の違いだけです。
- I don’t think it’s a lot.(そんなに多くはないと思う・6:34)
- I don’t believe he’s coming.(彼は来ないと思う)
- I don’t suppose it matters.(それは大した問題ではないと思う)
最後は、not も no も使わずに否定を表す語たちです。little / few / hardly / barely / rarely。見た目は普通の語なのに、意味の中に否定が埋め込まれています。
この動画の話者は very little(ごくわずか)という言い方を選んでいます。not を使えば「保存料が入っていない」と言い切ることになりますが、little なら「ほとんどない」と、事実に忠実なまま言える。準否定と呼ばれるのは、こういう「ほぼゼロ」を表すからです。
注意したいのは a がつくかどうかで意味が反転することです。little=ほとんどない(否定寄り)、a little=少しはある(肯定寄り)。few と a few も同じ関係です。数えられる名詞には few、数えられない名詞には little を使います。
- little:ほとんどない(否定寄り)― There is little hope.(望みはほとんどない)
- a little:少しはある(肯定寄り)― There is a little hope.(少しは望みがある)
- few:ほとんどない ― Few people know it.(それを知る人はほとんどいない)
- a few:少しはいる ― A few people know it.(何人かは知っている)
- hardly / barely:かろうじて〜ない ― I could hardly walk.(ほとんど歩けなかった)
※ ルール内の例はスペルと意味の対比を示すための一般的な参考例です(この動画には登場しません)。
たった1文字で、話し手の気持ちが逆になります。hardly は「難しい(hard)」ではなく「ほとんど〜ない」なので、ここも要注意です。
- I learned that the amount of preservatives are zero to very little in Japan(日本では保存料の量がゼロかごくわずかだと知った・8:54)
- it lasts a lot longer in North America than in Japan(北米のほうが日本よりずっと長持ちする・8:44/同じ場面の対比)
一人プレゼンを実施してみる

まずは何も見ずに例文を自分で作って説明してみて、
うまく言えなかった項目だけ解説例を確認する、
という使い方がおすすめです。
16問あるので、1日に全部やろうとしなくて構いません。
①〜⑧の骨組みだけでも、否定文の読み書きはかなり安定します。
① be動詞 + not、説明できますか?

例文:
You’re not born obese.
人は生まれつき肥満なわけではありません。
要点:
- 否定の仕事は「そうではない」と打ち消す印をつけること
- be動詞の文は、be のすぐうしろに not を置くだけ
- 短縮形は isn’t 型と It’s not 型の2通りあり、意味は同じ
解説例:
否定という文法がやっていることは、実はたった1つです。
「そうではない」と、打ち消す印をつける。それだけなんです。
その印が not ですね。
be動詞の文なら、置き場所も決まっています。
be動詞のすぐうしろです。
You are born obese. の are のうしろに not を入れる。
それで You’re not born obese. の完成です。
ここで注目してほしいのは、語順がまったく変わっていないことです。
日本語は「肥満だ」が「肥満ではない」と、文の最後で否定が決まりますよね。
英語は動詞のところで、いきなり否定が決まるんです。
② 一般動詞 + don’t、説明できますか?

例文:
I don’t like frozen foods.
個人的には、冷凍食品は好きではありません。
要点:
- not がくっつけるのは be動詞か助動詞だけ
- 一般動詞の文には not の相手がいないので、助っ人 do を呼んでくる
- do 自体に意味はなく、日本語訳にも出てこない
解説例:
一般動詞の文では、動詞のうしろに not を置けません。
I like not frozen foods. とは言えないんですね。
理由は、not がくっつく相手を選ぶからです。
not がくっつけるのは、be動詞か助動詞だけ。
一般動詞の文には、そのどちらもいません。
そこで助動詞の do を呼んできて、その席に座らせるんです。
これが don’t の正体です。
do 自体はほとんど意味を持っていません。
not を置くためだけに呼ばれた助っ人なので、日本語訳にも出てきません。
疑問文の Do you like ~? の do も、まったく同じ助っ人です。
③ doesn’t + 原形、説明できますか?

例文:
How can we make it so the food doesn’t go bad?
どうすれば食べ物が傷まないようにできるだろう?
要点:
- 肯定文の goes が、否定文では go に戻る
- s が消えたのではなく、時制と三単現の荷物を do が引き受けた
- does / did のうしろは、いつでも原形
解説例:
肯定文なら the food goes bad と、三単現の s がつきますよね。
でも否定文では the food doesn’t go bad。
s が消えて、原形に戻っています。
これは消えたのではなく、引っ越しただけなんです。
助っ人の do が呼ばれると、時制や三単現の s という文法の荷物を全部 do が引き受けます。
その結果、do 自身が does に変わる。
そして後ろの本動詞は、荷物を降ろして原形に戻るわけです。
ここが分かると doesn’t goes という間違いが起きなくなります。
荷物を持てるのは1人だけですから。
does がもう持っているなら、後ろの動詞は必ず手ぶらです。
④ didn’t + 原形、説明できますか?

例文:
I didn’t notice at the time.
そのときは気づきませんでした。
要点:
- 過去の否定も、-ed が do 側に移って did になる
- 本動詞は原形に戻る(noticed → notice、knew → know)
- didn’t + 過去形は誤り。過去は didn’t がすでに示している
解説例:
過去の否定も、考え方はまったく同じです。
I noticed が I didn’t notice になる。
過去を表す -ed が do のほうへ移って did になり、本動詞は原形に戻ります。
ここでも、荷物を持てるのは1人だけというルールが効いていますね。
だから I didn’t noticed とは言えません。
did がすでに過去という荷物を持っているからです。
不規則動詞でも同じです。
they knew why が、they didn’t know why になる。
knew という過去形は姿を消して、原形の know に戻ります。
否定文と疑問文では、本動詞は活用しない。こう覚えてしまうのが早いです。
⑤ 助動詞 + not、説明できますか?

例文:
I would not go to school.
(痛すぎて)学校に行けませんでした。
要点:
- 助動詞がある文では do を呼ばない(not の相手がすでにいる)
- 置き場所は助動詞のすぐうしろ。本動詞は原形のまま
- 短縮形は can’t / wouldn’t など。will not だけ won’t になる
解説例:
can や would のような助動詞がある文では、do を呼んでくる必要がありません。
not のくっつく相手が、すでにそこにいるからです。
置き場所は助動詞のすぐうしろ。
be動詞のときと、まったく同じ発想ですね。
I would go に not を差し込んで、I would not go。
本動詞の go は原形のままで、何も変わりません。
短縮形は can’t、wouldn’t、shouldn’t。
will not だけは won’t という特別な形になります。
ここだけは形が読めないので、そのまま覚えてください。
この動画では you can’t take care of yourself という形でも出てきます。
⑥ 命令文の Don’t、説明できますか?

例文:
Don’t get me wrong.
誤解しないでほしいのですが。
要点:
- 命令文には主語がないので、否定の印は文頭に出る
- Don’t + 原形。ここでも do は not を置くための助っ人
- be動詞でも Don’t be late. のように do を呼んでくる
解説例:
命令文には主語がありませんよね。
目の前の相手に向かって、動詞の原形からいきなり始める形だからです。
では、否定はどこに置くか。
主語がない以上、否定の印は文のいちばん前に出るしかありません。
そこで Don’t を先頭に置きます。
ここでも do は、not を置くために呼ばれた助っ人ですね。
面白いのは be動詞の命令文です。
Be late. の否定は、Don’t be late. になります。
命令文だけは、be動詞でも do を呼んでくるんです。
この動画の Don’t get me wrong. と Don’t get me started. は、会話でそのまま使えます。
⑦ isn’t going to、説明できますか?

例文:
To eat healthy isn’t going to cost you a lot of money.
健康的に食べることに、大金がかかるわけではありません。
要点:
- 動詞が何語かのカタマリでも、not は最初の1語のうしろ
- その最初の1語は be動詞か助動詞なので、ルールは今までと同じ
- 残りの going to ~ の部分には手をつけない
解説例:
be going to や have been のように、動詞が何語かの組み合わせになることがあります。
こういうとき、not をどこに置くか迷いますよね。
答えは決まっていて、最初の1語のうしろです。
is going to cost なら、is のうしろ。
つまり isn’t going to cost になります。
この「最初の1語」は、be動詞か助動詞のことです。
だから結局、これまでとまったく同じルールなんです。
長さに惑わされないでください。
not は be か助動詞のうしろ。それがそのまま効いているだけです。
have not been も、will not be able to も、全部この形ですね。
⑧ not A but B、説明できますか?

例文:
not so focused on being fresh and good for you, but more about being convenient
新鮮さや体に良いことより、便利さのほうを重視している。
要点:
- not は文全体ではなく、うしろに続くカタマリを打ち消す(否定の焦点)
- 打ち消したあとに but を置いて「そっちではなく、こっちだ」と示せる
- not A but B では、強調されているのは B のほう
解説例:
ここまで「not は be か助動詞のうしろ」と見てきました。
でも本当に大事なのは、not が何を打ち消しているかなんです。
not は、そのうしろに続くカタマリを打ち消します。
これを否定の焦点と言います。
この文で not が打ち消しているのは、文全体ではありません。
so focused on being fresh の部分だけです。
だからそのあとに but more about being convenient と続けられる。
「そっちじゃなくて、こっちだ」と正解を差し出しているんです。
これが not A but B の形ですね。
not が聞こえたら、どこまでを打ち消しているのかを耳で追ってみてください。
ここからは、not と no の使い分けです。
動詞を打ち消すのか、名詞そのものをゼロにするのか。
下の一覧図解に4つまとめてあるので、これを見ながら順番に説明してみてください。
⑨ not many / not much、説明できますか?

例文:
There’s not many people in that area shopping for things.
その売り場で買い物をしている人は、あまり多くありません。
要点:
- not many / not much は「多くはない」であって、ゼロではない
- many は数えられる名詞、much は数えられない名詞につく
- ゼロだと言い切りたいときは no を使う
解説例:
ここからは、not と no の関係を整理していきます。
まずは not が量を表す語にかかる形からです。
not many people は「多くの人、ではない」。
つまりゼロではないけれど、多くはないという意味になります。
ここが日本語の「いない」とずれるところですね。
「少しはいる」という含みが残るんです。
数えられる名詞には many、数えられない名詞には much を使います。
not many people、not much time という形ですね。
完全にゼロだと言い切りたいときは、no を使います。
その違いを、次で見ていきましょう。
⑩ no + 名詞、説明できますか?
例文:
There are almost no preservatives in Japanese bread.
日本のパンには、保存料がほとんど入っていません。(※スクリプトの言い換え例)
要点:
- not は動詞を打ち消す印、no は名詞をゼロにする語
- no は a / the / my と同じ限定詞の席に立つ(名詞の直前)
- no は言い切る強い響き。会話では not any のほうが自然なことも多い
解説例:
no は、not とは仕事がまったく違います。
not は動詞を打ち消す印、no は名詞そのものをゼロにする語です。
置き場所を見れば一目瞭然ですね。
no は名詞の直前に立ちます。
a や the や my と同じ、限定詞の席です。
限定詞編でやったとおり、この席に座れるのは1つだけ。
だから a no preservative とは言えないんです。
そして no は not より強く、少しあらたまった響きを持ちます。
There are no preservatives. は「ゼロです」と言い切っている感じですね。
会話でくだけて言うなら、There aren’t any preservatives. のほうが自然です。
⑪ not … any、説明できますか?
例文:
They don’t use any preservatives.
そこでは保存料をいっさい使っていません。(※動画には登場しない参考例)
要点:
- no = not + any。同じ内容を2通りで言える
- any は「どれをとっても」。not と組んではじめてゼロになる
- no は強く書き言葉的、not any はやわらかく会話的。not any は文頭に置けない
解説例:
覚えておくと便利な等式があります。
no は、not + any と同じだということです。
They use no preservatives. と They don’t use any preservatives.。
この2つは同じ内容なんですね。
any のイメージは「どれをとっても」です。
肯定文なら「どれでもいいよ」、否定文なら「どれをとってもない」。
any 自体は否定語ではありません。
not と組んではじめて、ゼロになるんです。
使い分けは響きの強さで、no のほうが強くて書き言葉的。
ただし not any は文頭に置けません。No one came. とは言えますが、Not anyone came. とは言わないんです。
⑫ nothing / nobody / never、説明できますか?
例文:
Nobody was shopping in the frozen food aisle.
冷凍食品売り場では、誰も買い物をしていませんでした。(※スクリプトの言い換え例)
要点:
- nothing / nobody / never は1語で否定を背負う(no + 名詞が固まった形)
- これらを使ったら not は要らない。否定は文にひとつだけ
- 否定を主語の位置に置けるので、「誰も〜しない」が組み立てやすい
解説例:
nothing、nobody、never。
これらはその1語だけで否定を背負っている語です。
no + 名詞が1語に固まったもの、と考えると分かりやすいですね。
大事なのは、これらを使ったら not は要らないということです。
Nobody wasn’t shopping. とは言いません。
否定は、文にひとつだけなんです。
この形の便利なところは、否定を主語の位置に持ってこられることです。
「誰も〜しない」を英語にするとき、日本語のまま組み立てると詰まりますよね。
Nobody を主語にして、あとは普通の肯定文を書けば終わりです。
never も同じで、「一度も〜ない」を1語で片付けられます。
後半は、どこまで打ち消しているのかという話です。
「全部が〜なわけではない」の部分否定と、「ひとつもない」の全体否定。
こちらも一覧図解にまとめました。
⑬ 部分否定、説明できますか?

例文:
Maybe not so healthy for you.
あなたにとって、それほど健康的とは言えないかもしれません。
要点:
- not が so / all / always / every / both にかかると部分否定になる
- 「まったく〜ない」ではなく「全部が〜なわけではない」
- 断定を避ける丁寧な言い方として、会話でよく使われる
解説例:
not が so や all、always のような「全部」を表す語にかかると、意味が独特になります。
これを部分否定と言います。
not so healthy は「まったく健康的でない」ではありません。
「そこまで健康的ではない」、つまり多少はそういう面もある、という含みです。
カード⑧で見た否定の焦点が、ここでも効いていますね。
not が打ち消しているのは healthy ではなく、so という程度のほうなんです。
この形は、英語の会話でとても丁寧な言い方として働きます。
「体に悪い」と言い切らずに、「そこまで健康的ではない」と言う。
断定を避けたいときの定番です。
自分で使えるようになると、会話の角が取れますよ。
⑭ 全体否定、説明できますか?
例文:
None of the bread here lasts a month.
ここのパンは、ひとつも1か月ももちません。(※動画には登場しない参考例)
要点:
- 全体否定は「ひとつの例外もなくゼロ」と言い切る形
- 担当は no / none / no one / never / neither
- Not all ~(例外あり)と No ~(例外なし)は意味が正反対
解説例:
部分否定の反対が、全体否定です。
「ひとつの例外もなくゼロだ」と言い切る形ですね。
担当するのは no、none、no one、never といった語です。
見分け方はとてもシンプルで、語順を見ます。
Not all the bread なら「全部が〜なわけではない」。
None of the bread なら「ひとつも〜ない」。
日本語ではどちらも「ない」で済んでしまうので、ここは意識して区別したいところです。
Not all Americans are overweight. は「全員が太っているわけではない」。
No Americans are overweight. は「1人も太っていない」。
言っている内容が、まるで違いますよね。
⑮ I don’t think ~、説明できますか?
例文:
I don’t think it’s a lot.
そんなに多くはないと思います。
要点:
- 英語は「〜ないと思う」を I don’t think ~ と、否定を前に繰り上げて言う
- 起きるのは think / believe / suppose / expect 系の動詞
- hope や be afraid では繰り上げが起きない
解説例:
I don’t think it’s a lot. は、日本語にすると「多くないと思う」です。
「多いとは思わない」ではありませんよね。
ところが英語は、否定を前の動詞に繰り上げて言っています。
英語には、否定はできるだけ早い位置で出すという好みがあるんです。
I think it’s not a lot. と言えなくはありません。
でもネイティブは、ほぼ I don’t think ~ を選びます。
聞き手からすると、最初に「これは否定の話だ」と分かるほうが処理しやすいからです。
この繰り上げが起きる動詞は決まっていて、think、believe、suppose、expect あたりです。
逆に hope では起きません。
I hope it’s not a lot. とは言っても、I don’t hope ~ とは言わないんですね。
⑯ little / few / hardly、説明できますか?
例文:
The amount of preservatives are zero to very little in Japan.
日本では、保存料の量はゼロかごくわずかです。
要点:
- little / few / hardly は not を使わずに「ほとんどない」を表す(準否定)
- a little / a few は「少しはある」で、意味が逆になる
- few は数えられる名詞、little は数えられない名詞につく
解説例:
最後は、not も no も使わずに否定を表す語たちです。
little、few、hardly、barely といった語ですね。
見た目は普通の語なのに、意味の中に否定が埋め込まれています。
この動画の話者は、very little という言い方を選んでいます。
not を使えば「保存料が入っていない」と言い切ることになります。
でも little なら、「ほとんどない」と事実に忠実なまま言えるんです。
こういう「ほぼゼロ」を表すので、準否定と呼ばれます。
注意したいのは、a がつくかどうかで意味が反転することです。
little はほとんどない、a little は少しはある。
たった1文字で、話し手の気持ちが逆になるんですね。
一人で言えた例文は、相手がいると急に出てこなくなります。
文法が身につくのは、通じた/通じなかったを自分の耳で確かめた瞬間です。
まずは量をこなせる環境で、今日覚えた否定を実際に使ってみてください。
今日の表現をAnkiで復習しよう

記事に出てきた動画の表現を、そのままAnkiに取り込めるようにまとめました。
今回は否定と相性のいい表現が多く入っています。
特に Don’t get me wrong.(誤解しないでほしいけど)と Don’t get me started.(その話はさせないで)は、
どちらも今日学んだ命令文の否定そのままの形です。
意味だけでなく、「Don’t + 原形」という骨組みごと覚えてしまってください。
知らなかった表現を追加・編集して、自分専用のカードを作ってみてください。
知らなかった表現を追加・編集して、そのままAnkiに取り込めます。
| 表現 | 発音記号 | 意味 | 動画の例文 | シンプル例文 |
|---|
- PC・Android(AnkiDroid含む):「💻 PC・Android用」ボタンで
anki_import.txtをダウンロードし、Ankiのファイル → インポートから取り込む(区切り文字はTabを選択) - iPhone(AnkiMobile):「📱 iPhone用」ボタンで
anki_import.apkgをダウンロードし、AirDropやFilesアプリでiPhoneに送って、AnkiMobileの設定(歯車) → Import File から開く
まとめ:否定の16の顔を再確認しよう

さて、今回は「否定は打ち消す範囲を指し示す矢印である」というテーマで、16の顔を見てきました。
- be動詞 + not ― be のうしろに置くだけ。do は要らない
- 一般動詞 + don’t ― not の相手がいないので、助っ人 do を呼んでくる
- doesn’t + 原形 ― 三単現の s は do が引き取る。荷物を持てるのは1人だけ
- didn’t + 原形 ― 過去の -ed も do が引き取る。本動詞は活用しない
- 助動詞 + not ― 相手がすでにいるので do は不要。will not だけ won’t
- 命令文の Don’t ― 主語がないから文頭。be動詞でも Don’t be ~
- isn’t going to ― 動詞が長くても、not は最初の1語のうしろ
- not A but B ― not はうしろのカタマリを打ち消す。要点は but のあと
- not many / not much ― 「多くはない」であって、ゼロではない
- no + 名詞 ― 名詞をゼロにする。限定詞の席に立つので a と併用不可
- not … any ― no = not + any。会話ではこちらが自然
- nothing / nobody / never ― 1語で否定を背負う。not は重ねない
- 部分否定 ― not + all / always / every / so で「全部ではない」
- 全体否定 ― no / none / never で「ひとつもない」。部分否定と正反対
- I don’t think ~ ― 英語は否定を前に繰り上げる。訳は「〜ないと思う」
- little / few / hardly ― not なしで「ほとんどない」。a の有無で反転する
16と聞くと多く感じますが、出発点はたった1つです。
打ち消したい範囲の前に、印を置く。
その印が be動詞や助動詞のうしろに来るのは、そこが文の「切り替えスイッチ」だからです。
スイッチがないときだけ、助っ人の do を呼んでくる。
そして印から伸びる矢印が、どこまで届いているかで意味が決まります。
文全体まで届けば「〜ない」、so や all で止まれば「全部が〜なわけではない」。
打ち消したいのが名詞そのものなら、not ではなく no を選ぶ。
後半8つの使い分けも、この矢印の上に乗っています。
今日の16のうち、まずおすすめしたいのは⑧の「not A but B」と⑮の「I don’t think ~」です。
この2つが体に入ると、英語で「言い切らずに伝える」ことができるようになります。相手の意見を全否定せずに、自分の考えだけを差し出せるからです。
もし今日の内容で「なるほど」と思った部分があれば、ぜひコメントで教えてください。
次回は、can / will / must / should のニュアンスを扱う「助動詞」に進む予定です。
さらに英語学習を進めたい方へ
発音が気になっている方へ
文法と同じくらい大事なのが、発音です。
「読めるのに、なぜか伝わらない。」
そんな経験、ありませんか?
実は、発音には明確なルールがあります。
ルールを知るだけで、ネイティブの英語がグッと聞き取りやすくなります。
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発音の基礎からしっかり学びたい方は、こちらをどうぞ。
学習習慣がどうしても身につかない方へ
「やる気はあるのに、続かない。」
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