英語イマージョン学習|Youtubeで英文法#23【前置詞 of・with・by】
イマージョンで前置詞 of・with・by を理解する

It’s usually done by a machine, but here in Waterford, it’s made by hand.
「ふつうは機械でやります。でもここでは、手で作ります」
アイルランドのクリスタル工房で、30年働くデザイナーが言った一言です。
1つの文に by が2回。
しかも by a machine には a が付いていて、by hand には何も付いていません。
学校では「by は〜によって」と、日本語訳だけを覚えました。
でもその訳では、なぜ片方にだけ a が付くのかを説明できません。
僕自身、TOEIC300点からのスタートでした。
オンライン英会話を7年続けて910点まで来ましたが、
of・with・by は長いあいだ「なんとなく」で選んでいました。
でも生の英語を聞くようになって、はっきり分かったことがあります。
of・with・by は、どれも「近さ」を言う前置詞で、近さの種類が違うだけだということです。
of は切り離せない、with は連れ立つ、by はすぐそば。3つとも距離ゼロの近さの話
読み終えるころには、of・with・by を「日本語訳」ではなく「どれくらい近いか」で選べるようになっているはずです。
くっついているのか、隣を歩いているのか、ただそばにあるのか。その1点を考えるだけで選べる、というイメージです。
イマージョン学習で英文法を学ぶ前の確認事項

動画紹介
今回教材にするのは、Business Insider の「Why Waterford Crystal Master Craftsmen Train For 8 Years」という動画です。
アイルランドのウォーターフォードという町にあるクリスタルの工房で、
8年間の見習いを終えた職人たちが、1つのグラスを手作りしていく過程を追った約10分半の映像です。
話すのは、39年働く吹きガラス職人のエドガーさん、30年目のデザイナーのマットさん、37年目のカッターのデイビッドさん。
英語の先生でも YouTube の英語講師でもなく、自分の仕事を自分の言葉で語っている人たちです。
今回この動画を選んだのには理由があります。
前置詞を扱う動画は、英語の先生が「of はこう使う、with はこう使う」と説明するレッスン動画がほとんどです。
でもそれでは、日本語訳の一覧を英語で聞き直すだけになってしまいます。
of・with・by がいちばん自然に、いちばんたくさん出てくるのは、ものづくりの現場の話です。
何でできているか、何を相手にしているか、誰の手によるものか。
実際この動画には、of が39回、with が11回、by が7回出てきます。
しかもこの動画は、自動生成ではない手動の英語字幕が付いています。
誰のセリフかまで字幕に書かれているので、聞き取りの答え合わせに使いやすいのも選んだ理由です。
今回も、いろいろな人の英語に触れられるように、別々の投稿者6本の字幕を数えて比べ、この1本に決めました。
12枚のカードすべてを、動画に実際に出てくるセリフで組めました。
▼ 動画はこちら
時間がない方は、4:27〜4:44(この記事の目玉が出てくる場面)と7:24〜7:33(目をつぶってでも切れる、の場面)の2か所だけでも見てみてください。
学習の進め方
文法の知識を実際に使いこなすには、
その言葉が使われる場面や気持ちごと覚えるのが近道です。
だからこそ今回は、動画の生きたセリフを教材にして、「前置詞 of・with・by」の視点を見ていきます。
読み方は、目的に合わせて選んでみてください。
英語を楽しみながら勉強したい方は、このまま記事を読み進めてください。
動画のセリフをたどりながら、
「前置詞 of・with・by」の感覚を少しずつ自分のものにしていけます。
逆に、効率的に英文法だけを押さえたい方は、要点だけをまとめた別記事へどうぞ。
前置詞 of・with・by とは何か ― 距離ゼロの3つの近さ

前々回の at・in・on は「位置」、前回の to・for・from は「方向」の前置詞でした。
今回の of・with・by は、どれも「近い」という1点でつながっています。
違うのは、どれくらい近いかです。
くっついていて切り離せないなら of。
隣に連れ立っているなら with。
すぐそばにあるなら by。
近い順に並べると、of → with → by の順で、少しずつ離れていきます。
of は全体と部分の関係なので、そもそも切り離せません。
with は自分が連れていくので、離そうと思えば離せます。
by はただそばにあるだけなので、いちばん距離があります。
- of=切り離せない:全体と部分。a piece of crystal/one of 17 craftspeople/a team of four people
- with=連れ立つ:そばに携える。work with extreme heat/with your eyes closed
- by=すぐそば:手段・作り手・期限。inspired by ~/by how it looks/by the time ~
このシリーズでは、ここまで22回に分けて、名詞のまわりと修飾、助動詞、そして前置詞の at・in・on と to・for・from を整理してきました。
- 限定詞編・代名詞編・形容詞編・副詞編:名詞の前につく語、代わりになる語、説明する語
- 比較編・否定編:目盛りを使う/打ち消す範囲を指し示す
- 助動詞編(can・may・will・must・would・could・have+過去分詞):動詞に話し手の気持ちをかぶせる
- 前置詞 at・in・on 編:位置を、点・入れ物・接触の3枚の絵で表す
- 前置詞 to・for・from 編:方向を、1本の矢印の3つの部分で表す
- 前置詞 of・with・by 編(この記事):近さを、3段階の距離で表す
前置詞のパートは、このあと under・over・through・about などの「その他の前置詞」で締めくくります。
前回の to・for・from 編をまだ読んでいない方は、こちらからどうぞ。
イマージョンで学ぶ【前置詞 of・with・by】12の顔

ここからは、動画のセリフを使いながら、前置詞 of・with・by が持つ12の顔を1つずつ見ていきましょう。
前半4つがof=切り離せない結びつき、続く4つがwith=連れ立つ、次の3つがby=すぐそば、最後の1つが3語が1つの工程でつながる目玉です。
今回は12枚すべてが、動画に実際に出てくる例文です。
① of=切り離せない結びつき
- a piece of ~ ― 全体から1つ切り出す
- one of ~ ― たくさんの中の「1人」
- a team of ~ ― 中身が何でできているか
- proud of ~ ― 気持ちが結びついている相手
② with=連れ立つ・携える
- work with ~ ― 相手取るものを「連れて」仕事する
- work closely with ~ ― 人と人が「並んで」進む
- with + 状態 ― 「〜したまま」を連れてくる
- assist with ~ ― 「どの仕事に」関わるか
③ by=すぐそば
- inspired by ~ ― 受け身の「何によって」
- by + 手がかり ― 「何によって」分かるか
- by the time ~ ― 「〜するころには」=時間のそば
④ 1つのグラスができるまで
- done by a machine / made by hand ― 同じ by が「機械」と「手」を並べる
以下のカードをタップすると、それぞれの視点を実際の例文つきで詳しく確認できます。
カードをタップすると詳しい説明が開きます
of は切り離せない(全体と部分)、with は連れ立つ(そばに携える)、by はすぐそば(だから手段にも期限にもなる)。
1つのクリスタルグラスができるまでが、この3語だけで語れます。17人の職人のうちの1人が(of)、1100度の熱を連れたまま(with)、機械ではなく手によって(by)作る。
大事なのは、of・with・by は「近さ」の種類が違うだけだということ。It’s a team of four people. と work with extreme heat と it’s made by hand が、同じ工房の話でつながります。12枚すべてが動画のセリフです。
of のコアイメージは「切り離せない結びつき」です。大きな全体があって、そこから一部を切り出して見せるときの糸が of だと思ってください。
この1文には of が2つ入っています。a piece of Waterford crystal は、ウォーターフォードのクリスタルという大きな世界から「1個」を切り出した言い方。the hands of about 10 master craftspeople は、10人の職人から切り離せない「その人たちの手」です。
日本語だとどちらも「〜の」になりますが、英語では後ろが全体、前が切り出した部分という順番が決まっています。a piece of crystal は言えても、a crystal of piece とは言えません。of は必ず「小さい方 of 大きい方」の順で並びます。
- 数量・単位:a piece of crystal/a pair of red-wine glasses(3:06)
- 身体・部分:the hands of 10 craftspeople/the rims of the glass
- 集合からの1つ:one of about 17 master craftspeople(カード②)
- 中身・構成:a team of four people(カード③)/a group of seven apprentices
※ ルール中の一般例には、この動画に登場しない参考例も含まれます。
大きい方を of の後ろに置けば、語順で迷いません。「10人の職人の手」なら、大きいのは職人 → the hands of 10 craftspeople。
- Artisans must memorize hundreds of patterns.(0:45)
- …he blows 300 to 350 pieces of stemware a day.(5:39〜5:43)
- Some of the pieces could have up to 96 cuts on them.(6:37)
one of ~ は、「17人」という集まりの中から1人を指でつまみ出した形です。カード①と同じ「小さい方 of 大きい方」で、小さい方が one になっただけです。
ここで日本人が間違えやすいのが後ろの名詞の形です。of の後ろは必ず複数形になります。17人いる中の1人なので、craftspeople(複数)。one of a craftsperson とは言えません。
もう1つ注意したいのが動詞の形です。主語は one なので、動詞は is(単数)。He is one of … であって He are ではありません。of の後ろが複数形でも、主語はあくまで one。ここが試験でもよく狙われます。
one of my friends is … が正しい形です。「17人のうちの1人」という絵を思い浮かべれば、後ろが複数なのは当たり前だと分かります。
- One of those four people is Edgar.(4:35)
- And one of the most prominent pieces Waterford has made there is the Times Square Ball…(9:03〜9:07)
- He was initially part of a group of seven apprentices.(6:46)
同じ of でも、こちらは「中身が何でできているか」を言う使い方です。a team of four people は、チームという入れ物の中身が4人だと説明しています。
カード①②の of は「大きい全体から一部を取り出す」向きでしたが、ここは逆に器を先に言って、中身を of で後から補う向きです。ただし「切り離せない」という感覚は同じです。4人を抜いたら、このチームは存在しません。
この of は数えられないものにも使えます。a cup of coffee(コーヒー1杯)、a lot of water(たくさんの水)。カップやたくさんという器が先で、中身が of の後ろに来ます。(※動画には登場しない参考例)
a team of four people=チームは4人でできている。a cup of coffee=カップの中身はコーヒー。どちらも器と中身の関係です。
- …like creating the ball of glass the master blower will use for the piece.(4:43〜4:44)
- Crystal contains a small percentage of minerals.(4:55)
- The wheel is kept wet at all times with a constant flow of water.(7:37〜7:40)
of は名詞と名詞をつなぐだけでなく、形容詞の後ろにもくっつきます。proud of ~ は「誇り」という気持ちが何と結びついているかを示しています。
前置詞の後ろに動詞を置くときは、-ing 形にします。ここも proud of being from Waterford で、be が being になっています。proud of be とは言えません。前回の from going there(記事22)と同じルールです。
この形は丸ごと覚えてしまうのが早いです。be proud of ~(〜を誇りに思う)、be afraid of ~(〜が怖い)、be tired of ~(〜にうんざりしている)。どれも気持ちと、その気持ちが向かう相手が切り離せないという点で共通しています。(※動画には登場しない参考例)
- proud of ~:〜を誇りに思う(この文)
- afraid of ~:〜が怖い
- tired of ~:〜に飽きている・うんざりしている
- full of ~:〜でいっぱいだ
- 後ろが動詞なら -ing 形:proud of being from Waterford
※ ルール中の一般例には、この動画に登場しない参考例も含まれます。
proud of be ✗ / proud of being ◯。of・from・with・by、どの前置詞でも同じです。
- Many of the craftspeople themselves are also avid collectors.(9:44〜9:46)
- …we’re still leaning back into the ancient craft of crystal making.(8:19〜8:21)
- So, we had no less than Prince Charles, now King Charles, of England…(9:26〜9:28)
with のコアイメージは「連れ立つ」です。自分のそばに何かを携えて、一緒に動いている絵を思い浮かべてください。
work with extreme heat は「猛烈な熱を連れたまま働く」。日本語にすると「熱を相手にする」ですが、英語の絵は熱がずっと隣にいるという感じです。熱から逃げるわけでも、熱に向かっていくわけでもなく、ずっと一緒にいる。
同じ文の hundreds of patterns はカード①の of、a steady hand は目的語です。1つの文の中で、of が「何百の柄」という中身を、with が「隣にある熱」を担当しています。
work with heat=熱を連れたまま働く。この動画の後半には working with such high temperatures(5:33)も出てきます。
- Edgar says staying safe when working with such high temperatures…(5:31〜5:33)
- Edgar Evans has worked as a master blower with Waterford Crystal for 39 years.(1:09〜1:12)
- …learning from and working directly with certified artisans at the facilities.(1:47〜1:49)
with のいちばん分かりやすい顔が、この「人と一緒に」です。work closely with the rest of the team は、チームの残りのメンバーと肩を並べて進むという絵です。
ここで注目したいのが closely(密に)という副詞です。with が「連れ立つ」なら、closely はその距離がとても近いと足している言葉。with がどれくらい近いかを、副詞が調整しているわけです。
この文にも of が入っています。the rest of the team は「チームという全体から、自分以外の残り」を切り出した形。カード①の「小さい方 of 大きい方」そのままです。
fight with him は「彼と一緒に戦う」にも「彼とけんかする」にもなります。協力だとはっきり言いたいときは work with や together with を使います。
- Edgar: There’s no individuals in here. It’s teamwork all the way through.(4:47〜4:48)
- He’s typically accompanied by a master stemmer and two apprentices…(4:37/カード⑧)
- …comes down to years of experience and careful teamwork.(5:35)
with your eyes closed は、「目が閉じられた状態」を連れたまま切るという言い方です。with のコアである「連れ立つ」が、モノではなく「状態」に使われている形です。
この形は with + 名詞 + 名詞の様子 という2階建てになっています。with your eyes(目が)+ closed(閉じられて)。付帯状況の with と呼ばれる形で、「〜したまま」「〜しながら」と訳すとぴったりきます。
同じ形が別の場面にも出てきます。The wheel is kept wet at all times with a constant flow of water.(7:37〜7:40)=水が絶えず流れている状態を連れたまま、砥石はずっと濡らしてある。職人の手元の話には、この with がよく出てきます。
- with + 名詞 + 過去分詞:with your eyes closed(目を閉じたまま)
- with + 名詞 + -ing:with the water running(水を流したまま)
- with + 名詞 + 形容詞:with the door open(ドアを開けたまま)
- 閉じられる側か、自分でするかで形が変わる:目は「閉じられる」→ closed、水は「流れる」→ running
※ ルール中の一般例には、この動画に登場しない参考例も含まれます。
名詞のあとが closed か running かは、その名詞が「される側」か「する側」かで決まります。目は閉じられる側なので closed です。
- The wheel is kept wet at all times with a constant flow of water.(7:37〜7:40)
- A bowl with the design goes for $675.(3:11)
- …if you don’t have enough water on the wheel, the glass can actually shatter…(7:50〜7:52)
assist with tasks の with は、「どの仕事のそばに立つか」を示しています。手伝う相手(人)ではなく、手伝う中身(仕事)のほうに with が付くのがポイントです。
日本語の「〜を手伝う」につられて assist tasks と言ってしまいがちですが、assist は「そばに寄り添う」動詞なので、寄り添う先を with でつなぐのが自然です。help me with my homework(宿題を手伝って)も同じ形で、人が目的語、仕事が withという役割分担になっています。(※動画には登場しない参考例)
そしてこの文には、次のセクションで扱う by も入っています。accompanied by ~=〜に付き添われて。同じ「一緒にいる」でも、with は自分が連れていく側、by は自分が連れられる側。この1文は、with と by の違いがそのまま並んでいる貴重な例です。
help me with my homework ◯ / help my homework ✗。手伝うのは人で、その人が抱えている中身が with の後ろに来ます。
- …like creating the ball of glass the master blower will use for the piece.(4:43〜4:44)
- Candidates must first graduate from Waterford’s eight-year-long apprenticeship program…(1:42〜1:44)
- …and then to the hand-cutting, using diamond-tipped wheels.(8:09)
by のコアイメージは「すぐそば」です。英語の by はもともと「〜のかたわらに」という位置の言葉で、そこから手段・作り手・期限へ広がっていきます。
inspired by ~ は、「そのデザインのすぐ隣に、アイルランドの伝統手芸があった」という絵です。受け身(be動詞 + 過去分詞)といっしょに使うと、そうなった原因や作り手を指します。
ここで「なぜ from ではないのか」と思うかもしれません。from なら「そこから出てきた」という矢印の根元(記事22)ですが、by は「すぐ隣にあった」というだけで、出どころまでは言いません。由来をはっきり言うなら from、そばにあった影響なら byです。
ただし気持ちを表す受け身は at や with になることもあります。be surprised at ~(驚く)、be pleased with ~(喜ぶ)。(※動画には登場しない参考例)
- He’s typically accompanied by a master stemmer and two apprentices.(4:37/カード⑧)
- …are ancient craft techniques that have been used for centuries.(8:12〜8:14)
- The finished product is sold in Waterford’s in-house store or shipped all over the world.(8:52〜8:55)
この by は「何を手がかりにするか」を示しています。recognize ~ by how it looks=見た目をそばに置いて、それと照らし合わせて見分ける。コアの「すぐそば」から、手段・方法へ広がった顔です。
ナレーターはこのあとすぐ、or maybe even by how it sounds(0:11)と続けます。見た目でも、音でも分かる。同じ by を2回使って、手がかりを2つ並べているわけです。
by の後ろには名詞が来るのが基本ですが、ここでは how it looks(どう見えるか)というカタマリが入っています。how + 主語 + 動詞 で1つの名詞のように働く形で、前置詞の後ろにもそのまま置けます。
by car ◯ / by a car ✗。by train・by bus も同じです。「車という手段そのもの」を指していて、特定の1台の話ではないからです。(※動画には登場しない参考例)
- …or maybe even by how it sounds.(0:11)
- It’s a pulled stem, and it’s usually done by a machine…(4:27〜4:28/カード⑫)
- …but here in Waterford, it’s made by hand.(4:28/カード⑫)
by は時間にも使えます。場所の「すぐそば」が、そのまま時間の「すぐそば」=そのときまでにになります。by the time ~ は「〜するころには」。
ここで日本人がいちばん間違えるのが by と until の違いです。by は「その時までに1回やればいい」(締め切り)、until は「その時までずっと続く」(継続)。エドガーの言う by the time I get it to the mold は、型に着いた瞬間の温度の話であって、ずっと400度だという意味ではありません。
なお by the time の後ろは文(主語+動詞)が来ます。ふつうの by は後ろが名詞(by hand・by a machine)ですが、the time を挟むと文をつなげられるようになります。ここも I get it to the mold という文が入っています。
- by=締め切り:Finish it by Friday.(金曜までに終わらせて/1回やればいい)
- until=継続:Wait until Friday.(金曜までずっと待って)
- by the time + 文:by the time I get it to the mold(型に持っていくころには)
- by + 名詞:by Friday/by hand/by a machine(カード⑫)
※ ルール中の一般例には、この動画に登場しない参考例も含まれます。
宿題は by tomorrow(明日までに出す)、待つのは until tomorrow(明日までずっと待つ)。
- Before they can begin blowing the mixture, artisans heat it to around 1,100 degrees in a kiln.(5:20〜5:22)
- …that gradually cools the glass over 24 hours.(5:55)
- The wooden molds can only be used 10 to 15 times…(4:11)
この記事の目玉です。1つの文の中で by が2回使われ、しかも「機械」と「手」という正反対のものを指しています。デザイナーのマットが、工場の当たり前と自分たちのやり方を、この1文で対比しています。
注目したいのが冠詞の違いです。by a machine には a が付いていて、by hand には何も付いていません。by hand は「手作業という方法そのもの」を指す決まった言い方で、by a hand とは言いません。カード⑩の by car・by train と同じ仲間です。
この1文で、of・with・by の3つがきれいにつながります。a team of four people(4:31)の of でチームの中身を言い、work with extreme heat(0:48)の with で隣にある熱を言い、そして made by hand の by で誰の手によるかを言う。1つのグラスができるまでが、この3語で説明できてしまうわけです。
ただし具体的な1台・1つを指すときは付きます。by a machine(何かの機械で)、in my car(自分の車で)。「方法」を言うのか「そのモノ」を言うのかで変わります。
- It’s handmade, start to finish. So it’s your own breath, your own hands, all the way through.(2:02〜2:06)
- …from the hand-carving of the mold making, to the mouth blowing, to the marking…(8:04〜8:07)
- Almost every step … ancient craft techniques that have been used for centuries.(8:12〜8:14)
一人プレゼンを実施してみる

まずは何も見ずに例文を自分で作って説明してみて、
うまく言えなかった項目だけ解説例を確認する、
という使い方がおすすめです。
12問あるので、1日に全部やろうとしなくて構いません。
説明するときは、必ず「切り離せない・連れ立つ・すぐそば」のどれかを最初に言ってから理由を話してみてください。
図解の右側の絵が、そのままヒントになっています。
まずは of=切り離せない結びつき の4問です。
① a piece of ~、説明できますか?

例文:
A single handmade piece of Waterford crystal will pass through the hands of about 10 master craftspeople.
手作りのクリスタルは、1つにつき10人ほどの熟練職人の手を通っていきます。
要点:
- of のコアは「切り離せない結びつき」。全体から部分を切り出す
- 語順は必ず「小さい方 of 大きい方」
- 1文に of が2つ(a piece of ~ と the hands of ~)
解説例:
of のコアイメージは「切り離せない結びつき」です。
大きな全体があって、そこから一部を切り出して見せるときの糸が of だと思ってください。
この文には of が2つ入っています。
a piece of Waterford crystal は、クリスタルという大きな世界から1個を切り出した言い方。
the hands of about 10 master craftspeople は、10人の職人から切り離せない、その人たちの手です。
大事なのは語順で、英語では必ず「小さい方 of 大きい方」の順に並びます。
a piece of crystal とは言えても、a crystal of piece とは言えないんです。
② one of ~、説明できますか?

例文:
He is one of about 17 master craftspeople who work at the company’s headquarters in Waterford, Ireland.
彼は、アイルランドのウォーターフォード本社で働く17人ほどの熟練職人のうちの1人です。
要点:
- one of ~ は集まりから1人をつまみ出す形
- of の後ろは必ず複数形(craftspeople)
- 主語は one なので動詞は単数(is)
解説例:
one of ~ は、17人という集まりの中から1人を指でつまみ出した形です。
カード①と同じ「小さい方 of 大きい方」で、小さい方が one になっただけですね。
気をつけたいのは後ろの名詞の形で、of の後ろは必ず複数形になります。
17人いる中の1人なので、craftspeople と複数です。
そしてもう1つ、主語は one なので動詞は is、単数になります。
of の後ろが複数形でも、主語はあくまで one。ここが混ざりやすいところです。
③ a team of ~、説明できますか?

例文:
And it’s a team of four people.
そして、4人1組のチームです。
要点:
- 器を先に言って、中身を of で補う使い方
- 「AはBでできている」と言い換えられる
- a cup of coffee・a lot of water も同じ形
解説例:
同じ of でも、これは「中身が何でできているか」を言う使い方です。
a team of four people は、チームという入れ物の中身が4人だ、と説明しています。
カード①②は大きい全体から一部を取り出す向きでしたが、ここは器を先に言って、中身を of で後から補う向きです。
ただ、切り離せないという感覚は同じで、4人を抜いたらこのチームは存在しません。
この of は数えられないものにも使えて、a cup of coffee や a lot of water も同じ形です。
④ proud of ~、説明できますか?

例文:
Always proud of being from Waterford.
生まれがウォーターフォードだということを、いつも誇りに思っています。
要点:
- of は形容詞の後ろにもつく
- 気持ちと、その気持ちが向かう相手を結びつける
- 前置詞の後ろの動詞は -ing 形(being)
解説例:
of は名詞と名詞をつなぐだけでなく、形容詞の後ろにもくっつきます。
proud of ~ は、誇りという気持ちが何と結びついているかを示しています。
ここで大事なのが、前置詞の後ろに動詞を置くときは -ing 形にするというルールです。
この文も proud of being from Waterford で、be が being になっていますね。
proud of be とは言えません。
be afraid of ~、be tired of ~ も同じ仲間で、どれも気持ちとその相手が切り離せない、という形です。
次は with=連れ立つ の4問です。
①〜④の of と比べて、くっついているのか、隣にいるだけなのかを意識して説明してみてください。
⑤ work with ~、説明できますか?

例文:
Artisans must memorize hundreds of patterns, work with extreme heat, and maintain a steady hand.
職人は何百もの柄を覚え、猛烈な熱を相手にし、手元をぶれさせずにいなければなりません。
要点:
- with のコアは「連れ立つ」。そばに携えて一緒に動く
- work with heat=熱を連れたまま働く
- 同じ文の of は中身、with は隣にあるもの
解説例:
with のコアイメージは「連れ立つ」です。
自分のそばに何かを携えて、一緒に動いている絵を思い浮かべてください。
work with extreme heat は、猛烈な熱を連れたまま働く、ということです。
日本語にすると「熱を相手にする」ですが、英語の絵は、熱がずっと隣にいるという感じなんです。
熱から逃げるわけでも、熱に向かっていくわけでもなく、ずっと一緒にいる。
同じ文の hundreds of patterns はカード①の of なので、of が中身を、with が隣にあるものを担当しているのが分かりますね。
⑥ work closely with ~、説明できますか?

例文:
Matt works closely with the rest of the team throughout the production process.
マットは制作の全工程を通して、チームの他のメンバーと密に連携しています。
要点:
- with のいちばん分かりやすい顔が「人と一緒に」
- closely は「どれくらい近いか」を足す副詞
- the rest of the team はカード①の of と同じ形
解説例:
with のいちばん分かりやすい顔が、この「人と一緒に」です。
work closely with the rest of the team は、チームの残りのメンバーと肩を並べて進む、という絵ですね。
注目したいのが closely、密に、という副詞です。
with が「連れ立つ」を表して、closely がその距離の近さを足しているんです。
この文にも of が入っていて、the rest of the team は、チームという全体から自分以外の残りを切り出した形です。
カード①でやった「小さい方 of 大きい方」そのままですね。
⑦ with + 状態、説明できますか?

例文:
You’re so used to them now that you can nearly cut them with your eyes closed.
もうすっかり体が覚えていて、目をつぶってでも切れるくらいです。
要点:
- with your eyes closed=目が閉じられた状態を連れたまま
- with + 名詞 + 名詞の様子、の2階建て
- 「される側」なら closed、「する側」なら running
解説例:
with your eyes closed は、目が閉じられた状態を連れたまま切る、という言い方です。
with のコアである「連れ立つ」が、モノではなく状態に使われている形ですね。
作りは2階建てで、with your eyes、目が、プラス closed、閉じられて、となっています。
これを付帯状況の with と呼びます。「〜したまま」「〜しながら」と訳すとぴったりきます。
名詞のあとが closed になるか running になるかは、その名詞が「される側」か「する側」かで決まります。
目は閉じられる側なので closed、水は流れる側なので running です。
⑧ assist with ~、説明できますか?

例文:
He’s typically accompanied by a master stemmer and two apprentices, who assist with tasks.
彼にはたいてい、ステム職人1人と見習い2人がついていて、その2人が作業を手伝います。
要点:
- assist with の with は「手伝う中身」を示す
- 手伝う相手(人)は目的語、仕事は with の後ろ
- 同じ文の accompanied by は「連れられる側」
解説例:
assist with tasks の with は、どの仕事のそばに立つか、を示しています。
手伝う相手ではなく、手伝う中身のほうに with が付くのがポイントです。
日本語の「〜を手伝う」につられて assist tasks と言ってしまいがちですが、assist はそばに寄り添う動詞なので、寄り添う先を with でつなぎます。
help me with my homework も同じ形で、人が目的語、仕事が with ですね。
そしてこの文には、次に見る by も入っています。
accompanied by ~、付き添われて、です。
同じ「一緒にいる」でも、with は自分が連れていく側、by は自分が連れられる側なんです。
続いて by=すぐそば の3問です。
⑨ inspired by ~、説明できますか?

例文:
Irish lace, a modern design inspired by traditional Irish needlework.
アイリッシュレース。アイルランドの伝統的な手芸から着想を得た、現代的なデザインです。
要点:
- by のコアは「すぐそば」。そこから手段・作り手へ広がる
- 受け身と組んで「〜によって」を表す
- from は出どころ、by はそばにあった影響
解説例:
by のコアイメージは「すぐそば」です。
もともと「〜のかたわらに」という位置の言葉で、そこから手段や作り手、期限へ広がっていきます。
inspired by ~ は、そのデザインのすぐ隣にアイルランドの伝統手芸があった、という絵ですね。
受け身、be動詞プラス過去分詞といっしょに使うと、そうなった原因や作り手を指します。
なぜ from ではないのか、と思うかもしれません。
from なら「そこから出てきた」という矢印の根元ですが、by は「すぐ隣にあった」というだけなんです。
由来をはっきり言うなら from、そばにあった影響なら by、と分けています。
⑩ by + 手がかり、説明できますか?

例文:
You can recognize a piece of Waterford crystal by how it looks.
ウォーターフォードのクリスタルは、見た目で見分けがつきます。
要点:
- 「何を手がかりにするか」を示す by
- by how it looks の後に by how it sounds と2つ並ぶ
- by の後ろには how ~ のカタマリも置ける
解説例:
この by は、何を手がかりにするか、を示しています。
recognize ~ by how it looks は、見た目をそばに置いて、それと照らし合わせて見分ける、ということです。
コアの「すぐそば」から、手段・方法へ広がった顔ですね。
ナレーターはこのあとすぐ、or maybe even by how it sounds、音でも分かる、と続けます。
同じ by を2回使って、手がかりを2つ並べているんです。
by の後ろには名詞が来るのが基本ですが、ここでは how it looks というカタマリが入っています。
how プラス主語プラス動詞で、1つの名詞のように働く形です。
⑪ by the time ~、説明できますか?

例文:
And by the time I get it to the mold, it’s probably 400 or 500 degrees.
そして、型に持っていくころには、たぶん400度か500度になっています。
要点:
- 場所の「そば」が時間の「そのときまでに」になる
- by は締め切り(1回)、until は継続(ずっと)
- by the time の後ろには文が来る
解説例:
by は時間にも使えます。
場所の「すぐそば」が、そのまま時間の「すぐそば」、つまりそのときまでに、になります。
by the time ~ は「〜するころには」ですね。
ここでいちばん間違えやすいのが by と until の違いです。
by はその時までに1回やればいい締め切り、until はその時までずっと続く継続です。
この文も、型に着いた瞬間の温度の話であって、ずっと400度だという意味ではありません。
それから、ふつうの by は後ろが名詞ですが、the time を挟むと文をつなげられます。
最後は、この記事の目玉です。
1つの文に2回出てくる byが、何と何を並べているかを説明してみてください。
⑫ done by a machine / made by hand、説明できますか?

例文:
It’s a pulled stem, and it’s usually done by a machine, but here in Waterford, it’s made by hand.
これは引き伸ばした脚(ステム)で、ふつうは機械でやります。でもここウォーターフォードでは、手で作ります。
要点:
- 1文の中で by が「機械」と「手」の両方を指す
- by a machine には a、by hand には冠詞なし
- of で中身、with で隣、by で作り手。3語で1つの工程が語れる
解説例:
これがこの記事の目玉です。
1つの文の中で by が2回使われ、しかも機械と手という正反対のものを指しています。
デザイナーのマットが、工場の当たり前と自分たちのやり方を、この1文で対比しているんですね。
注目したいのが冠詞の違いです。
by a machine には a が付いていて、by hand には何も付いていません。
by hand は「手作業という方法そのもの」を指す決まった言い方で、by a hand とは言いません。
そしてこの場面で、of・with・by の3つがつながります。
a team of four people の of でチームの中身を言い、work with extreme heat の with で隣にある熱を言い、made by hand の by で誰の手によるかを言う。
1つのグラスができるまでが、この3語で説明できてしまうんです。
一人で言えた例文は、相手がいると急に出てこなくなります。
文法が身につくのは、通じた/通じなかったを自分の耳で確かめた瞬間です。
とくに of・with・by は、間違えても文がそれなりに通じてしまうので、誰も指摘してくれないのがやっかいなところです。
まずは量をこなせる環境で、自分の仕事や趣味の話を、今日の12文を借りて話してみてください。
今日の表現をAnkiで復習しよう

記事に出てきた動画の表現を、そのままAnkiに取り込めるようにまとめました。
今回は新しい動画なので、12表現すべて新規です。
テーマは「ものづくりと職人を英語で語るための12表現」です。
a cut above ~(一段上の)から go back to the drawing board(一から作り直す)まで、動画の順番どおりに並べてあります。
今回のテーマに引きつけて1つ挙げるなら、comes down to ~(結局〜次第だ)です。
of と同じで、いくつも理由がある中から「これ1つ」に絞り込むときの表現で、1100度を相手にする安全の話(5:33)に出てきます。
知らなかった表現を追加・編集して、自分専用のカードを作ってみてください。
知らなかった表現を追加・編集して、そのままAnkiに取り込めます。
| 表現 | 発音記号 | 意味 | 動画の例文 | シンプル例文 |
|---|
- PC・Android(AnkiDroid含む):「💻 PC・Android用」ボタンで
anki_import.txtをダウンロードし、Ankiのファイル → インポートから取り込む(区切り文字はTabを選択) - iPhone(AnkiMobile):「📱 iPhone用」ボタンで
anki_import.apkgをダウンロードし、AirDropやFilesアプリでiPhoneに送って、AnkiMobileの設定(歯車) → Import File から開く
まとめ:前置詞 of・with・by の12の顔を再確認しよう

さて、今回は「前置詞 of・with・by は、近さの3段階」というテーマで、12の顔を見てきました。
- a piece of ~ ― 語順は必ず「小さい方 of 大きい方」
- one of ~ ― 後ろは複数形、動詞は単数
- a team of ~ ― 器を先に、中身を of で後から
- proud of ~ ― 形容詞にもつく。後ろの動詞は -ing 形
- work with ~ ― 熱を連れたまま働く
- work closely with ~ ― 人と肩を並べて進む
- with + 状態 ― 「〜したまま」。される側なら closed、する側なら running
- assist with ~ ― 手伝う中身のほうに with が付く
- inspired by ~ ― 受け身の「何によって」。from は出どころ、by はそばにあった影響
- by + 手がかり ― by how it looks。by car・by train に冠詞は付けない
- by the time ~ ― by は締め切り、until は継続
- done by a machine / made by hand ― 1文の中で by が正反対の2つを指す
12と聞くと多く感じますが、使っている物差しは「どれくらい近いか」だけです。
切り離せないなら of、連れ立つなら with、そばにあるなら by。
そしてこの物差しは、モノにも人にも時間にも、同じように使えます。
今日の12のうち、まずおすすめしたいのは⑫の made by hand です。
身のまわりで「手作り」のものを見つけたら、This is made by hand. と心の中で言ってみてください。a を付けたくなったら、それは「方法」ではなく「モノ」を見ている合図です。by の感覚が「訳」から「距離の絵」に変わります。
もし今日の内容で「なるほど」と思った部分があれば、ぜひコメントで教えてください。
次回は、前置詞の under・over・through・about など、「その他の前置詞」を扱う予定です。
これで前置詞のパートは完結です。
さらに英語学習を進めたい方へ
発音が気になっている方へ
文法と同じくらい大事なのが、発音です。
「読めるのに、なぜか伝わらない。」
そんな経験、ありませんか?
実は、発音には明確なルールがあります。
ルールを知るだけで、ネイティブの英語がグッと聞き取りやすくなります。
話すときの自信も、ぜんぜん違ってきます。
発音の基礎からしっかり学びたい方は、こちらをどうぞ。
学習習慣がどうしても身につかない方へ
「やる気はあるのに、続かない。」
これ、意志の問題ではありません。
一人で学び続ける仕組みがないだけです。
私も独学時代、何度も挫折しました。
英語コーチングに出会ってから、学習が習慣として定着しました。
あなたに合った学習プランを一緒に作りましょう。
話す機会を探している方へ
文法を学んだら、次は実際に使ってみることが一番の近道です。
頭でわかっていても、口から出てこない。
そのもどかしさを解消するには、とにかく話す場数を踏むしかありません。
まずは量を確保できるところから始めるのが現実的です。
私は無料体験の7日間で、わざと不自然な英語を66回言って講師の反応を実測しました。
サービスを比べてから決めたい方は、こちらもどうぞ。
