英語イマージョン学習|Youtubeで英文法#22【前置詞 to・for・from】
イマージョンで前置詞 to・for・from を理解する

This one’s for my dad.
「これはお父さんの分」
パリ旅行から帰ってきたカナダ人の女の子が、買ってきたお土産を見せながら言った一言です。
では、このお土産をお父さんに手渡したら、英語ではどう言うでしょうか。
I gave it to my dad.
同じお土産、同じお父さんなのに、for が to に変わります。
学校では「for は〜のために、to は〜へ」と、日本語訳で覚えました。
でもこの訳では、同じ相手に for と to の両方が付く理由を説明できません。
僕自身、TOEIC300点からのスタートでした。
オンライン英会話を7年続けて910点まで来ましたが、
to と for は長いあいだ「なんとなく」で選んでいました。
でも生の英語を聞くようになって、はっきり分かったことがあります。
to・for・from は、1本の矢印のどこを見ているかの違いだということです。
to は矢印が届く、for は矢印が向いている、from は矢印の根元。3つとも同じ1本の矢印の話
読み終えるころには、to・for・from を「日本語訳」ではなく「矢印の絵」で選べるようになっているはずです。
届いたのか、向いているだけなのか、どこから出てきたのか。その1点を考えるだけで選べる、というイメージです。
イマージョン学習で英文法を学ぶ前の確認事項

動画紹介
今回教材にするのは、Karli Jenna さんの「What I bought in Paris (& London) | souvenir haul」という動画です。
友だちと2人で、親なしで初めて行ったパリとロンドンの旅行から帰った翌日に、
買ってきたお土産を1つずつ見せてくれる動画で、長さは約12分です。
話し手はカナダ人の女の子で、先生でも YouTube の英語講師でもありません。
今回この動画を選んだのには理由があります。
前置詞を扱う動画は、英語の先生が「to はこう使う、for はこう使う」と説明するレッスン動画がほとんどです。
でもそれでは、日本語訳の一覧を英語で聞き直すだけになってしまいます。
to・for・from がいちばん自然に、いちばんたくさん出てくるのは、旅行とお土産の話です。
どこから帰ってきた、どこに行った、誰の分を買った、いくらで買った。
実際この動画には、for が39回、from が21回、to が51回(うち前置詞の to が約20回)出てきます。
今回は、いろいろな人の英語に触れられるように、前回とは別の YouTuber の動画を14本比べて、この1本に決めました。
12枚のカードすべてを、動画に実際に出てくるセリフで組めました。
▼ 動画はこちら
字幕は自動生成なので、パリの地名(ルーヴル美術館やセーヌ川など)は正しく表示されないところがあります。
時間がない方は、0:00〜0:20(旅行の全体)と2:00〜2:16(家族へのお土産)の2か所だけでも見てみてください。
学習の進め方
文法の知識を実際に使いこなすには、
その言葉が使われる場面や気持ちごと覚えるのが近道です。
だからこそ今回は、動画の生きたセリフを教材にして、「前置詞 to・for・from」の視点を見ていきます。
読み方は、目的に合わせて選んでみてください。
英語を楽しみながら勉強したい方は、このまま記事を読み進めてください。
動画のセリフをたどりながら、
「前置詞 to・for・from」の感覚を少しずつ自分のものにしていけます。
逆に、効率的に英文法だけを押さえたい方は、要点だけをまとめた別記事へどうぞ。
前置詞 to・for・from とは何か ― 届く・向く・出てくる3本の矢印

前回の at・in・on は、モノがどこにあるかという「位置」の前置詞でした。
今回の to・for・from は、モノや人がどちらへ動くかという「方向」の前置詞です。
方向は、1本の矢印で描けます。
そして to・for・from は、その矢印のどこを見ているかで分かれます。
矢印の先がどこかに届いているなら to。
矢印がどこかを向いているだけで、まだ届いていないなら for。
矢印がどこから出てきたか、根元を見ているなら from。
- to=到達:矢印が届く。went to Muji/got ourselves to London
- for=方向:矢印が向いている。for my dad/for €4/known for these pens
- from=起点:矢印の根元。got back from Paris/one from Paris
このシリーズでは、ここまで21回に分けて、名詞のまわりと修飾、助動詞、そして前置詞の at・in・on を整理してきました。
- 限定詞編・代名詞編・形容詞編・副詞編:名詞の前につく語、代わりになる語、説明する語
- 比較編・否定編:目盛りを使う/打ち消す範囲を指し示す
- 助動詞編(can・may・will・must・would・could・have+過去分詞):動詞に話し手の気持ちをかぶせる
- 前置詞 at・in・on 編:位置を、点・入れ物・接触の3枚の絵で表す
- 前置詞 to・for・from 編(この記事):方向を、1本の矢印の3つの部分で表す
前置詞のパートは、このあと of・with・by、その他の前置詞と続きます。
前回の at・in・on 編をまだ読んでいない方は、こちらからどうぞ。
イマージョンで学ぶ【前置詞 to・for・from】12の顔

ここからは、動画のセリフを使いながら、前置詞 to・for・from が持つ12の顔を1つずつ見ていきましょう。
前半4つがto=矢印が届く、続く4つがfor=矢印が向いている、次の3つがfrom=矢印の根元、最後の1つが旅行を1文でまとめた目玉です。
今回は12枚すべてが、動画に実際に出てくる例文です。
① to=矢印が届く
- went to + 場所 ― 矢印が目的地に「届く」
- that we went to ― 目的地が前に出ても to は残る
- open it to ~ ― ページをめくって「その日」に行き着く
- got ourselves to ~ ― 自分たちの力で「たどり着いた」
② for=矢印が向いている
- for + 人 ― 矢印が「受け取る人」を向いている
- for + 値段 ― お金と品物が「向き合う」
- be known for ~ ― 有名になった「理由」を指す
- for me ― 「私にとって」という物差し
③ from=矢印の根元
- get back from ~ ― 矢印の「根元」=出発点
- got ~ from + 場所 ― モノがやってきた「出どころ」
- from + -ing ― 出来事そのものを「起点」にする
④ 旅行を1文で
- went to ~ for a day ― 到着・ぐるり・期間を1文で
以下のカードをタップすると、それぞれの視点を実際の例文つきで詳しく確認できます。
カードをタップすると詳しい説明が開きます
to は矢印の先が届く(到達)、for は矢印が向いている(まだ届いていない)、from は矢印の根元(起点)。
お土産の話は、この3本の矢印でできています。パリから帰ってきて(from)、お父さんに向けて買ったものを見せ(for)、手渡すときには to に変わる。
大事なのは、to と for の違いは「届いたかどうか」だということ。This one’s for my dad. と I gave it to my dad. が、同じお土産で言い分けられます。12枚すべてが動画のセリフです。
to のコアイメージは「到達」です。矢印がぐっと伸びて、目的地にピタッと届いているところを思い浮かべてください。went to this store は「そのお店まで行って、着いた」という言い方です。
ポイントは、to は「向かった」だけでなく「着いた」まで含むことです。向かっている途中だけを言いたいなら toward(〜の方へ)を使います。went to Muji と言えば、無印のお店にちゃんと入って、ペンを買えたところまで伝わります。
同じ文の最後の in Paris は、前回の記事で見た「入れ物の中」の in です。to は移動の終点、in はそのお店がある入れ物。1文の中で、前置詞が別々の仕事をしています。
- 行き先:go to Muji/went to Paris(カード⑫)
- 渡す相手:give it to my dad/send it to you
- 行き着く状態・ページ:opened it to the day(カード③)
- 範囲の終点:from Monday to Friday/from 9 to 5
※ ルール中の一般例には、この動画に登場しない参考例も含まれます。
また、home・there・here には to を付けません(go home/go there)。この3つは、それ自体に「〜へ」の意味が入っている副詞だからです。
- Here in Paris, go to Muji and get these pens.(2:34)
- We went to Paris, we went all around Paris…(0:16/カード⑫)
文の最後に to がぽつんと残っています。もとの形は we went to a fashion museum(ファッション美術館に行った)。この a fashion museum を前に出して、「私たちが行った美術館」という名詞のカタマリにしたのがこの文です。
目的地が前に移動しても、矢印の to はその場に残ります。to を落として a fashion museum that we went とすると、「どこに届いたのか」を示す矢印が消えてしまうからです。日本語の「行った美術館」には「に」が要らないので、ここは日本人がよく落とすところです。
この動画にはこの形がもう1つあります。…flower shop thing that Queen Elizabeth loved going to(9:37)。エリザベス女王が通うのが好きだったお花屋さん。やはり最後に to が残っています。会話ではこのように、前置詞を文の最後に置いたまま言い切るのがふつうです。
the museum that we went to/the shop she loved going to。ただし where を使うなら to は不要です(the museum where we went)。
- …this like greenhouse, flower shop thing um that Queen Elizabeth loved going to.(9:33〜9:37)
- We just found it one day and so we went to it that day.(8:05/it=その美術館)
to の到達は、場所への移動だけではありません。ここでは日記(journal)を開いて、ページをめくっていった結果、「その日」のページに行き着いたことを to で言っています。
open it だけなら「日記を開いた」。そこに to the day を足すと、開いた結果どこに着いたかまで言えます。教室で先生が言う Turn to page 25.(25ページを開いて)も同じ to です。
お店の名前を思い出せなくて、日記をめくりながら話している場面なので、途中に um(えーと)が入っています。前置詞のすぐ後で言いよどんでも、to の矢印は「その日」まで届いているのが分かります。
open it to the day/turn to page 25/change from A to B。移動の「終点」なら、場所でもページでも状態でも to です。
- Please turn to page 25.(※動画には登場しない参考例)
- The light changed from red to green.(※動画には登場しない参考例)
動画の終わり近く、話し手がいちばん気持ちを込めて言う一言です。友だちと2人で、親も家族もなしで行った初めての旅行でした(10:33)。
get 人 to 場所 は「人を〜まで連れて行く・たどり着かせる」。その「人」が ourselves(自分たち自身)になっているので、「自分で自分をロンドンまで運んだ」という言い方になります。
ふつうに言うなら we went to London で十分です。でも got ourselves to と言うと、チケットを取って、飛行機に乗って、地下鉄を乗り継いで、なんとか「到達した」という達成感が出ます。to の「届いた」というコアが、そのまま気持ちになっている1文です。
get は「ある状態・場所に持っていく」動詞なので、to と組むと苦労して着いた感じが出ます。How do I get to the station?(駅にはどう行けばいい?)も同じ get to です。
- Like, we went by ourselves.(10:37/by ourselves=自分たちだけで)
- How do I get to the station?(※動画には登場しない参考例)
for のコアイメージは「向いている」です。to と同じ矢印ですが、for の矢印は相手のほうを向いているだけで、まだ届いていません。
お土産はまだ渡していません。「これはお父さんに向けたもの」という、受け取る予定の人を指しているので for です。実際にお父さんに手渡すときは I gave it to my dad。渡した瞬間に矢印が届くので、to に変わるのです。
この動画はお土産紹介なので、この形がくり返し出てきます。that one’s for my mom/this one’s for my friend/this one’s for me(4:03〜4:06)。3連続の for。しかも最後は for me(自分の分)。自分へのお土産も、ちゃんと矢印の向き先として言えます。
I gave it to my dad.(渡した=届いた)/This one’s for my dad.(お父さんの分=向いている)。プレゼントを選んでいる段階の話は、ほぼ for です。
- So that one’s for my mom and then this one’s for my friend. And then this one’s for me.(4:03〜4:06)
- I need to remember who’s for what.(5:12/どれが誰の分か)
ポストカードを10枚まとめて4ユーロくらいで買った、という場面です。for + 値段 は「〜の値段で」。
なぜ for なのか。10枚のポストカードと4ユーロが、矢印で向き合っていると考えてみてください。こちらが4ユーロを差し出すと、向こうから10枚がやってくる。for の「向いている」が、「引き換えに」という意味に広がったのです。
like と or something がはさまっているのも、生の英語らしいところです。like は「〜くらい」、or something は「〜とか」。値段をはっきり覚えていないときに、ぼかして言う便利なセットです。
buy it for €4/pay for dinner/Thank you for ~(してくれたことへのお返しのお礼)。at を使う at a low price は「〜という価格帯で」で、値段を点として見る言い方です。
- I got this tote bag for 20 euros.(※動画には登場しない参考例)
- Thank you for watching.(11:08/見てくれたことへのお礼)
be known for ~ は「〜で知られている」。無印のペンを「冗談抜きで今まで使った中で最高」と絶賛したあとの一言です。
ここでの for は理由です。「なぜ有名なのか」と聞かれたら、矢印はこのペンのほうを向く。理由のほうに矢印を向けて「これのせいで・これのおかげで」と指し示すのが、for の理由の使い方です。
kind of(けっこう、まあ)が is known と for のあいだにはさまっているのは、話し言葉ならでは。書き言葉なら The store is kind of known for these pens. の順にするところです。動画の最後の Thank you London for being awesome(11:01)も、お礼の理由を for で指している同じ形です。
be known for ~(〜で有名)/Thank you for ~(〜をありがとう)/famous for ~。be known as ~ は「〜として」知られている(肩書き)なので区別しましょう。
- Thank you Paris. Thank you London for being awesome, good cities.(11:01)
- Kyoto is known for its old temples.(※動画には登場しない参考例)
for me は「私にとって」。なぜお土産をたくさん買ったのか、を説明している場面です。親なしで行った初めての旅行だったので、「私にとっては大きな旅」だったのです。
ここでの for は、「その評価が誰に向けたものか」を示しています。世間一般にとってパリ旅行が大きいかどうかは関係ありません。矢印を自分に向けて、「私の物差しで測ると」と言っているのです。
動画には、同じ発想の for がもう1つあります。they’re just pretty cute for their shelves or their desk(2:22)。「棚や机に置くのにかわいい」。何に向けて見るとかわいいのかを for で指しています。
It’s easy for me.(私には簡単)/too big for me(私には大きすぎる)。It seems to me ~(私には〜に思える)の to は「私の心に届いた印象」で、for とは別の使い方です。
- And they’re just pretty cute for their shelves or their desk or whatever.(2:22)
- …we were on the lookout for buying stuff just cuz it was like a big trip for me.(4:31〜4:34)
from のコアイメージは「起点」です。to が矢印の先っぽなら、from は矢印の根元。どこから矢印が出てきたのかを指します。
get back from ~ は「〜から戻ってくる」。パリを根元にして矢印が伸び、いまは家にいる。動画の第一声が、そのまま from の絵になっています。
literally yesterday(ほんとに昨日)と付け足しているのもポイントです。literally は「文字どおり」ですが、会話では「ほんとに」と強調するためによく使われます。「昨日帰ってきたばかりで、まだ時差ボケ」という話が、動画の最後(10:26)にもう一度出てきます。
get back from Paris/come from Japan(出身)/a letter from my mom(差出人)。終点も言いたいときは from A to B のセットにします。
- That is everything I got from Paris and London.(10:18)
- I came back from Paris to Toronto.(※動画には登場しない参考例)
旅先でピンバッジを集めている、という話の中の一言です。from Paris は「パリで買った」「パリ生まれの」。そのモノがどこからやってきたかという出どころを from で言っています。
日本語なら「パリで買った」と「で」を使うところです。でも英語は、いま手元にあるピンバッジから矢印をさかのぼって、根元にパリがあるという見方をします。だから in Paris ではなく from Paris。
この「出どころの from」は、be from の形になるとさらによく使います。It’s from Westminster Abbey.(0:55)、obviously it’s from Paris(10:11)。I’m from Japan.(出身)と同じ形です。人もモノも、「どこから来たか」はすべて from で言えます。
a pin from Paris(パリのピン)/It’s from Westminster Abbey.(ウェストミンスター寺院で買ったもの)。買った場所の中の様子を言うなら in(I got it in Paris. も動画に出てきます・10:16)。
- And then from London, um, I got this one, which is a little double-deckered red bus. It’s from Westminster Abbey.(0:51〜0:55)
- This pen like obviously it’s from Paris.(10:11)
- …and it’s like thanks I got it in Paris.(10:16/買った場所の in)
旅の思い出として取っておいた搭乗券(boarding passes)を見せている場面です。この from の後ろには、場所ではなく going there(そこに行くこと)が来ています。
前置詞の後ろには名詞が来るので、動詞を置きたいときは -ing にします。from going there は「そこへ行ったときの」。「行く」という出来事を根元にして、そこから生まれた搭乗券という見方です。
もう1つ注目したいのが going there です。「パリに行く」なら going to Paris ですが、there(そこへ)には to を付けません。there の中に、すでに「〜へ」の矢印が入っているからです。going to there とは言いません。
from going there/for being awesome(カード⑦)/for buying stuff(カード⑧)。there・home・here には to を付けないことも一緒に覚えておきましょう。
- …like the different maps from different museums.(8:28)
- And then these are like different style than those ones, but these are from some of the museum.(6:52〜6:54)
この記事の目玉です。旅行の全体を、話し手はたった1文でまとめています。そこに3種類の矢印が入っています。
まず went to Paris。矢印がパリに届いた(to=到達)。次に went all around Paris。着いたあとは、パリの周りをぐるりと回った(around=周り)。そして went to London for a day。ロンドンに届いて(to)、1日という長さに向けて滞在した(for)。
期間の for も、コアは「向いている」です。「1日」という長さのほうを矢印が向いていて、その長さいっぱいに何かが続く。動画の後半でも I could talk about it for a while(10:24・しばらく話していられる)と出てきます。to で着いて、for でその長さだけ過ごす。旅の話は、この2つでほとんど言えてしまいます。
- for + 長さ:for a day/for a while(10:24)/for the entire trip(11:16)
- during + 出来事:during the trip(旅行のあいだに)
- from A to B:from Monday to Friday(始まりと終わりをセットで)
※ ルール中の一般例には、この動画に登場しない参考例も含まれます。
went to London for a day=ロンドンに(to)1日だけ(for)。for は数字や長さ、during は出来事の名前と組みます。
- I could talk about it for a while.(10:24)
- It like destroyed my phone storage for the entire trip.(11:13〜11:16)
一人プレゼンを実施してみる

まずは何も見ずに例文を自分で作って説明してみて、
うまく言えなかった項目だけ解説例を確認する、
という使い方がおすすめです。
12問あるので、1日に全部やろうとしなくて構いません。
説明するときは、必ず「届く・向いている・根元」のどれかを最初に言ってから理由を話してみてください。
図解の右側の矢印が、そのままヒントになっています。
まずは to=矢印が届く の4問です。
① went to + 場所、説明できますか?

例文:
Then we went to this store called Muji in Paris.
それから、パリにある無印良品というお店に行きました。
要点:
- to のコアは「到達」。矢印が目的地に届いている
- went to は「向かった」だけでなく「着いた」まで含む
- in Paris は入れ物の in。to は移動の終点
解説例:
to のコアイメージは「到達」です。
矢印がぐっと伸びて、目的地にピタッと届いているところを思い浮かべてください。
went to this store は、そのお店まで行って、ちゃんと着いた、という言い方なんです。
to は「向かった」だけでなく「着いた」まで含んでいるのがポイントです。
向かっている途中だけなら toward を使います。
文の最後の in Paris は入れ物の in なので、to が移動の終点、in がお店のある場所と、2つの前置詞が別の仕事をしています。
② that we went to、説明できますか?

例文:
I think this was a fashion museum that we went to.
これは、私たちが行ったファッション美術館のだと思います。
要点:
- もとの形は we went to a fashion museum
- 目的地を前に出しても、矢印の to は最後に残る
- 日本語の「行った美術館」には「に」がないので落としやすい
解説例:
文の最後に to がぽつんと残っている文です。
もとの形は we went to a fashion museum、ファッション美術館に行った、です。
この a fashion museum を前に出して、「私たちが行った美術館」というカタマリにしています。
目的地が前に移っても、到達の矢印である to はその場に残ります。
to を落とすと、どこに届いたのかを示す矢印が消えてしまうからです。
日本語の「行った美術館」には「に」が要らないので、ここは特に落としやすいところですね。
③ open it to ~、説明できますか?

例文:
I had to find my journal and then I opened it to um the day that I’m talking about.
日記を探して、いま話しているその日のページを開いたんです。
要点:
- to の到達は場所だけではない。ページ・状態にも使える
- open it to the day=開いた結果、その日のページに着いた
- Turn to page 25. も同じ to
解説例:
to の到達は、場所への移動だけではありません。
ここでは日記を開いてページをめくっていった結果、その日のページに行き着いたことを to で言っています。
open it だけなら「開いた」ですが、to the day を足すと、開いた結果どこに着いたかまで言えるんです。
教室の Turn to page 25. も同じ to ですね。
途中に um が入っていますが、前置詞のすぐ後で言いよどんでも、矢印はちゃんとその日まで届いています。
④ got ourselves to ~、説明できますか?

例文:
We got ourselves to London. We got ourselves to Paris.
自分たちだけでロンドンまで行けた。パリまで行けたんです。
要点:
- get 人 to 場所=人を〜までたどり着かせる
- 人が ourselves なので「自分で自分を運んだ」
- went to よりも「なんとか到達した」達成感が出る
解説例:
動画の終わり近くで、話し手がいちばん気持ちを込めて言う一言です。
親なしで友だちと行った、初めての旅行でした。
get 人 to 場所は、人を〜までたどり着かせる、という言い方です。
その人が ourselves なので、自分で自分をロンドンまで運んだ、という意味になります。
went to London でも通じますが、got ourselves to と言うと、なんとか自力で到達したという達成感が出るんです。
to の「届いた」というコアが、そのまま気持ちになっていますね。
次は for=矢印が向いている の4問です。
①〜④の to と比べて、届いているかどうかを意識して説明してみてください。
⑤ for + 人、説明できますか?

例文:
This one’s for my dad.
これはお父さんの分です。
要点:
- for のコアは「向いている」。矢印はまだ届いていない
- お土産はまだ渡していない → 受け取る予定の人に for
- 手渡した瞬間は to(I gave it to my dad)
解説例:
for のコアイメージは「向いている」です。
to と同じ矢印ですが、for の矢印は相手のほうを向いているだけで、まだ届いていません。
お土産はまだ渡していないので、「お父さんに向けたもの」と、受け取る予定の人を for で指しています。
実際に手渡したら I gave it to my dad。
渡した瞬間に矢印が届くので、to に変わるんです。
動画では for my mom、for my friend、for me と、この形が何度も出てきます。
⑥ for + 値段、説明できますか?

例文:
I bought like 10 for €4 or something.
10枚で4ユーロくらいで買ったんです。
要点:
- for + 値段=その値段と引き換えに
- 品物とお金が矢印で向き合っている
- like ~ or something で値段をぼかせる
解説例:
ポストカードを10枚まとめて4ユーロくらいで買った、という場面です。
for + 値段で「〜の値段で」という意味になります。
10枚のポストカードと4ユーロが、矢印で向き合っていると考えてみてください。
4ユーロを差し出すと、向こうから10枚がやってくる。
for の「向いている」が、「引き換えに」という意味に広がったんです。
like と or something は、値段をはっきり覚えていないときにぼかして言う便利なセットです。
⑦ be known for ~、説明できますか?

例文:
The store is known kind of for these pens.
そのお店は、このペンでけっこう有名なんです。
要点:
- be known for ~=〜で知られている
- for が有名になった「理由」を指している
- Thank you London for being awesome も理由の for
解説例:
be known for は「〜で知られている」という意味です。
ここでの for は理由で、「なぜ有名なのか」と聞かれたら、矢印はこのペンのほうを向きます。
理由のほうに矢印を向けて、これのおかげで、と指し示すのが for の使い方なんです。
動画の最後の Thank you London for being awesome も、お礼の理由を for で指している同じ形です。
kind of が間にはさまっているのは、話し言葉ならではですね。
⑧ for me、説明できますか?

例文:
It was like a big trip for me.
私にとっては、大きな旅だったから。
要点:
- for me=私にとって。評価の物差しを示す
- 親なしの初旅行だったから「私にとっては大きい」
- cute for their shelves も「何に向けて見ると」の for
解説例:
for me は「私にとって」という意味です。
親なしで行った初めての旅行だったので、私にとっては大きな旅だった、と言っています。
ここでの for は、その評価が誰に向けたものかを示しています。
世間一般にとってどうかは関係なく、矢印を自分に向けて、私の物差しで測るとと言っているんですね。
動画では pretty cute for their shelves という言い方も出てきて、何に向けて見るとかわいいのかを for で指しています。
続いて from=矢印の根元 の3問です。
⑨ get back from ~、説明できますか?

例文:
I just got back from Paris literally yesterday.
パリから帰ってきたばかりなんです、ほんとに昨日。
要点:
- from のコアは「起点」。矢印の根元
- get back from Paris=パリを出発点にして戻ってきた
- 終点も言うなら from A to B
解説例:
from のコアイメージは「起点」です。
to が矢印の先っぽなら、from は矢印の根元です。
get back from Paris は、パリを根元にして矢印が伸びて、いまは家にいる、という絵になります。
動画の第一声が、そのまま from の絵になっているんですね。
literally yesterday の literally は、会話では「ほんとに」と強調するためによく使われます。
⑩ got ~ from + 場所、説明できますか?

例文:
So, I got one from Paris.
パリのピンバッジを1つ買いました。
要点:
- from Paris=そのモノの出どころ
- 手元のモノから矢印をさかのぼると、根元にパリ
- be from(It’s from ~/I’m from ~)も同じ出どころ
解説例:
旅先でピンバッジを集めている、という話の中の一言です。
from Paris は、そのモノがどこからやってきたか、という出どころを言っています。
日本語なら「パリで買った」ですが、英語は手元のピンから矢印をさかのぼって、根元にパリがあると見るんです。
It’s from Westminster Abbey や I’m from Japan も、同じ出どころの from です。
ただ、動画には I got it in Paris という言い方も出てくるので、買った場所として言うなら in も使えます。
⑪ from + -ing、説明できますか?

例文:
These are just my boarding passes from going there and then coming home
これは行きと帰りの飛行機の搭乗券です。
要点:
- 前置詞の後ろに動詞を置くなら -ing
- from going there=行くという出来事を起点にした
- there には to を付けない(going there)
解説例:
旅の思い出に取っておいた搭乗券を見せている場面です。
この from の後ろには、場所ではなく going there、そこに行くこと、が来ています。
前置詞の後ろに動詞を置きたいときは -ing にするのがルールです。
行くという出来事を根元にして、そこから生まれた搭乗券、という見方ですね。
それから、going there には to が付いていません。there の中に、すでに「〜へ」の矢印が入っているからです。
最後は、この記事の目玉です。
旅行の全体をまとめた1文に入っている3種類の矢印を説明してみてください。
⑫ went to ~ for a day、説明できますか?

例文:
We went to Paris, we went all around Paris, and then we also went to London for a day.
パリに行って、パリじゅうを回って、それから1日だけロンドンにも行きました。
要点:
- went to Paris=矢印がパリに届いた(to)
- went all around Paris=着いたあと周りを回った(around)
- went to London for a day=着いて(to)、1日の長さだけ(for)
解説例:
この記事の目玉です。
話し手は旅行の全体を、たった1文でまとめています。
まず went to Paris で、矢印がパリに届きます。
次の went all around Paris で、着いたあとパリの周りをぐるりと回ります。
最後の went to London for a day は、ロンドンに届いて、1日という長さに向けて滞在した、という意味です。
to で着いて、for でその長さだけ過ごす。旅の話は、この2つでほとんど言えてしまうんです。
一人で言えた例文は、相手がいると急に出てこなくなります。
文法が身につくのは、通じた/通じなかったを自分の耳で確かめた瞬間です。
とくに to と for は、1語なので間違えても会話が止まらず、誰も指摘してくれないのがやっかいなところです。
まずは量をこなせる環境で、自分の旅行やお土産の話を、今日の12文を借りて話してみてください。
今日の表現をAnkiで復習しよう

記事に出てきた動画の表現を、そのままAnkiに取り込めるようにまとめました。
今回は新しい動画なので、12表現すべて新規です。
テーマは「旅行とお土産を英語で話すための12表現」です。
get back from ~(〜から戻る)から figure it out(なんとかなる)まで、動画の順番どおりに並べてあります。
今回のテーマに引きつけて1つ挙げるなら、who’s for what(どれが誰の分か)です。
お土産を配る前に「どれが誰の分だっけ」と言うときの、for の「向いている」そのものの表現で、ポストカードの場面(5:12)に出てきます。
知らなかった表現を追加・編集して、自分専用のカードを作ってみてください。
知らなかった表現を追加・編集して、そのままAnkiに取り込めます。
| 表現 | 発音記号 | 意味 | 動画の例文 | シンプル例文 |
|---|
- PC・Android(AnkiDroid含む):「💻 PC・Android用」ボタンで
anki_import.txtをダウンロードし、Ankiのファイル → インポートから取り込む(区切り文字はTabを選択) - iPhone(AnkiMobile):「📱 iPhone用」ボタンで
anki_import.apkgをダウンロードし、AirDropやFilesアプリでiPhoneに送って、AnkiMobileの設定(歯車) → Import File から開く
まとめ:前置詞 to・for・from の12の顔を再確認しよう

さて、今回は「前置詞 to・for・from は、1本の矢印の3つの部分」というテーマで、12の顔を見てきました。
- went to + 場所 ― 向かっただけでなく、着いたところまで
- that we went to ― 目的地が前に出ても to は最後に残す
- open it to ~ ― ページや状態にも「行き着く」
- got ourselves to ~ ― 自力でたどり着いた達成感
- for + 人 ― まだ渡していない受け取り手。渡したら to
- for + 値段 ― お金と品物が向き合って引き換え
- be known for ~ ― 理由のほうを矢印が指す
- for me ― 私にとって、という物差し
- get back from ~ ― 出発点から戻ってくる
- got ~ from + 場所 ― モノの出どころ。I’m from ~ と同じ
- from + -ing ― 前置詞の後ろの動詞は -ing。there に to は付けない
- went to ~ for a day ― to で着いて、for でその長さだけ過ごす
12と聞くと多く感じますが、使っている絵は1本の矢印だけです。
届いたなら to、向いているだけなら for、根元なら from。
そしてこの矢印は、場所にも人にもお金にも理由にも、同じように使えます。
今日の12のうち、まずおすすめしたいのは⑤の This one’s for my dad. です。
誰かにプレゼントやお土産を買ったら、渡す前に This one’s for ~. 、渡すときに I gave it to ~. と、心の中で言い分けてみてください。to と for の違いが「訳」から「矢印の感覚」に変わるからです。
もし今日の内容で「なるほど」と思った部分があれば、ぜひコメントで教えてください。
次回は、前置詞の of・with・by を扱う予定です。
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