英語イマージョン学習|Youtubeで英文法#17【will】
イマージョンで助動詞 will を理解する

So I’ll be around $95,000 my first year hopefully.
「初年度で9万5千ドルくらいになると思います、うまくいけば」。
アメリカの街頭インタビューで、転職したばかりの営業マンがこう答えています。
そしてその次の文で、彼はこう言い直します。
It’s commission-based so it could be above that/below that.(歩合制なので、上にも下にもなりえます)。
1秒のあいだに、will → hopefully → could と、強さを2段階下げているのです。
僕自身、TOEIC300点からのスタートでした。
オンライン英会話を7年続けて910点まで来ましたが、
will はずっと「未来形」という名前のまま止まっていました。
でも実際の会話を聞くようになって気づいたことがあります。
will は未来を表す道具ではなく、話し手が言い切るための道具なのです。
will は「未来形」ではない。「そうなる」と話し手の心が決まった、いまこの瞬間を表す語
読み終えるころには、will・’ll・won’t・be going to を見たときに、話し手がいつ心を決めたのかを読み取れるようになっているはずです。
「未来のことは will」と丸暗記するのではなく、will が持っている1つのイメージを手に入れる、という感覚です。
イマージョン学習で英文法を学ぶ前の確認事項

動画紹介
今回教材にするのは、Ariannita la Gringa さんの街頭インタビュー動画です。
オハイオ州シンシナティで、道行く人に「お仕事は何ですか」「年収はいくらですか」と聞いていく、約12分半の動画です。
施設管理、アメフトのアナリスト、レストランのサーバー、バリスタ、警察官、バーテンダー、イベントプランナー、データサイエンティストと、15人以上が次々に登場します。
この動画を will の教材に選んだ理由は2つあります。
1つは、これから働く人と、もう働いている人が混ざっていることです。
同じ「お仕事は?」でも、相手によって現在形と will が使い分けられていて、その差がはっきり見えます。
もう1つは、この12分半に助動詞の must が1回も出てこないことです。
「〜しなければならない」という話を、ネイティブは must 以外の言い方で済ませています。
そのかわり will と ‘ll は12か所に出てきます。
この偏りこそが、実際の英語で何が使われているかを教えてくれます。
▼ 動画はこちら
学習の進め方
文法の知識を実際に使いこなすには、
その言葉が使われる場面や気持ちごと覚えるのが近道です。
だからこそ今回は、動画の生きたセリフを教材にして、「助動詞 will」の視点を見ていきます。
読み方は、目的に合わせて選んでみてください。
英語を楽しみながら勉強したい方は、このまま記事を読み進めてください。
動画のセリフをたどりながら、
「助動詞 will」の感覚を少しずつ自分のものにしていけます。
逆に、効率的に英文法だけを押さえたい方は、要点だけをまとめた別記事へどうぞ。
will とは何か ― 心が決まった瞬間に出る語

will は助動詞です。
can や may と同じで、動詞を助ける係であり、自分では意味を運びません。
can がかぶせていたのは潜在、「そうなる力が眠っている」という色でした。
may がかぶせていたのは半々、「どちらに転ぶかわからない」という色でした。
will がかぶせるのは断定です。
そうなる、と言い切る色です。
ここで大事なことを1つ確認させてください。
英語に「未来形」という時制はありません。
動詞の形が変わって未来を表す仕組みは、英語には存在しないのです。
あるのは現在形と過去形の2つだけ。
will は現在形の助動詞で、いま話し手の心が決まったことを表します。
結果としてその内容が未来のことになる、というだけの話なのです。
だから will は、未来ではない場面にも出てきます。
That’ll be the postman.(郵便屋さんだろう)は、いま鳴っているベルの話です。
時間ではなく、話し手の言い切りの強さ。それが will の正体です。
このシリーズでは、名詞のまわりと修飾を、ここまで11回に分けて整理してきました。
- 限定詞編:冠詞(a / an・the)、some / any / no など、名詞の「前」につく語
- 代名詞編:it / one / that / this など、名詞の「代わり」になる語
- 形容詞編:限定用法・叙述用法・後置修飾・並び順など、名詞を「説明する」語
- 副詞編:位置と頻度・程度など、名詞以外を「説明する」語
- 原級編:as … as で2つを同じ目盛りに乗せる
- 比較級編:-er / more で目盛りをずらして差をつくる
- 最上級編:the -est / most で端を指して言い切る
- 否定編:not と no で、打ち消す範囲を指し示す
- 助動詞 can 編:動詞に「そうなる可能性」をかぶせる
- 助動詞 may 編:動詞に「どちらに転ぶかわからない半々」をかぶせる
- 助動詞 will 編(この記事):動詞に「そうなる、という言い切り」をかぶせる
can 編・may 編で見た could が、今回は「will を緩めるための逃げ道」として再登場します。
前回の may 編をまだ読んでいない方は、先にこちらを読むと今回の話がつながりやすくなります。
イマージョンで学ぶ【助動詞 will】12の顔

ここからは、動画のセリフを使いながら、will と未来の言い方が持つ12の顔を1つずつ見ていきましょう。
前半8つはwill そのもの、後半4つはwill を使わない未来の言い方です。
今回は12枚すべてが、動画に実際に出てくるセリフです。
① 動画のセリフで見る will の8つの顔
- will + 原形 ― 「やります」と心を決める
- won’t = will not ― 「言わないでおきます」と決める
- What will ~? ― まだ起きていないことを尋ねる
- 疑問詞 + will ― これからの予定を数字で聞く
- ‘ll(短縮形) ― 会話でいちばん出てくる will の姿
- I’ll + 原形 ― 決まっている予定を、あえて will で言う
- will + if節 ― if の中には will を入れない
- will + hopefully ― 言い切って、すぐ緩める
② will 以外で未来を言う4つ
- be going to ― もう動き出していることを言う
- be about to ― もう目の前まで来ている
- 現在形の未来 ― 動かない予定は、現在形で言う
- 時・条件の節 ― when のうしろに will は入らない
⑨〜⑫の4つは、この形では図解を1枚にまとめています(例文はすべて動画のセリフです)。
なお、would(仮定・過去の習慣・丁寧)は助動詞シリーズの別記事で扱うので、今回は取り上げません。
以下のカードをタップすると、それぞれの視点を実際の例文つきで詳しく確認できます。
カードをタップすると詳しい説明が開きます
will は現在形の助動詞で、「そうなる」と話し手の心が決まった、いまこの瞬間を表しています。だから I’ll be around $95,000(9万5千ドルくらいになります・10:42)と言い切った直後に、同じ人が hopefully を足し、次の文では could に持ち替えるのです。
will が言い切りだからこそ、話し手はすぐ緩めにかかります。ここまでが骨組み(カード1〜8)です。
そのうえで、will を使わない未来の言い方(カード9〜12)を見ていきます。「いつ決まったか」で選ぶ、と考えられると、未来の表現は一気に整理できます。
will は「未来形」だと習います。でも英語に未来形という時制はありません。will は現在形の助動詞で、「そうなる」と話し手の心が決まった、いまこの瞬間を表しています。
この一文は動画の冒頭、企画を宣言する場面です。撮影はもう終わっているのに、彼女は will を使っています。未来の出来事を報告しているのではなく、「これからこれをやります」と視聴者に向かって言い切っているのです。
形のうえでは、助動詞なのでうしろは原形です。ここでは ask が原形のまま置かれています。主語が I でも he でも they でも、will は will のまま変わりません。
- うしろは必ず原形:will ask / will be / will have(三単現の s も過去形もつかない)
- 主語で形が変わらない:I will / he will / they will すべて will
- 否定は will not = won’t:短縮形 won’t は会話で圧倒的によく使う(カード②)
- 会話では ‘ll に縮む:I’ll / it’ll / that’ll(カード⑤⑥⑧)
- 助動詞は2つ重ねられない:× will can → ○ will be able to
※ ルール中の一般例には、この動画に登場しない参考例も含まれます。
will は言っているその場で決まった/決めたことを表します。前から決まっていた予定なら be going to(カード⑨)のほうが自然です。時間が未来かどうかではなく、心が決まった瞬間がいつかが分かれ目です。
- and I ‘ll see you guys next week(また来週お会いしましょう・12:30/同じ「宣言」の will)
- How much will you earn each week?(週にいくら稼ぐ予定ですか・8:21)
won’t は will not の短縮形です。ここを「言わないでしょう」と訳すと、意味がズレます。正しくは「言わないでおきます」、つまりその場で下した本人の決断です。
will が「そうなると心が決まった瞬間」なら、won’t は「そうしないと心が決まった瞬間」。この人は取引先の名前を聞かれて、一瞬考えて、言わないと決めました。その決断が won’t 一語に乗っています。
だから won’t には「どうしても〜しない」という拒絶の色が出ます。The door won’t open.(ドアがどうしても開かない)のように、人以外が主語でも使えます。モノにも「そうする気がない」ように感じられる、というわけです。
ほとんどの場合「〜しないことにする」「どうしても〜しない」です。単純に未来を否定したいだけなら I’m not going to say it. のほうが自然に響きます。
- I’m not going to answer that.(それには答えないでおきます・9:50/別の人の同じ拒否。こちらは be going to)
- I won’t say the name(社名は言わないでおきます・0:46/この文の核)
この動画では、同じ質問が2つの形で飛んでいます。働いている人には What’s your favorite part about your job?(現在形)。これから働く人には What will be your favorite part(will)。相手の状況で形が変わっているのがはっきり見えます。
この相手はグアテマラの医療クリニックへまだ行っていません。だから「好きなところ」はまだ存在しない。存在しないものを聞くので、「そうなるだろう」と踏み込む will が必要になります。
疑問文の語順にも注目してください。What will be …? のように、助動詞が主語の前に出るのが英語の疑問文の作り方です。do や does を持ち出す必要はありません。will 自身が前に出ればいいのです。
もうある → What is your favorite part?
まだない → What will be your favorite part?
時間が未来かどうかより、いま存在しているかで考えると迷いません。
- What’s your favorite part about your job?(今のお仕事で好きなところは・0:40/働いている人への現在形)
- And then how many hours will you work each week in Guatemala?(グアテマラでは週何時間働きますか・8:11)
カード③と同じ人への質問ですが、助動詞と動詞が離れている点が違います。how many hours will you work …? という形です。
英語の疑問文は助動詞だけを主語の前に飛ばす仕組みです。動詞の work はもとの位置に残ります。だから will と you と work が、この順で並ぶのです。日本語の語順で組み立てようとすると、まずここで詰まります。
この質問を投げた相手は、これから赴任する人でした。すでに働いている人には、この動画では一貫して How many hours do you work each week? と現在形で聞いています。do か will かは、時間ではなく相手の状況が決めているのです。
疑問文で前に出るのは助動詞1語だけです。
how many hours + will + you + work …
この「飛ぶのは will だけ」という感覚が、疑問文を作るときの土台になります。
- How many hours do you work each week?(週に何時間働いていますか・0:55/働いている人への現在形)
- How much will you earn each week?(週にいくら稼ぐ予定ですか・8:21)
この動画に出てくる will のうち、話し手が自分から使ったものは、ほぼすべて ‘ll の形です。will とはっきり発音されるのは、質問する側(インタビュアー)のほうでした。
これは偶然ではありません。‘ll は速くて軽いので、思いついたそばから言える会話にぴったりなのです。逆に will をフルで発音すると「必ずやります」と力が入って聞こえます。カード①の I will ask に強さがあるのは、そのためです。
もう一つ、この文には見どころがあります。when the doctors … are going down there の部分です。when 節の中は will を使いません。未来の話でも、時を表す節の中は現在形(ここでは現在進行形)で書きます。この点はカード⑫でもう一度扱います。
it’ll は「イトゥル」、that’ll は「ザトゥル」くらいにしか聞こえません。be動詞や一般動詞の前で ‘l の音がしたら willです。この音を知っているだけで、聞き取れる文がぐっと増えます。
- so I ‘ll be in the office 5 days a week 8 hours a day(週5日、1日8時間オフィスにいることになります・10:40)
- and I ‘ll stay with the host family(ホストファミリーの家に住みます・8:24)
ホームステイ先は、渡航前にもう決まっているはずです。それなら I’m staying with the host family(現在進行形)でも I stay with …(現在形)でも言えます。それでも ‘ll を選んだのはなぜでしょうか。
直前の文を見てください。It’s pretty much volunteer(ほぼ無給です)と言ったあとに、but … and I’ll stay with the host family と続いています。つまりこれは「でも大丈夫、こうなりますから」という安心材料の提示です。相手の心配に対して、その場で言い切ってみせているのです。
ここが will のいちばん大事なところです。will は予定表を読み上げる語ではありません。話し相手に向かって「そうなりますよ」と請け合う語です。だから同じ予定でも、相手に届けたいときに will が出てきます。
手帳に書くだけなら I’m meeting John at 3.(進行形)。
相手を安心させたいなら I’ll be there at 3.(will)。
will は相手に向けた言葉だ、と覚えておくと使い分けが見えてきます。
- and I ‘ll see you guys next week(また来週お会いしましょう・12:30/視聴者への請け合い)
- I have some good stipends for food(食費の手当はしっかり出ます・8:24/同じ文の前半は現在形)
ここまでの will は、特定の誰かの話でした。この文は違います。stipend(手当)という制度の一般的な説明です。will は「そういうものだ」と言い切るときにも使えます。
そしてこの文の最大のポイントは if 節です。if you are studying … と現在形になっていて、if you will be studying とは言っていません。if 節の中は、未来のことでも現在形で書くのが英語のルールです。
なぜでしょうか。if 節は「もしそうなったとして」と場面を先に置く部分です。置いた時点でそこは決まった世界なので、「そうなるだろう」と踏み込む will は要らないのです。will が必要なのはその結果を言う主節のほうだけ、というわけです。
- if 節:if you’re studying …(× if you will be studying)
- when 節(時):when it’s time to eat(× when it will be time/カード⑫)
- before / after / until / as soon as:until I get there(× until I will get)
- 例外:「〜する気があるなら」と意志を問うときだけ if you will が使える
- 間接疑問の when は別:I don’t know when he will come. はこのルールの対象外
※ ルール中の一般例には、この動画に登場しない参考例も含まれます。
条件(if・when・until のうしろ)=現在形
結果(主節)=will
この2つがワンセットです。両方に will を入れてしまうのが、いちばん多い間違いです。
- when the doctors and meds students are going down there, it’ll be …(医師たちが現地に来るときは〜になります・8:14/同じ形)
- Cheeseburger’s going to be great when it’s time to eat.(食べる時間になったら、チーズバーガーが最高だろうな・4:52)
この記事でいちばん見てほしいのが、この連続する2文です。まず I’ll be around $95,000 と言い切る。その直後に hopefully を足し、さらに次の文で could に切り替えています。
なぜこんなことをするのでしょうか。will が言い切りだからです。まだ始めてもいない仕事の年収を will で言うと、断言しすぎに聞こえます。そこで hopefully(うまくいけば)を文の最後に置いて、強さを後から下げているのです。
それでも足りないと感じたのか、次の文では could に持ち替えています。will は言い切り、could は「そうなりうる」。同じ人が、同じ話題で、1秒のあいだに強さを2段階下げている。これが will という語の性格を、いちばんよく表しています。
hopefully・probably・maybe・I think が near にあれば、話し手は言い切りたくないけれど will を使っている状態です。強さを調整しているのは will ではなく、そのまわりの語のほうです。
- It’s commission-based so it could be above that/below that.(歩合制なので上下しえます・10:46)
- when fall rolls around probably like 60 hours some weeks(秋になると週60時間くらいでしょうか・1:41)
ここからはwill を使わない未来を4つ見ます。まずは be going to です。この形は will の言いかえではありません。go(進む)という動詞がそのまま生きています。
be going to は「もうその方向に進んでいる」という意味です。この人は大学のプログラムに応募し、選考を通り、渡航日も決まっています。すでに動き出している。だから going なのです。いま決めた話ではないので、will はここでは合いません。
見分け方はシンプルです。「いつ決まったか」で選びます。その場で決めた → will。前から決まっていて、もう動いている → be going to。同じ「未来」でも、話し手が立っている位置が違うのです。
- will:いま決まった/いま言い切る(I’ll stay with the host family)
- be going to:前から決まっていて、もう動き出している(I’m going to be working …)
- be about to:もう目の前。あと少しで起きる(I’m about to move)
- 現在形:時刻表のように動かない予定(I start in about two weeks)
- 現在進行形:個人の手配が済んでいる予定(I’m meeting him at 3.)
※ 現在進行形の例だけ、この動画に登場しない参考例です。
電話が鳴って「出るよ」= I’ll get it.(いま決めた)
前から準備している「来月引っ越すんだ」= I’m going to move.
be going to には助走がある、と覚えると迷いません。
- Ava is going to get a stipend.(エイヴァさんは手当をもらうことになっています・8:29)
- You never know when you’re going to get a lunch break.(いつ昼休憩が取れるかわからないんです・4:46)
be about to の about は「そのあたり」という前置詞です。「移動する(move)というところのすぐそばにいる」。それが be about to のイメージです。
be going to よりさらに近いと考えてください。be going to が「その方向に進んでいる」なら、be about to は「もう手が届く」。この人は6月に発つので、インタビュー時点で数週間後です。だから about to がぴったりはまります。
ちなみに I just am about to という語順は、教科書なら I am just about to になるところです。話し言葉では強調したい語が前に出ることがよくあります。崩れているのではなく、just を先に言いたかったのです。
be about to は時間の幅が非常に狭い表現です。
The movie is about to start.(映画が始まろうとしている)=あと数分。
数か月先の話には、ふつう be going to を使います。
- I just started a new job in sales in Tampa(タンパで営業の新しい仕事を始めたところです・10:24/こちらは just + 過去形)
- I’m going to be working for a medical clinic(クリニックで働くことになっています・7:57/同じ人の、もう少し先の話)
この一文には過去形と現在形が同居しています。started(決まった)は過去、start(勤務開始)は現在形で2週間後のことを指しています。
なぜ will start ではないのでしょうか。この人が決めることではないからです。入社日は会社が決めた日付で、時刻表と同じように動きません。そういう予定を、英語は現在形で言います。「もう決まっていて、いま現在そこにある事実」という扱いです。
同じ理屈で、The train leaves at 7.(電車は7時発)The store opens at 10.(店は10時開店)も現在形になります。個人の意志が入り込めないものほど、現在形が選ばれる、と覚えておいてください。
変えられない(会社・時刻表・カレンダー)=現在形
自分で決めた・いま決めた=will
だから I start on Monday. は自然でも、I start to call him. とは言えないのです。
- when fall rolls around probably like 60 hours some weeks(秋が来ると週60時間くらいになります・1:41/rolls も現在形)
- So I just am about to move to Guatemala in June(6月にグアテマラへ引っ越すところです・7:52)
警察官が、長い出動のあいだに考えていることを話している場面です。まだ食べていないので完全に未来の話ですが、when 節の中は it’s と現在形になっています。
カード⑦の if 節とまったく同じ理屈です。when や if は「その場面を先に置く」ための道具です。置いた時点で、そこはもう決まった世界になります。だから「そうなるだろう」と踏み込む必要がなく、現在形で足りるのです。
未来の色を担当しているのは、主節の ‘s going to be のほうだけ。1つの文に未来の印は1回でいい、と考えるとすっきりします。× when it will be time to eat は、同じ印を2回押している状態です。
- ○ Cheeseburger’s going to be great when it’s time to eat.
- × Cheeseburger’s going to be great when it will be time to eat.
- ○ It will help cover costs if you’re studying.(カード⑦)
- ○ when the doctors are going down there, it’ll be …(カード⑤)
- 対象の接続詞:when / if / before / after / until / as soon as / while
※ ×の例は説明のための作例です。
「〜のとき/もし〜なら」の側=現在形
「〜だろう」の側=will / be going to
動画の3つの例(カード⑤⑦⑫)はすべてこの形です。3回出てくるということは、それだけよく使うということです。
- It will help cover costs if you’re studying or working on a project.(勉強中なら費用の足しになります・8:34)
- when the doctors and meds students are going down there, it’ll be like more of a full-time job(医師たちが来るときはフルタイムになります・8:14)
一人プレゼンを実施してみる

まずは何も見ずに例文を自分で作って説明してみて、
うまく言えなかった項目だけ解説例を確認する、
という使い方がおすすめです。
12問あるので、1日に全部やろうとしなくて構いません。
①〜⑧の8つだけでも、will の読み方はかなり変わります。
① will + 原形、説明できますか?

例文:
In today’s video, I will ask people around Cincinnati, Ohio what they do for a living.
今日の動画では、オハイオ州シンシナティで街の人たちに「お仕事は何ですか」と聞いていきます。
要点:
- 英語に未来形という時制はない。will は現在形の助動詞
- will は「そうなる」と心が決まった瞬間を表す
- うしろは必ず原形。主語で形は変わらない
解説例:
will は「未来形」だと習いますよね。
でも実は、英語に未来形という時制はありません。
will は現在形の助動詞で、「そうなる」と心が決まった、いまこの瞬間を表しているんです。
この文は動画の冒頭、企画を宣言している場面です。
面白いのは、撮影はもう終わっているのに will を使っていること。
未来の出来事を報告しているんじゃないんですね。
「これからこれをやります」と視聴者に向かって言い切っているんです。
形は簡単で、助動詞なのでうしろは原形です。
ここでも ask が原形のまま置かれていますね。
主語が I でも he でも they でも、will は will のまま変わりません。
② won’t = will not、説明できますか?

例文:
Well, right now I won’t say the name, but I work for a donut company.
ええと、今は社名は言わないでおきますが、ドーナツの会社の仕事をしています。
要点:
- won’t は will not の短縮形。「〜しないでしょう」ではない
- その場で下した「〜しないでおく」という決断
- モノが主語だと「どうしても〜しない」になる
解説例:
won’t は will not の短縮形ですね。
ここを「言わないでしょう」と訳すと、意味がズレてしまいます。
正しくは「言わないでおきます」、その場で下した本人の決断です。
will が「そうなると心が決まった瞬間」なら、
won’t は「そうしないと心が決まった瞬間」なんですね。
この人は取引先の名前を聞かれて、一瞬考えて、言わないと決めた。
その決断が won’t 一語に乗っているわけです。
だから won’t には拒絶の色が出ます。
The door won’t open. で「ドアがどうしても開かない」。
モノが主語でも、「そうする気がない」ように感じられるんですね。
③ What will ~?、説明できますか?

例文:
What will be your favorite part about the job?
その仕事で、いちばん好きになりそうなところは何ですか。
要点:
- まだ存在しないことを聞くから will が要る
- 同じ質問でも、働いている人には現在形で聞いている
- 疑問文では助動詞 will が主語の前に出る(do は不要)
解説例:
この動画では、同じ質問が2つの形で飛んでいます。
働いている人には What’s your favorite part about your job? と現在形。
これから働く人には What will be your favorite part? と will。
相手の状況で形が変わっているのが、はっきり見えますね。
この相手はグアテマラのクリニックにまだ行っていません。
だから「好きなところ」はまだ存在しないんです。
存在しないものを聞くから、「そうなるだろう」と踏み込む will が必要になる。
語順も見ておきましょう。
What will be …? のように、助動詞が主語の前に出ます。
do や does を持ち出す必要はありません。will 自身が前に出ればいいんですね。
④ 疑問詞 + will、説明できますか?

例文:
And then how many hours will you work each week in Guatemala?
それで、グアテマラでは週に何時間くらい働くんですか。
要点:
- 疑問文で前に出るのは助動詞1語だけ。動詞は残る
- will you work の順に並ぶ理由がそれ
- do か will かは、時間ではなく相手の状況で決まる
解説例:
カード③と同じ人への質問ですが、ひとつ違いがあります。
助動詞と動詞が離れているんですね。
how many hours will you work …? という形です。
英語の疑問文は、助動詞だけを主語の前に飛ばす仕組みなんです。
動詞の work はもとの位置に残ります。
だから will と you と work が、この順で並ぶわけですね。
日本語の語順で組み立てようとすると、まずここで詰まります。
そしてこの質問の相手は、これから赴任する人でした。
すでに働いている人には、この動画では一貫して do you work? と現在形で聞いています。
do か will かは、時間ではなく相手の状況が決めているんですね。
⑤ ‘ll(短縮形)、説明できますか?

例文:
It depends so when the doctors and meds students are going down there it’ll be like more of a full-time job working in the clinic.
時期によります。医師や医学生が現地に来るときは、クリニックでほぼフルタイムの仕事になりますね。
要点:
- 会話で話し手が使う will は、ほぼ ‘ll の形
- will をフルで言うと「必ずやる」と強く響く
- when 節の中は未来でも will を使わない
解説例:
この動画に出てくる will、面白い偏りがあります。
話し手が自分から使ったものは、ほぼすべて ‘ll の形なんです。
will とはっきり発音しているのは、質問する側のほうでした。
これは偶然じゃありません。
‘ll は速くて軽いので、思いついたそばから言える会話にぴったりなんですね。
逆に will をフルで発音すると、「必ずやります」と力が入って聞こえます。
カード①の I will ask に強さがあるのは、そのためです。
もう一つ、この文には見どころがあります。
when the doctors are going down there の部分ですね。
when 節の中は will を使わないんです。この話はカード⑫でもう一度出てきます。
⑥ I’ll + 原形、説明できますか?

例文:
It’s pretty much volunteer, but I have some good stipends for food and I’ll stay with the host family.
ほぼボランティアですが、食費の手当はちゃんと出ますし、ホストファミリーの家に住みます。
要点:
- 決まっている予定でも will を使うことがある
- 相手の心配に「そうなりますよ」と請け合っている
- will は予定表の語ではなく、相手に向けた語
解説例:
ホームステイ先って、渡航前にもう決まっているはずですよね。
それなら I’m staying with the host family でも言えます。
それでも ‘ll を選んだのはなぜでしょうか。
直前の文を見てください。
It’s pretty much volunteer、つまり「ほぼ無給です」と言ったあとに続いているんです。
これは「でも大丈夫、こうなりますから」という安心材料の提示なんですね。
相手の心配に対して、その場で言い切ってみせている。
ここが will のいちばん大事なところです。
will は予定表を読み上げる語ではありません。
相手に向かって「そうなりますよ」と請け合う語なんです。
⑦ will + if節、説明できますか?

例文:
It will help cover costs if you’re studying or working on a project.
勉強中だったり、プロジェクトに取り組んでいたりするときに、費用の足しになります。
要点:
- will は制度や一般論の言い切りにも使える
- if 節の中は未来でも現在形(if you’re studying)
- 条件=現在形、結果=will のワンセット
解説例:
ここまでの will は、特定の誰かの話でした。
この文は違って、手当という制度の一般的な説明なんです。
will は「そういうものだ」と言い切るときにも使えるんですね。
そしてこの文の最大のポイントは、うしろの if 節です。
if you are studying と現在形になっていて、
if you will be studying とは言っていません。
if 節の中は、未来のことでも現在形で書くのが英語のルールです。
なぜだと思いますか。
if 節は「もしそうなったとして」と場面を先に置く部分だからです。
置いた時点でそこは決まった世界なので、踏み込む will は要らないんですね。
⑧ will + hopefully、説明できますか?

例文:
So I’ll be around $95,000 my first year hopefully. It’s commission-based so it could be above that/below that.
初年度で9万5千ドルくらいになると思います、うまくいけば。歩合制なので、それより上にも下にもなりえます。
要点:
- will は言い切りなので、話し手はよく後から緩める
- hopefully を文末に置いて強さを下げている
- 次の文では could に持ち替え、さらに一段下げた
解説例:
この記事でいちばん見てほしいのが、この連続する2文です。
まず I’ll be around $95,000 と言い切ります。
その直後に hopefully を足して、次の文では could に切り替えている。
なぜこんなことをするんでしょうか。
will が言い切りだからです。
まだ始めてもいない仕事の年収を will で言うと、断言しすぎに聞こえますよね。
そこで hopefully を文の最後に置いて、強さを後から下げているんです。
それでも足りないと感じたのか、次の文では could に持ち替えています。
will は言い切り、could は「そうなりうる」。
同じ人が、1秒のあいだに強さを2段階下げている。これが will の性格そのものです。
ここからは、will を使わない未来の言い方です。
4つとも動画のセリフですが、この形では図解を1枚にまとめてあります。
下の一覧図解を見ながら、順番に説明してみてください。
⑨ be going to、説明できますか?

例文:
And I’m going to be working for a medical clinic through University of Cincinnati.
それで、シンシナティ大学を通じて医療クリニックで働くことになっています。
要点:
- be going to は go が生きていて「もう進んでいる」
- 前から決まっていて、すでに動き出している未来
- will との違いは「いつ決まったか」
解説例:
ここからはwill を使わない未来を4つ見ていきます。
まずは be going to ですね。
この形は will の言いかえではありません。
go、つまり「進む」という動詞がそのまま生きているんです。
be going to は「もうその方向に進んでいる」という意味なんですね。
この人は大学のプログラムに応募して、選考を通って、渡航日も決まっています。
すでに動き出している。だから going なんです。
いま決めた話ではないので、will はここでは合いません。
見分け方はシンプルで、「いつ決まったか」で選びます。
その場で決めたら will、前から動いているなら be going to、ですね。
⑩ be about to、説明できますか?
例文:
So I just am about to move to Guatemala in June.
実はこの6月にグアテマラに引っ越すところなんです。
要点:
- about は「そのあたり」。動作のすぐそばにいる
- be going to よりさらに近い未来
- I just am about to は just を強調した語順
解説例:
be about to の about は「そのあたり」という前置詞です。
「move、つまり引っ越すというところのすぐそばにいる」。
それが be about to のイメージなんですね。
be going to よりさらに近いと考えてください。
be going to が「その方向に進んでいる」なら、be about to は「もう手が届く」。
この人は6月に発つので、インタビュー時点で数週間後なんです。
だから about to がぴったりはまるんですね。
ちなみに I just am about to という語順、少し変わっていますよね。
教科書なら I am just about to になるところです。
崩れているのではなく、just を先に言いたかったんです。
⑪ 現在形の未来、説明できますか?
例文:
I just started a new job in sales in Tampa so I start in about two weeks.
タンパで営業の新しい仕事が決まったところで、2週間後くらいに勤務開始です。
要点:
- started(過去)と start(未来)が1文に同居している
- 自分で動かせない予定は現在形で言う
- 時刻表・営業時間・入社日が代表例
解説例:
この一文、よく見ると過去形と現在形が同居しています。
started は過去で「決まった」、start は現在形で2週間後のことです。
なぜ will start ではないんでしょうか。
この人が決めることではないからなんです。
入社日は会社が決めた日付で、時刻表と同じように動きませんよね。
そういう予定を、英語は現在形で言います。
「もう決まっていて、いま現在そこにある事実」という扱いなんですね。
同じ理屈で、The train leaves at 7. も現在形です。
個人の意志が入り込めないものほど、現在形が選ばれる。
そう覚えておいてください。
⑫ 時・条件の節、説明できますか?
例文:
Cheeseburger’s going to be great when it’s time to eat.
食べる時間になったら、チーズバーガーが最高だろうな。
要点:
- when 節の中は未来でも現在形(it’s time to eat)
- when や if は「場面を先に置く」道具
- 未来の印は1つの文に1回でいい
解説例:
警察官が、長い出動のあいだに考えていることを話している場面です。
まだ食べていないので完全に未来の話ですよね。
でも when 節の中は it’s と現在形になっています。
カード⑦の if 節と、まったく同じ理屈です。
when や if は「その場面を先に置く」ための道具なんです。
置いた時点で、そこはもう決まった世界になります。
だから踏み込む必要がなくて、現在形で足りるんですね。
未来の色を担当しているのは、主節の ‘s going to be のほうだけ。
1つの文に未来の印は1回でいい、と考えるとすっきりします。
この形、動画に3回出てきます。それだけよく使うということですね。
一人で言えた例文は、相手がいると急に出てこなくなります。
文法が身につくのは、通じた/通じなかったを自分の耳で確かめた瞬間です。
とくに will は相手に向かって言い切る語なので、一人では練習しきれません。
まずは量をこなせる環境で、今日覚えた will を実際に使ってみてください。
今日の表現をAnkiで復習しよう

記事に出てきた動画の表現を、そのままAnkiに取り込めるようにまとめました。
今回は新しい動画なので、12表現すべて新規です。
仕事とお金の話なので、自己紹介や雑談でそのまま使えるものばかりです。
今回のテーマに引きつけて1つ挙げるなら、track towards ~(〜に届きそうな見通しだ)です。
will で言い切らずに見通しを伝える言い方で、まさに今回の「強さの調整」そのものになっています。
意味だけでなく、どんな場面で使われていたかごと覚えてしまってください。
知らなかった表現を追加・編集して、自分専用のカードを作ってみてください。
知らなかった表現を追加・編集して、そのままAnkiに取り込めます。
| 表現 | 発音記号 | 意味 | 動画の例文 | シンプル例文 |
|---|
- PC・Android(AnkiDroid含む):「💻 PC・Android用」ボタンで
anki_import.txtをダウンロードし、Ankiのファイル → インポートから取り込む(区切り文字はTabを選択) - iPhone(AnkiMobile):「📱 iPhone用」ボタンで
anki_import.apkgをダウンロードし、AirDropやFilesアプリでiPhoneに送って、AnkiMobileの設定(歯車) → Import File から開く
まとめ:will の12の顔を再確認しよう

さて、今回は「will は未来形ではなく、心が決まった瞬間に出る語である」というテーマで、12の顔を見てきました。
- will + 原形 ― 撮影後でも will。未来の報告ではなく、いまの宣言
- won’t ― 「〜しないでしょう」ではなく「〜しないでおく」という決断
- What will ~? ― まだ存在しないことを聞くから will が要る
- 疑問詞 + will ― 前に飛ぶのは助動詞1語だけ。動詞は残る
- ‘ll ― 話し手が自分から使う will は、ほぼこの形
- I’ll + 原形 ― 相手の心配に「そうなりますよ」と請け合う
- will + if節 ― 条件は現在形、結果は will のワンセット
- will + hopefully ― 言い切ったあと、hopefully と could で2段階下げた
- be going to ― go が生きている。もうその方向に進んでいる
- be about to ― about は「そのあたり」。もう手が届く距離
- 現在形の未来 ― 自分で動かせない予定は現在形(I start in two weeks)
- 時・条件の節 ― 未来の印は1つの文に1回でいい
12と聞くと多く感じますが、出発点はたった1つです。
will は、うしろの動詞に「そうなる、という言い切り」をかぶせているだけ。
その言い切りをいま決めたなら will、前から動いているなら be going to。
もう目の前なら be about to、自分で動かせないなら現在形。
見え方が違うだけで、選んでいるのは「いつ心が決まったか」だけです。
そして言い切りが強すぎると感じたときに、hopefully や probably や could を足す。
動画に出てきた人たちが、みんな自然にやっていたことです。
今日の12のうち、まずおすすめしたいのは⑤の ‘ll と⑦の will + if節 です。
この2つが体に入ると、英語で「これからのこと」を話すのが一気に楽になります。’ll が出てくるだけで会話のテンポが変わりますし、if の中に will を入れない癖がつくと、文が一度で決まるようになるからです。
もし今日の内容で「なるほど」と思った部分があれば、ぜひコメントで教えてください。
次回は、助動詞シリーズの4本目として「must / have to」に進む予定です。
今回の動画に must が1回も出てこなかった理由も、そこで回収します。
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