イマージョンで助動詞 may を理解する

But some people, especially from older generations, may still feel uncomfortable with it.

「でも一部の人、特に上の世代の人たちは、今でも抵抗を感じるかもしれません」。

上半身裸で走ることをめぐる議論の中で、韓国BBCの記者がこう言っています。

この一文、may を抜いても英語として成立します

some people still feel uncomfortable with it. で意味は通ります。

それでも may を入れたのは、言い切ると世代を決めつける発言になってしまうからです。

僕自身、TOEIC300点からのスタートでした。

オンライン英会話を7年続けて910点まで来ましたが、

may はずっと「〜してもよい」「〜かもしれない」の2つを暗記する項目のままでした。

でも実際の会話を聞くようになって気づいたことがあります。

may を使う人は、意味を伝えたいのではなく、言い切らないために使っているのです。

may は「半々のドアを開ける」語。開ける先が自分の予想なら「かもしれない」、相手の行動なら「してもよい」になる

読み終えるころには、may・might・could・maybe を見たときに、話し手がどれくらい踏み込んで言っているかを読み取れるようになっているはずです。

助動詞ごとの訳語を丸暗記するのではなく、may が持っている1つのイメージを手に入れる、という感覚です。

イマージョン学習で英文法を学ぶ前の確認事項

動画紹介

今回教材にするのは、前回と同じ BBC World Service のポッドキャスト番組「What in the World」です。

世界中の若者の関心事を10〜15分で扱う番組で、今回も「上半身裸で走るのはアリか?」という回を使います。

ロンドンのランナー、インド出身のランナー、イタリアで条例違反をしていたニューヨーカー、韓国BBCの記者と、次々に話者が変わります。

前回の can 編とあえて同じ動画を選びました

理由は2つあります。

1つは、この回のテーマそのものが「してもいいのか、いけないのか」という許可の話だからです。

もう1つは、この14分に助動詞の may が1回しか出てこないからです。

そのかわり might が3回、could が2回、maybe が2回出てきます。

この偏りこそが、may という語の性格をいちばんよく表しています

詳しくはカード②で扱います。

▼ 動画(公開前に、ここへ YouTube の URL を貼り付けてください。URLだけの段落にすると自動で埋め込みブロックになります)

学習の進め方

文法の知識を実際に使いこなすには、

その言葉が使われる場面や気持ちごと覚えるのが近道です。

だからこそ今回は、動画の生きたセリフを教材にして、「助動詞 may」の視点を見ていきます。

読み方は、目的に合わせて選んでみてください。

英語を楽しみながら勉強したい方は、このまま記事を読み進めてください。

動画のセリフをたどりながら、

「助動詞 may」の感覚を少しずつ自分のものにしていけます。

逆に、効率的に英文法だけを押さえたい方は、要点だけをまとめた別記事へどうぞ。

30代・40代の英語やり直し|英文法200時間(参考書10周)を乗り越える勉強法 文法学習は1冊を徹底的に10周する 30代・40代で英語をやり直そうとすると、多くの人が文法で止まります。 日本語...

may とは何か ― 半々のドアを開ける

may は助動詞です。

前回の can と同じで、動詞を助ける係であり、自分では意味を運びません

can がかぶせていたのは潜在、つまり「そうなる力が眠っている」という色でした。

may がかぶせるのは半々です。

そうなるかもしれないし、ならないかもしれない

目の前に閉じていないドアがあると思ってください。

押せば開くかもしれないし、開かないかもしれない。

どちらとも決まっていない状態、それが may です。

このドアを自分の予想に向けて開ければ、「〜かもしれない」になります。

同じドアを相手の行動に向けて開ければ、「〜してもよい」になります。

2つの意味があるのではなく、開ける向きが違うだけなのです。

だから「許可の may」と「推量の may」を別々に暗記する必要はありません。

このシリーズでは、名詞のまわりと修飾を、ここまで10回に分けて整理してきました。

  • 限定詞編:冠詞(a / an・the)、some / any / no など、名詞の「前」につく語
  • 代名詞編:it / one / that / this など、名詞の「代わり」になる語
  • 形容詞編:限定用法・叙述用法・後置修飾・並び順など、名詞を「説明する」語
  • 副詞編:位置と頻度・程度など、名詞以外を「説明する」語
  • 原級編:as … as で2つを同じ目盛りに乗せる
  • 比較級編:-er / more で目盛りをずらして差をつくる
  • 最上級編:the -est / most で端を指して言い切る
  • 否定編:not と no で、打ち消す範囲を指し示す
  • 助動詞 can 編:動詞に「そうなる可能性」をかぶせる
  • 助動詞 may 編(この記事):動詞に「どちらに転ぶかわからない半々」をかぶせる

can 編で見た can’t が、今回は「可能性メーターの下端」という角度で再登場します。

前回の can 編をまだ読んでいない方は、先にこちらを読むと今回の話がつながりやすくなります。

英語イマージョン学習|Youtubeで英文法#15【助動詞can】「can=〜できる」で止まっていませんか。BBCの14分に出てくる can 9回のうち、「できる」と訳せるのは2回だけ。潜在というコアイメージで can be fined など16の顔を、図解10枚と一人プレゼン16問で整理します。...
 \ 詳細説明はP329~366 /

イマージョンで学ぶ【助動詞 may】16の顔

ここからは、動画のセリフを使いながら、may とその仲間が持つ16の顔を1つずつ見ていきましょう。

前半8つは動画に実際に出てくるセリフ、後半8つは許可の may と、可能性メーターの上下です。

① 動画のセリフで見る「may とその仲間」8つ

  1. may + 原形 ― 半々の「かもしれない」
  2. maybe との違い ― 文の外から言うか、中に組み込むか
  3. might ― may より一歩引いて言う
  4. might have + 過去分詞 ― 過去のほうにドアを開ける
  5. could ― もう一つの「かもしれない」
  6. could + 動詞 ― そうなったら、こうなりうる
  7. be allowed to ― 許可は、外から与えられる
  8. get to + 原形 ― 会話でいちばん使う「させてもらえる」

② 許可の may

  1. May I ~? ― ドアを開けてもらう、いちばん丁寧な形
  2. You may ~ ― 許可を「与える側」の言葉
  3. may not ― 開いていたドアを閉じる
  4. may as well ~ ― どうせなら、そうしたほうがまし

③ 可能性の強さ比べ

  1. must be ~ ― メーターの上端、ほぼ確実
  2. should be ~ ― そうなっているはず、という見込み
  3. can’t be ~ ― メーターの下端、ありえない
  4. may / might / could ― 真ん中の3つを並べ直す

⑨〜⑯の8つは、この形では動画に出てこないので、例文は参考例・言い換え例であることを明記しています。

can 編で見た can’t が、③で「must の反対側」としてもう一度出てきます。

以下のカードをタップすると、それぞれの視点を実際の例文つきで詳しく確認できます。

カードをタップすると詳しい説明が開きます

助動詞 may は「〜してもよい」と「〜かもしれない」の2つを暗記する語、と習います。ところが今回の14分の動画に、助動詞の may は1回しか出てきません
そのかわり might が3回、could が2回、maybe が2回。people could face a fine of up to 500 euros(罰金を科される可能性がある)、some might view it as bragging(自慢だと見る人もいるかもしれない)。
これらに共通しているのは、半々という一点です。そうなるかもしれないし、ならないかもしれない。may はその閉じていないドアを、うしろの動詞にかぶせているだけなのです。ここまでが骨組み(カード1〜8)です。
そのうえで、許可の may(カード9〜12)と、可能性メーターの上と下(カード13〜16)を見ていきます。ドアをどこまで開けるか、と考えられると、may は一気に読みやすくなります
主語 助動詞・動詞 目的語 補語・可能性の中身 修飾
セクション① 動画のセリフで見る「may とその仲間」8つの顔may・maybe・might・might have + 過去分詞・could・could + 動詞・be allowed to・get to(カード1〜8/すべて動画のセリフ)
may + 原形 半々の「かもしれない」
some people especially from older generations may still feel uncomfortable with it
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But some people, especially from older generations, may still feel uncomfortable with it.
でも一部の人、特に上の世代の人たちは、今でも抵抗を感じるかもしれません。
出典:動画スクリプト(7:50)

助動詞 may は「〜してもよい」と「〜かもしれない」の2つの意味を持つ、と習います。でも2つ覚える必要はありません。may がやっているのは「半々のドアを開ける」ことだけです。

この文の話し手は、韓国BBCの記者です。「上の世代は抵抗を感じる」と言い切ることもできました。でもそうすると世代を決めつける発言になってしまいます。そこで may を入れて、「そうかもしれないし、そうでないかもしれない」という余地を残したのです。

形のうえでは、助動詞なのでうしろは原形です。ここでは feel が原形のまま置かれています。間に入っている still は助動詞と動詞のあいだという副詞の定位置に収まっています。

くわしいルール:may の形のルール
  • うしろは必ず原形:may feel / may be / may not come(三単現の s も過去形もつかない)
  • 主語で形が変わらない:I may / he may / they may すべて may
  • 否定は may not:mayn’t という短縮形は現代英語ではほぼ使わない
  • 副詞は may と動詞のあいだ:may still feel / may also feel
  • 助動詞は2つ重ねられない:× will may → ○ will probably(カード⑭)

※ ルール中の一般例には、この動画に登場しない参考例も含まれます。

見分け方
主語を見てください。
主語が you や相手なら「〜してもよい」(許可)、それ以外なら「〜かもしれない」(推量)だと思って、まず間違いありません。どちらも「半々のドアを開ける」という同じ動作です。
他の例(スクリプトより/may の仲間)
  • even then some might view it as bragging or attention seeking(それでも自慢だと見る人はいるかもしれない・10:51)
  • One reason I suppose could be that Koreans tend to care about dressing for the right time and place.(理由の一つは、TPOを大切にすることかもしれません・7:39)
maybe との違い 文の外から言うか、中に組み込むか
Maybe I ‘d say stay in your lane
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Maybe I’d say stay in your lane.
「余計なお世話だよ」って言うかもしれませんね。
出典:動画スクリプト(3:46/文の後半 because … は省略)

実はこの14分の動画に、助動詞の may は1回しか出てきません。そのかわり、maybe や might、could が何度も出てきます。これは偶然ではありません

maybe は副詞で、文の外側から「たぶんね」と札を貼る言い方です。文をいじらずに置けるので、話し言葉ではこちらのほうが圧倒的に楽なのです。一方 may は助動詞なので、文の中に入り込んで動詞を原形に変えてしまいます

だから may は書き言葉・かたい話し言葉に寄る、と覚えておいてください。ニュース、論文、案内文では may、友達との会話では maybe や might。意味はほぼ同じでも、出てくる場所が違うのです。

見分け方
文から抜いても文が成り立つなら maybe です。
Maybe he is right. → He is right.(成り立つ)
He may be right. → He be right.(成り立たない)。may は文の部品、maybe は文に貼る札です。
他の例(スクリプトより)
  • there is this sort of stigma placed on women where maybe we do need to cover up a bit more up top(女性はもう少し上を隠す必要があるのかもしれない、という空気がある・5:36)
  • One reason I suppose could be that …(理由の一つは〜かもしれません・7:39/こちらは could で同じ働き)
might may より一歩引いて言う
even then some might view it as bragging or attention seeking
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And even then some might view it as bragging or attention seeking.
それでも、自慢や注目集めだと見る人はいるかもしれません。
出典:動画スクリプト(10:51/文の後半 but overall … は省略)

might は形のうえでは may の過去形です。でもこの文は過去の話ではありません。「見る人はいるかもしれない」という、いまの推量です。

過去形が過去を表さないとき、それは距離を表しています。時間の距離ではなく、心理的な距離です。一歩引いて言うぶん、may より確信が下がり、当たりも柔らかくなります

この場面では、直前に「バキバキの体ならまだ受け入れられる」という話が出ています。そのうえで「それでも自慢だと見る人はいるかもしれない」と続けている。他人の内心を勝手に決めつけないための might です。

見分け方
時を表す語がなければ、might は過去ではありません。
yesterday や when I was a kid がなければ、「may より弱い、いまの推量」だと思って読んでください。会話では may よりこちらのほうがよく出てきます。
他の例(スクリプトより)
  • Something that might have come up more for me because I’m a woman(私が女性だからこそ、より感じてきたことかもしれない・5:22)
  • there are lots of different reasons why (people) might choose to run without a shirt on(シャツなしで走る理由はいろいろありうる・11:33/字幕は主語が落ちている)
might have + 過去分詞 過去のほうにドアを開ける
Something that might have come up more for me because I’m a woman
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Something that might have come up more for me because I’m a woman
私が女性だからこそ、より強く感じてきたことかもしれないのですが
出典:動画スクリプト(5:22/文の後半 is this idea that … は省略)

may と might のうしろに have + 過去分詞 を置くと、ドアの向きが過去に変わります。「〜したかもしれない」「〜だったのかもしれない」です。

ここで大事なのは、might を過去形にするのではないということです。助動詞は形を変えられないので、うしろの動詞のほうを have + 過去分詞にして過去を作ります。だから might have come up の have は原形のままです。

この話し手は「これは女性の私だからこそ強く感じてきたことかもしれませんが」と前置きしてから、本題に入っています。自分の実感でさえ言い切らない。may / might が使われるのは、いつもこういう場面です。

見分け方
過去を言いたいときは、助動詞ではなくうしろを変えます。
× He mighted come. ○ He might have come.
この形は「〜したかもしれない」。should have ~(〜すべきだった)や must have ~(〜したにちがいない)も同じ作りです。
他の例(スクリプトより)
  • I would never run without a sports bra.(スポーツブラなしで走ることは絶対にない・5:28/同じく過去形が距離を作る例)
  • I think that would be completely uncomfortable(それはまったく心地よくないと思う・5:31)
could もう一つの「かもしれない」
One reason I suppose could be that Koreans tend to care about dressing
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One reason I suppose could be that Koreans tend to care about dressing for the right time and place.
理由の一つは、韓国の人がTPOに合った服装を大切にすることかもしれません。
出典:動画スクリプト(7:39)

could も「かもしれない」を作ります。can の過去形ですが、ここでも過去の話はしていません。might と同じで、過去形が心理的な距離になっているのです。

この文は二重にヘッジがかかっています。まず I suppose(〜だと思うのですが)、さらに could。「これはあくまで一説ですが」という慎重さが、形にそのまま出ています。

may / might との違いは視点です。may / might は「そうなる確率が半々」という話し手の見立て。could は「そういう可能性もありうる」という選択肢の提示です。だから理由や原因を挙げる場面では、could がよく選ばれます。

見分け方
could は「ありうる選択肢の一つ」を差し出す形です。
One reason could be ~ / It could be that ~ のように、理由・原因・可能性を並べる場面で出てきたら、過去ではなく推量だと読んでください。
他の例(スクリプトより)
  • people could face a fine of up to 500 euros for breaking the rule(規則を破ると最大500ユーロの罰金を科される可能性がある・11:58)
  • I think that would be completely uncomfortable(それはまったく心地よくないと思う・5:31/同じく過去形の距離)
could + 動詞 そうなったら、こうなりうる
people could face a fine of up to 500 euros for breaking the rule
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people could face a fine of up to 500 euros for breaking the rule
規則を破ると、最大500ユーロの罰金を科される可能性があります。
出典:動画スクリプト(11:58/字幕は a final だが、正しくは a fine)

同じ could でも、こちらは「条件がそろえば、こうなりうる」という結果の話です。for breaking the rule(規則を破ったら)という条件が、うしろにくっついているのがわかります。

記事15で見た In some places people can be fined for going shirtless.(12:09)と並べてみてください。can「そういう性質がある」という一般論could「この場合はこうなりうる」という個別の見込み。同じ罰金の話でも、カメラの引き方が違います。

法律・規則・注意書きの英語では、この could が非常によく出てきます。まだ起きていないが、起きたら困ることを伝える形だからです。You could lose your data.(データを失うおそれがあります)も同じ使い方です。

見分け方
if / when / for ~ing など条件がそばにあれば、結果の could です。
「〜できた」ではなく「〜することになりかねない」と訳してください。警告・注意書きで見かけたら、まずこれです。
他の例(スクリプトより)
  • In some places people can be fined for going shirtless.(場所によっては、上半身裸だと罰金を科されることがある・12:09/記事15の目玉例文)
  • Sorrento … banned people from walking around the street shirtless(ソレントは上半身裸での街歩きを禁止した・11:45)
be allowed to 許可は、外から与えられる
How can she be allowed to leave the house wearing something like this
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How can she be allowed to leave the house wearing something like this?
こんな格好で家を出るのが、どうして許されるの?
出典:動画スクリプト(5:16)

ここからは許可の話です。may の許可は「私がドアを開けてあげる」という、話し手自身が許可を出す形でした。

一方 be allowed to受動態です。許可を出しているのは、話し手ではない誰か。この文なら、家族であり、地域社会であり、その場の空気です。「誰が」を言わずに済むのが、受動態のいちばんの利点です。

この一文は、インドで女性がスポーツブラで走るときに向けられる視線を説明している場面で出てきます。直前には why is her family allowing this?(5:14)という言い方も出てきていて、許可を出す側が家族だと明示されているのがわかります。

見分け方
許可を出す人が自分か、外かで使い分けます。
自分が出す → You may ~ / May I ~?
外の誰か(法律・学校・家族)が出す → be allowed to ~。英語の掲示で Visitors are not allowed to ~ が多いのは、責任の所在をぼかせるからです。
他の例(スクリプトより)
  • why is her family allowing this?(どうして家族はこれを許しているの?・5:14)
  • There isn’t a nationwide law that bans shirtless running.(上半身裸のランニングを禁じる全国的な法律はない・8:18)
get to + 原形 会話でいちばん使う「させてもらえる」
why do men get to be completely shirtless
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why do men get to be completely shirtless?
どうして男性は、完全に上半身裸でいることが許されるの?
出典:動画スクリプト(5:24)

許可を表す言い方で、実際の会話にいちばん多く出てくるのがこれです。get to + 原形「〜させてもらえる/〜できる立場にある」

ポイントはうらやましさ・不公平感がにじむことです。ここでも「なぜ男性だけが許されるのか」という含みがあります。Men may be shirtless. と言い換えると、この感情がきれいに消えてしまいます

反対語もセットで覚えてください。get to が「〜させてもらえる」なら、have to は「〜させられる」。I get to work from home.(在宅で働かせてもらえる)とI have to work from home.(在宅で働かされる)は、事実は同じで気持ちが正反対です。

見分け方
get to は「ラッキーな許可」です。
同じ許可でも、may は制度的・改まった響き、get to は「いいなあ」という気持ち込み。教科書には少ないのに会話に多い、典型的な表現です。
他の例(スクリプトより)
  • everyone gets to that stage where they feel like they can run more comfortably(誰もがもっと楽に走れると感じる段階にたどり着く・3:03/こちらは get to + 名詞で「到達する」)
  • why do men get to be completely shirtless?(なぜ男性は完全に上半身裸でいられるのか・5:24)
セクション② 許可の mayMay I ~?・You may ~・may not・may as well ~(カード9〜12/4枚とも参考例・言い換え例)
May I ~? ドアを開けてもらう、いちばん丁寧な形
May I take off my shirt here
タップして詳しく見る →
May I take my shirt off here?
ここでシャツを脱いでもいいですか?
※スクリプトの言い換え例(動画のテーマ Is it okay to ~? を may で言い換えたもの)

ここからの4枚は許可の mayです。動画にはこの形で出てきませんが、動画のテーマそのものが「してもいいのか?」なので、may で言い換えるとそのまま使えます。

May I ~? は、相手を「ドアを開けられる立場の人」として立てる言い方です。だから Can I ~? よりも改まって聞こえます。お店、ホテル、初対面の相手、面接。相手との距離があるほど mayだと思ってください。

答え方もセットで覚えておくと便利です。許すときは Sure. / Of course. / Yes, you may.断るときは I’m afraid not.なお Yes, you may. は上から許可を出す響きになるので、目上の相手には使いません(カード⑩)。

見分け方
May I ~? と Can I ~? はどちらも正しい英語です。
違うのは距離だけ。May I ~? はかしこまった場面、Can I ~? は日常。友達に May I ~? を使うと、冗談っぽく響くこともあります。
他の例(一般的な参考例)
  • May I ask where you’re from?(どちらのご出身か伺ってもよろしいですか)
  • May I have your name, please?(お名前を伺えますか/店や受付の定番)
You may ~ 許可を「与える側」の言葉
You may take off your shirt in this area
タップして詳しく見る →
You may take your shirt off in this area.
このエリアではシャツを脱いでかまいません。
※動画には登場しない参考例(この動画には登場しません)

主語が You になると、ドアを開けるのは話し手のほうになります。つまり自分が許可を出しているのです。

ここに注意点があります。許可を出せるのは、立場が上の人だけです。だから You may ~ を対等な相手に使うと、「上から目線」に響いてしまうことがあります。友達には You can ~ のほうが自然です。

その代わり、掲示・案内・試験の指示文では You may ~ が定番です。You may now turn over your paper.(では問題用紙をめくってください)のように、立場の差がはっきりしている場面で力を発揮します。

見分け方
You may ~ は「許可を出せる人」の言葉です。
先生・試験官・案内係・親。自分がその立場でないなら You can ~ を選ぶ。同じ許可でも、may は制度的、can は日常的です。
他の例(一般的な参考例)
  • You may begin.(始めてよろしい/試験の指示)
  • Guests may use the pool until 10 p.m.(宿泊者は22時までプールをご利用いただけます)
may not 開いていたドアを閉じる
You may not run shirtless in the city centre
タップして詳しく見る →
You may not run shirtless in the city centre.
市の中心部では、上半身裸で走ってはいけません。
※スクリプトの言い換え例(動画に出てくるソレントの条例を may で言い換えたもの)

may not には2つの読み方があります。「〜でないかもしれない」(推量の否定)「〜してはいけない」(禁止)です。

見分けるのは主語と場面です。主語が you で、掲示や規則の文脈ならほぼ禁止。それ以外なら推量の否定です。許可のドアを閉じるので、禁止になると考えれば、どちらも同じ動作の裏表だとわかります。

この言い換えのもとになっているのは、動画のこの部分です。Sorrento … banned people from walking around the street shirtless(11:45)。掲示にするなら You may not ~、ニュースで報じるなら banned。同じ内容を、立場を変えて言っているだけです。

見分け方
禁止の強さは may not < must not です。
may not は「許可しません」、must not は「絶対にするな」。can’t は「そもそも無理」。3つは強さも理由も違います。
他の例(一般的な参考例)
  • Visitors may not enter this area.(関係者以外立入禁止/掲示の定番)
  • It may not be illegal, but it’s rude.(違法ではないかもしれないが、失礼だ/こちらは推量の否定)
may as well ~ どうせなら、そうしたほうがまし
We may as well run early in the morning
タップして詳しく見る →
We may as well run early in the morning.
どうせなら、朝早く走ったほうがいいですね。
※スクリプトの言い換え例(9:14 の run early in the morning を may as well で言い換えたもの)

may as well ~「どうせなら〜したほうがましだ」という決まり文句です。might as well ~ でもまったく同じ意味になります。

大事なのは積極的におすすめしているわけではないことです。他にいい手がないから、これでいいかという消極的な選択。だから提案に使うと、少し投げやりに響くこともあります。

この言い換えのもとは、動画のif it’s that hot, just run early in the morning when no one’s around(9:14)です。「そんなに暑いなら、誰もいない早朝に走ればいい」という、まさに「どうせなら」の場面ですね。

見分け方
may as well の直訳は「同じくらいよい」です。
AもBも大差ないなら、Bにしておこう。should(そうすべき)より温度が低いので、強くすすめたいときには使わないでください。
他の例(一般的な参考例)
  • The train’s cancelled, so we may as well walk.(電車が止まったし、歩いてしまおうか)
  • You might as well ask him directly.(直接聞いてみたら、というくらいの提案)
セクション③ 可能性の強さ比べmust be ~・should be ~・can’t be ~・may / might / could(カード13〜16/4枚とも参考例・言い換え例)
must be ~ メーターの上端、ほぼ確実
He must be really comfortable running like that
タップして詳しく見る →
He must be really comfortable running like that.
あんなふうに走れるなんて、よほど楽なんでしょうね。
※動画には登場しない参考例(この動画には登場しません)

ここからの4枚は、may を可能性のメーターの上に置いてみる回です。may だけを見ていても、強いのか弱いのかはわかりません。上と下を知って、はじめて may の位置が決まります

メーターのいちばん上が must です。「〜にちがいない」。目の前の事実から考えて、それ以外の結論がありえない、という強さです。

must は「〜しなければならない」でも習いますが、形も気持ちも同じです。どちらも「そうであるほかない」。主語が you で動詞が動作なら義務、be動詞や状態の動詞なら推量だと考えてください。

見分け方
must be ~ なら、ほぼ推量です。
You must be tired.(お疲れでしょう)は義務ではありません。義務の must はうしろに動作の動詞が来るので、形で見分けられます。
他の例(一般的な参考例)
  • You must be exhausted after that run.(あの走りのあとだ、へとへとでしょう)
  • There must be a rule about this.(これについては規則があるはずだ)
should be ~ そうなっているはず、という見込み
The rules should be on the city website
タップして詳しく見る →
The rules should be on the city website.
規則なら、市のサイトに載っているはずです。
※スクリプトの言い換え例(6:47 の look up the local laws を should で言い換えたもの)

メーターの2番目は should です。「〜のはずだ」。must ほど確実ではないけれど、ふつうに考えればそうなる、という見込みです。

ここでも「〜すべきだ」という義務の should と気持ちは同じです。あるべき筋道を指しているのです。その筋道を人の行動に当てれば義務、ものごとの成り行きに当てれば推量になります。

この例文のもとは、ヴェネツィアで注意されたニューヨーカーの話です。you should be looking up local laws wherever you go(7:00)と言っていました。こちらは義務の should。同じ語で、当てる先が違うだけです。

見分け方
should は「あるべき筋道」を指す語です。
人に当たれば「〜すべき」、ものごとに当たれば「〜のはず」。確信の強さは must > should > may の順です。
他の例(一般的な参考例)
  • you should be looking up local laws wherever you go(どこへ行くにも現地の法律を調べるべきだ・7:00/こちらは義務)
  • The package should arrive tomorrow.(荷物は明日届くはずです)
can’t be ~ メーターの下端、ありえない
That can’t be the only reason people stare
タップして詳しく見る →
That can’t be the only reason people stare.
人がじろじろ見る理由が、それだけのはずがありません。
※動画には登場しない参考例(この動画には登場しません)

メーターのいちばん下は can’t です。「〜のはずがない」可能性がゼロだと言い切る形で、must のちょうど反対側です。

ここでよく間違えるのが否定のつくり方です。must(〜にちがいない)の否定は may not ではありません。may not は「〜でないかもしれない」という、弱い否定です。「ありえない」と強く否定したいときは can’t be を使ってください。

記事15で見たとおり、can のコアは潜在=そうなる可能性が眠っていることでした。その潜在がゼロになったのが can’t です。だから「できない」ではなく「ありえない」という読み方が出てきます。

見分け方
must be ⇔ can’t be がワンセットです。
He must be right.(正しいにちがいない)⇔ He can’t be right.(正しいはずがない)。× He mustn’t be right. とは言いません。
他の例(一般的な参考例)
  • It can’t be that simple.(そんなに単純なはずがない)
  • He can’t have seen the sign.(標識を見たはずがない/過去はうしろを have + 過去分詞に)
may / might / could 真ん中の3つを並べ直す
It may be illegal here but it can’t be illegal everywhere
タップして詳しく見る →
It may be illegal here, but it can’t be illegal everywhere.
ここでは違法かもしれませんが、どこでも違法だということはありえません。
※スクリプトの言い換え例(6:51 の illegal と 7:20 の not okay everywhere を組み合わせた言い換え例)

最後に、メーターの真ん中にいる3つを並べ直しておきます。may がおよそ半々might はそれより一段低く、言い方も控えめcould は「そういう可能性もありうる」と選択肢を差し出す形です。

ただしこの順番は絶対ではありません。実際の会話では、確率の大小よりも「どれくらい踏み込んで言うか」という態度のほうが効いています。だからこそ3つとも「かもしれない」と訳せてしまうのです。

この例文では、前半で may、後半で can’t を使っています。1つの文の中で、メーターの真ん中と下端を行き来しているわけです。動画の that doesn’t mean that it’s okay everywhere(7:20)を、助動詞だけで言い直すとこうなります。

見分け方
迷ったら might を選んでください。
may はかたい響き、could は理由や条件とセットになりがち。会話でいちばん自然に収まるのは might です。確率を細かく測るより、踏み込みすぎない言い方を選ぶほうが実戦的です。
他の例(一般的な参考例)
  • It might rain later, so take an umbrella.(あとで降るかもしれないから傘を持って)
  • This could be the reason nobody complained.(誰も文句を言わなかった理由は、これかもしれない)

一人プレゼンを実施してみる

まずは何も見ずに例文を自分で作って説明してみて、

うまく言えなかった項目だけ解説例を確認する、

という使い方がおすすめです。

16問あるので、1日に全部やろうとしなくて構いません

①〜⑧の8つだけでも、「かもしれない」の読み方はかなり変わります。

① may + 原形、説明できますか?

例文:

But some people, especially from older generations, may still feel uncomfortable with it.
でも一部の人、特に上の世代の人たちは、今でも抵抗を感じるかもしれません。

要点:

  • may のコアは「半々のドアを開ける」1つだけ
  • うしろは必ず原形。副詞は may と動詞のあいだ
  • 言い切ると決めつけになる場面で使われる

解説例:

may は「〜してもよい」と「〜かもしれない」の2つを覚えなさい、と習いますよね。

でも2つ覚える必要はありません

may がやっているのは、半々のドアを開けることだけなんです。

この文の話し手は、韓国BBCの記者です。

「上の世代は抵抗を感じる」と言い切ることもできました。

でもそれだと、世代を決めつける発言になってしまいます。

だから may を入れて、そうかもしれないし、そうでないかもしれない、という余地を残したんですね。

形のほうは簡単で、助動詞なのでうしろは原形です。

ここでも feel が原形のまま置かれています。

間の still は、助動詞と動詞のあいだという副詞の定位置ですね。

② maybe との違い、説明できますか?

例文:

Maybe I’d say stay in your lane.
「余計なお世話だよ」って言うかもしれませんね。

要点:

  • この動画に助動詞の may は1回しか出てこない
  • maybe は副詞で文の外、may は助動詞で文の中
  • may は書き言葉寄り、maybe や might は会話寄り

解説例:

実はこの14分の動画に、助動詞の may は1回しか出てきません

そのかわり maybe や might、could が何度も出てきます。

これは偶然ではないんです。

maybe は副詞で、文の外側から「たぶんね」と札を貼る言い方です。

文をいじらずにポンと置けるので、話し言葉ではこちらのほうが楽なんですね。

一方 may は助動詞なので、文の中に入り込んで動詞を原形に変えてしまいます

だから may は書き言葉やかたい話し言葉に寄る、と覚えておいてください。

見分け方は簡単で、抜いても文が成り立つなら maybe です。

Maybe he is right. から Maybe を取っても He is right. で成り立ちますよね。

でも He may be right. から may を取ると、He be right. で壊れてしまいます。

③ might、説明できますか?

例文:

And even then some might view it as bragging or attention seeking.
それでも、自慢や注目集めだと見る人はいるかもしれません。

要点:

  • might は形は過去形だが、過去の話とは限らない
  • 過去形は時間ではなく心理的な距離を表す
  • may より確信が低く、当たりがやわらかい

解説例:

might は、形のうえでは may の過去形です。

でもこの文は過去の話ではありません

「見る人はいるかもしれない」という、いまの推量ですよね。

過去形が過去を表さないとき、それは距離を表しています。

時間の距離ではなく、心理的な距離です。

一歩引いて言うぶん、may より確信が下がって、当たりもやわらかくなるんです。

この場面では、直前に「バキバキの体ならまだ受け入れられる」という話が出ています。

そのうえで「それでも自慢だと見る人はいるかもしれない」と続けている。

他人の内心を勝手に決めつけないための might ですね。

見分け方は、時を表す語があるかどうかです。

yesterday のような語がなければ、過去ではなく控えめな推量だと読んでください。

④ might have + 過去分詞、説明できますか?

例文:

Something that might have come up more for me because I’m a woman
私が女性だからこそ、より強く感じてきたことかもしれないのですが

要点:

  • may / might + have + 過去分詞 で過去への推量になる
  • 助動詞は形を変えず、うしろの動詞で過去を作る
  • have は原形のまま(× had)

解説例:

may や might のうしろに have + 過去分詞 を置くと、ドアの向きが過去に変わります。

「〜したかもしれない」「〜だったのかもしれない」ですね。

ここで大事なのは、might のほうを過去形にするのではないということです。

助動詞はもう形を変えられません。

だからうしろの動詞を have + 過去分詞にして、過去を作るんです。

might have come up の have が原形のままなのは、そのためです。

内容も見てください。

「これは女性の私だからこそ強く感じてきたことかもしれませんが」と前置きしてから本題に入っています。

自分の実感でさえ言い切らない

may や might が出てくるのは、いつもこういう場面なんです。

⑤ could、説明できますか?

例文:

One reason I suppose could be that Koreans tend to care about dressing for the right time and place.
理由の一つは、韓国の人がTPOに合った服装を大切にすることかもしれません。

要点:

  • could も「かもしれない」。過去の話とは限らない
  • may は確率半々の見立て、could は選択肢の提示
  • I suppose などと重ねると二重に慎重な言い方になる

解説例:

could も「かもしれない」を作ります。

can の過去形ですが、ここでも過去の話はしていません

might と同じで、過去形が心理的な距離になっているんですね。

この文はさらに、二重にヘッジがかかっています

まず I suppose、そのうえで could です。

「これはあくまで一説ですが」という慎重さが、そのまま形に出ていますよね。

may との違いは視点です。

may は「確率が半々」という見立てcould は「そういう可能性もありうる」という選択肢の提示です。

だから理由や原因を挙げる場面では、could がよく選ばれます。

One reason could be ~ という形で覚えてしまうと便利ですよ。

⑥ could + 動詞、説明できますか?

例文:

people could face a fine of up to 500 euros for breaking the rule
規則を破ると、最大500ユーロの罰金を科される可能性があります。

要点:

  • 条件がそろったときの結果を表す could
  • can は一般論、could はこの場合の見込み
  • 法律・注意書きの英語で頻出する形

解説例:

同じ could でも、こちらは条件がそろえばこうなりうる、という結果の話です。

for breaking the rule、つまり「規則を破ったら」という条件がうしろについていますよね。

前回の記事で見た In some places people can be fined for going shirtless. と並べてみてください。

can は「そういう性質がある」という一般論です。

could は「この場合はこうなりうる」という個別の見込みです。

同じ罰金の話でも、カメラの引き方が違うんですね。

この could は、法律や規則や注意書きの英語でとてもよく出てきます。

まだ起きていないけれど、起きたら困ることを伝える形だからです。

You could lose your data. なら「データを失うおそれがあります」ですね。

訳すときは「できた」ではなく、「〜することになりかねない」と置いてみてください。

⑦ be allowed to、説明できますか?

例文:

How can she be allowed to leave the house wearing something like this?
こんな格好で家を出るのが、どうして許されるの?

要点:

  • may の許可は話し手自身が出すもの
  • be allowed to は外の誰かが出した許可(受動態)
  • 受動態だから「誰が」を言わずに済む

解説例:

ここからは許可の話です。

may の許可は、私がドアを開けてあげる、という形でした。

許可を出しているのは話し手自身なんですね。

一方 be allowed to は受動態です。

許可を出しているのは、話し手ではない誰かです。

この文なら、家族であり、地域社会であり、その場の空気ですね。

「誰が」を言わずに済むのが、受動態のいちばんの利点です。

実際この直前には、why is her family allowing this? という言い方も出てきます。

こちらは許可を出す側が家族だと、はっきり言っていますよね。

英語の掲示で Visitors are not allowed to ~ が多いのも、同じ理由です。

⑧ get to + 原形、説明できますか?

例文:

why do men get to be completely shirtless?
どうして男性は、完全に上半身裸でいることが許されるの?

要点:

  • get to + 原形 で「〜させてもらえる」
  • うらやましさ・不公平感がにじむ言い方
  • 反対は have to(〜させられる)

解説例:

許可を表す言い方で、実際の会話にいちばん多く出てくるのがこれです。

get to + 原形 で、「〜させてもらえる、〜できる立場にある」ですね。

ポイントは、うらやましさや不公平感がにじむことです。

この文にも「なぜ男性だけが許されるのか」という含みがあります。

これを Men may be shirtless. と言い換えると、その感情がきれいに消えてしまうんです。

反対語もセットで覚えてください。

get to が「させてもらえる」なら、have to は「させられる」です。

I get to work from home. は「在宅で働かせてもらえる」。

I have to work from home. は「在宅で働かされる」。

事実は同じなのに、気持ちが正反対ですよね。

ここからは、許可の may です。

この形では動画に出てきませんが、動画のテーマそのものが「してもいいのか?」でした。

下の一覧図解に4つまとめてあるので、これを見ながら順番に説明してみてください。

⑨ May I ~?、説明できますか?

例文:

May I take my shirt off here?
ここでシャツを脱いでもいいですか?(※スクリプトの言い換え例)

要点:

  • May I ~? は相手を許可を出せる立場として立てる形
  • Can I ~? より改まった場面で使う
  • 断りの定番は I’m afraid not.

解説例:

ここからの4枚は許可の may です。

動画にこの形では出てきませんが、動画のテーマそのものが「してもいいのか?」ですよね。

だから may で言い換えると、そのまま使えます。

May I ~? は、相手をドアを開けられる立場の人として立てる言い方です。

だから Can I ~? よりも改まって聞こえるんですね。

お店、ホテル、初対面の相手、面接。

相手との距離があるほど may だと思ってください。

答え方も一緒に覚えておくと便利です。

許すときは Sure. や Of course.、断るときは I’m afraid not. ですね。

⑩ You may ~、説明できますか?

例文:

You may take your shirt off in this area.
このエリアではシャツを脱いでかまいません。(※動画には登場しない参考例)

要点:

  • 主語が You なら、許可を出しているのは話し手
  • 対等な相手には上から目線に響くことがある
  • 掲示・案内・試験の指示文では定番の形

解説例:

主語が You になると、ドアを開けるのは話し手のほうになります。

つまり自分が許可を出しているんですね。

ここに注意点があります。

許可を出せるのは、立場が上の人だけです。

だから You may ~ を対等な相手に使うと、上から目線に響いてしまうことがあります。

友達には You can ~ のほうが自然ですね。

その代わり、掲示や案内、試験の指示文では You may ~ が定番です。

You may now turn over your paper. なら「では問題用紙をめくってください」。

立場の差がはっきりしている場面でこそ使う形だと覚えてください。

⑪ may not、説明できますか?

例文:

You may not run shirtless in the city centre.
市の中心部では、上半身裸で走ってはいけません。(※スクリプトの言い換え例)

要点:

  • may not は「かもしれない」の否定と「してはいけない」の2つ
  • 主語が you で掲示・規則の文脈なら禁止
  • 強さは may not < must not。can’t は「そもそも無理」

解説例:

may not には、読み方が2つあります。

「〜でないかもしれない」と、「〜してはいけない」ですね。

見分けるのは主語と場面です。

主語が you で、掲示や規則の話ならほぼ禁止です。

許可のドアを閉じるから、禁止になる

そう考えれば、2つは同じ動作の裏表だとわかりますよね。

この例文のもとは、動画のソレントの話です。

banned people from walking around the street shirtless、と言っていました。

掲示にするなら You may not ~、ニュースで報じるなら banned

同じ内容を、立場を変えて言っているだけなんです。

⑫ may as well ~、説明できますか?

例文:

We may as well run early in the morning.
どうせなら、朝早く走ったほうがいいですね。(※スクリプトの言い換え例)

要点:

  • may as well = どうせなら〜したほうがまし
  • might as well も同じ意味
  • 積極的な提案ではなく、消極的な選択

解説例:

may as well ~ は、どうせなら〜したほうがましだ、という決まり文句です。

might as well ~ でも、まったく同じ意味になります。

大事なのは、積極的におすすめしているわけではないことです。

他にいい手がないから、これでいいか。

そういう消極的な選択なんですね。

だから提案に使うと、少し投げやりに響くこともあります。

もとになった動画のセリフはこれです。

そんなに暑いなら、誰もいない早朝に走ればいい、と言っていました。

まさに「どうせなら」の場面ですよね。

最後は、may を可能性のメーターに置いてみる4枚です。

may だけを見ていても、強いのか弱いのかはわかりません。

上と下を知って、はじめて may の位置が決まります。

⑬ must be ~、説明できますか?

例文:

He must be really comfortable running like that.
あんなふうに走れるなんて、よほど楽なんでしょうね。(※動画には登場しない参考例)

要点:

  • must は可能性メーターの上端=ほぼ確実
  • 「〜にちがいない」と「〜しなければならない」は同じ気持ち
  • must be ~ の形ならほぼ推量

解説例:

ここからの4枚は、may を可能性のメーターの上に置いてみる回です。

may だけを見ていても、強いのか弱いのかはわかりませんよね。

上と下を知って、はじめて may の位置が決まります

メーターのいちばん上が must です。

「〜にちがいない」ですね。

目の前の事実から考えて、それ以外の結論がありえない、という強さです。

must は「〜しなければならない」でも習いますが、気持ちは同じです。

どちらもそうであるほかない、なんです。

見分け方は形です。

must be ~ と be動詞が来ていたら、ほぼ推量だと思ってください。

⑭ should be ~、説明できますか?

例文:

The rules should be on the city website.
規則なら、市のサイトに載っているはずです。(※スクリプトの言い換え例)

要点:

  • should は「〜のはずだ」。must より一段弱い
  • 義務の should と推量の should は同じ気持ち
  • 確信の強さは must > should > may

解説例:

メーターの2番目は should です。

「〜のはずだ」ですね。

must ほど確実ではないけれど、ふつうに考えればそうなる、という見込みです。

ここでも「〜すべきだ」という義務の should と気持ちは同じです。

should はあるべき筋道を指しているんですね。

その筋道を人の行動に当てれば義務になります。

ものごとの成り行きに当てれば推量になります。

実際この動画にも、you should be looking up local laws という義務の should が出てきます。

同じ語で、当てる先が違うだけなんです。

⑮ can’t be ~、説明できますか?

例文:

That can’t be the only reason people stare.
人がじろじろ見る理由が、それだけのはずがありません。(※動画には登場しない参考例)

要点:

  • can’t be は「〜のはずがない」=可能性ゼロ
  • must be の否定は may not be ではなく can’t be
  • can の潜在がゼロになった形

解説例:

メーターのいちばん下は can’t です。

「〜のはずがない」ですね。

可能性がゼロだと言い切る形で、must のちょうど反対側にあります。

ここでよく間違えるのが、否定のつくり方です。

must の否定は may not ではありません

may not は「〜でないかもしれない」という、弱い否定なんです。

「ありえない」と強く否定したいときは、can’t be を使ってください。

前回の記事で見たとおり、can のコアは潜在でした。

その潜在がゼロになったのが can’t です。

だから「できない」ではなく「ありえない」という読み方が出てくるんですね。

⑯ may / might / could、説明できますか?

例文:

It may be illegal here, but it can’t be illegal everywhere.
ここでは違法かもしれませんが、どこでも違法だということはありえません。(※スクリプトの言い換え例)

要点:

  • may は半々、might は一段低く控えめ、could は選択肢の提示
  • 確率より「どれくらい踏み込むか」の態度が効いている
  • 会話で迷ったら might がいちばん収まりがよい

解説例:

最後に、メーターの真ん中にいる3つを並べ直しておきます。

may がおよそ半々です。

might はそれより一段低く、言い方も控えめですね。

could は「そういう可能性もありうる」と選択肢を差し出す形です。

ただし、この順番は絶対ではありません

実際の会話では、確率の大小よりもどれくらい踏み込んで言うかという態度のほうが効いています。

だからこそ、3つとも「かもしれない」と訳せてしまうんですね。

この例文では、前半で may、後半で can’t を使っています。

1つの文の中で、メーターの真ん中と下端を行き来しているわけです。

会話で迷ったら、まず might を選んでください。

確率を細かく測るより、踏み込みすぎない言い方を選ぶほうが実戦的です。

ここまで言えたら、次は人に向けて

一人で言えた例文は、相手がいると急に出てこなくなります。

文法が身につくのは、通じた/通じなかったを自分の耳で確かめた瞬間です。

まずは量をこなせる環境で、今日覚えた may を実際に使ってみてください。

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今日の表現をAnkiで復習しよう

記事に出てきた動画の表現を、そのままAnkiに取り込めるようにまとめました。

前回の can 編と同じ動画なので、表現も同じ12個です

すでに取り込んである方は、そのまま復習に使ってください。

今回のテーマに引きつけて1つ挙げるなら、stay in your lane(余計な口出しはするな)です。

「あなたが許可を出す立場ではない」という、まさに今回の許可の話そのものの一言になっています。

意味だけでなく、どんな場面で使われていたかごと覚えてしまってください。

知らなかった表現を追加・編集して、自分専用のカードを作ってみてください。

知らなかった表現を追加・編集して、そのままAnkiに取り込めます。

表現発音記号意味動画の例文シンプル例文
プリセット(最初から入っている表現)
カードの表:表現のみ / 裏:発音記号 → 意味 → 📺動画の例文 → 💬シンプル例文
Ankiへの取り込み方
  1. PC・Android(AnkiDroid含む):「💻 PC・Android用」ボタンで anki_import.txt をダウンロードし、Ankiのファイル → インポートから取り込む(区切り文字はTabを選択)
  2. iPhone(AnkiMobile):「📱 iPhone用」ボタンで anki_import.apkg をダウンロードし、AirDropやFilesアプリでiPhoneに送って、AnkiMobileの設定(歯車) → Import File から開く

まとめ:may の16の顔を再確認しよう

さて、今回は「may は半々のドアを開ける語である」というテーマで、16の顔を見てきました。

動画のセリフで見た8つ
  • may + 原形 ― 言い切ると決めつけになる場面で、半々の余地を残す
  • maybe との違い ― maybe は文に貼る札、may は文の部品
  • might ― 過去形が心理的な距離になり、may より一歩引く
  • might have + 過去分詞 ― 助動詞ではなく、うしろの動詞で過去を作る
  • could ― 「そういう可能性もありうる」と選択肢を差し出す
  • could + 動詞 ― 条件がそろったときの結果。注意書きで頻出
  • be allowed to ― 許可を出したのは、話し手ではない誰か
  • get to + 原形 ― 会話で最頻出の許可。うらやましさがにじむ
許可の may と可能性メーターの8つ(すべて参考例・言い換え例)
  • May I ~? ― 相手を「許可を出せる立場」として立てる
  • You may ~ ― 許可を与える側の言葉。掲示や試験の指示文で定番
  • may not ― ドアを閉じれば禁止。強さは must not より下
  • may as well ~ ― 積極的な提案ではなく、消極的な選択
  • must be ~ ― メーターの上端。「〜にちがいない」
  • should be ~ ― あるべき筋道。「〜のはずだ」
  • can’t be ~ ― メーターの下端。must be の反対はこちら
  • may / might / could ― 確率より「どれくらい踏み込むか」の差

16と聞くと多く感じますが、出発点はたった1つです。

may は、うしろの動詞に「どちらに転ぶかわからない半々」をかぶせているだけ。

そのドアを自分の予想に向けて開ければ「かもしれない」に見えます。

相手の行動に向けて開ければ「してもよい」に見えます。

ドアを閉じれば may not、もっと確実なら must、ありえないなら can’t be。

見え方が違うだけで、やっていることはドアをどこまで開けるかの調整だけです。

そしてmay が場面に合わないときに、might や could、be allowed to、get to に持ち替える。

後半8つの使い分けも、この1つのイメージの上に乗っています。

今日の16のうち、まずおすすめしたいのは③の might と⑧の get to です。

この2つが体に入ると、英語で「決めつけずに伝える」ことができるようになります。相手の考えを勝手に断定せずに、それでも自分の見立てを差し出せるからです。

もし今日の内容で「なるほど」と思った部分があれば、ぜひコメントで教えてください。

次回は、助動詞シリーズの3本目として「must / have to」に進む予定です。

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ABOUT ME
CHOBI
40代の子育てサラリーマン。 みんなが苦手な家計管理、筋トレ、 英語にチャレンジしてます。 ・英語学習歴 2019年 日本企業から外資系企業に転職 想定TOEICスコア200〜300点 コーチングスクールに半年通う 2020年 TOEIC700点超え →独学・オンライン英会話開始 2021年 TOEIC800点の壁をこえられず 2022年 一から基礎(発音・文法・単語)をやり直す 2023年 TOEIC910点達成 2024年 別の外資系企業に転職