英語イマージョン学習|Youtubeで英文法#24【前置詞 under・over・through・about】
- イマージョンで前置詞 under・over・through・about を理解する
- イマージョン学習で英文法を学ぶ前の確認事項
- 前置詞 under・over・through・about とは何か ― 4枚の位置の絵
- イマージョンで学ぶ【前置詞 under・over・through・about】12の顔
- 一人プレゼンを実施してみる
- ① right under ~、説明できますか?
- ② go under、説明できますか?
- ③ dug under ~、説明できますか?
- ④ over at ~、説明できますか?
- ⑤ look over to ~、説明できますか?
- ⑥ look back over、説明できますか?
- ⑦ come through、説明できますか?
- ⑧ go through ~、説明できますか?
- ⑨ all the way through to ~、説明できますか?
- ⑩ tell you about ~、説明できますか?
- ⑪ just around the corner、説明できますか?
- ⑫ right underneath / 15 meters under、説明できますか?
- 今日の表現をAnkiで復習しよう
- まとめ:前置詞 under・over・through・about の12の顔を再確認しよう
- さらに英語学習を進めたい方へ
イマージョンで前置詞 under・over・through・about を理解する

It’s the Cutty Sark over at Greenwich.
…but it goes right under this, the River Thames.
「向こうのグリニッジにある、カティーサーク号です」「…でもそれは、テムズ川の真下を通っているんです」
ロンドンの案内人が、動画の最初の8秒で言ったセリフです。
8秒のあいだに over と under が1回ずつ。
しかも over は日本語に訳すと消えてしまい、under は「下」と訳すしかありません。
学校では「over は〜の上、under は〜の下」と、対になる訳だけを覚えました。
でもその訳では、なぜ「向こうのグリニッジ」に over が付くのかを説明できません。
僕自身、TOEIC300点からのスタートでした。
オンライン英会話を7年続けて910点まで来ましたが、
under・over・through は長いあいだ「上・下・通って」の訳で済ませていました。
でも生の英語を聞くようになって、はっきり分かったことがあります。
under・over・through・about は、訳ではなく、それぞれ1枚の「位置の絵」で覚える前置詞だということです。
under は覆われる、over はまたぐ、through は抜ける、about は囲む。4枚の絵で選ぶ
読み終えるころには、under・over・through・about を「日本語訳」ではなく「どこを通っているか」で選べるようになっているはずです。
下に覆われているのか、上をまたいでいるのか、中を抜けているのか、周りを回っているのか。その1点を考えるだけで選べる、というイメージです。
イマージョン学習で英文法を学ぶ前の確認事項

動画紹介
今回教材にするのは、London Visited の「Come With Us & Walk 15 Metres Under the Thames – The Greenwich Foot Tunnel!」という動画です。
ロンドン東部のグリニッジから、テムズ川の川底15メートルを通る歩行者用トンネルを歩いて、
北岸のアイランド・ガーデンズに抜けるまでを、案内人が実況する約8分の映像です。
1902年に造られたトンネル、壊れたままのエレベーター、次々と抜けていく自転車、第二次世界大戦の爆撃で狭くなった区間。
英語の先生でも YouTube の英語講師でもなく、自分の街を自分の言葉で案内している人の英語です。
今回この動画を選んだのには理由があります。
under・over・through を扱う動画は、英語の先生が「under はこう使う」と説明するレッスン動画がほとんどです。
でもそれでは、日本語訳の一覧を英語で聞き直すだけになってしまいます。
under・over・through がいちばん自然に、いちばん密に出てくるのは、川や橋やトンネルを実際に通っている場面です。
実際この動画には、8分足らずで under が5回、over が5回、through が6回出てきます。
しかもこの動画は、自動生成ではない手動の英語字幕が付いているので、聞き取りの答え合わせにも使いやすいです。
今回も、いろいろな人の英語に触れられるように、別々の投稿者15本の字幕を数えて比べ、この1本に決めました。
12枚のカードすべてを、動画に実際に出てくるセリフで組めました。
▼ 動画はこちら
時間がない方は、0:00〜0:13(冒頭の over と under)と3:06〜3:15(川底15メートルの場面)の2か所だけでも見てみてください。
学習の進め方
文法の知識を実際に使いこなすには、
その言葉が使われる場面や気持ちごと覚えるのが近道です。
だからこそ今回は、動画の生きたセリフを教材にして、「前置詞 under・over・through・about」の視点を見ていきます。
読み方は、目的に合わせて選んでみてください。
英語を楽しみながら勉強したい方は、このまま記事を読み進めてください。
動画のセリフをたどりながら、
「前置詞 under・over・through・about」の感覚を少しずつ自分のものにしていけます。
逆に、効率的に英文法だけを押さえたい方は、要点だけをまとめた別記事へどうぞ。
前置詞 under・over・through・about とは何か ― 4枚の位置の絵

ここまでの前置詞は、at・in・on が「位置」、to・for・from が「方向」、of・with・by が「近さ」でした。
今回の under・over・through・about は、ある基準のものに対して「どこを通るか」の前置詞です。
基準になるものを1つ決めて、そのどこにいるかを考えます。
基準の下にいて、上から覆われているなら under。
基準の上を、弧を描いてまたいでいくなら over。
基準の中に入って、反対側へ抜けるなら through。
基準の周りを、ぐるっと回るなら about(形のある周りなら around)。
今回の動画では、この基準がほとんどテムズ川です。
川の下のトンネルは under、川の上を越える視線は over、トンネルの中を行く自転車は through。
川は1本なのに、どこを通るかで前置詞が入れ替わる。それが今回の芯です。
- under=上から覆われる:right under the Thames/15 meters under the base
- over=上を弧でまたぐ:over at Greenwich/look over to the other side
- through=中を突き抜ける:coming through/go through the tunnel
- about / around=周りをぐるっと:tell you about why ~/just around the corner
このシリーズでは、ここまで23回に分けて、名詞のまわりと修飾、助動詞、そして前置詞を整理してきました。
- 限定詞編・代名詞編・形容詞編・副詞編:名詞の前につく語、代わりになる語、説明する語
- 比較編・否定編:目盛りを使う/打ち消す範囲を指し示す
- 助動詞編(can・may・will・must・would・could・have+過去分詞):動詞に話し手の気持ちをかぶせる
- 前置詞 at・in・on 編:位置を、点・入れ物・接触の3枚の絵で表す
- 前置詞 to・for・from 編:方向を、1本の矢印の3つの部分で表す
- 前置詞 of・with・by 編:近さを、3段階の距離で表す
- 前置詞 under・over・through・about 編(この記事):基準のどこを通るかを、4枚の絵で表す
前置詞のパートは、この記事で完結です。
前回の of・with・by 編をまだ読んでいない方は、こちらからどうぞ。
イマージョンで学ぶ【前置詞 under・over・through・about】12の顔

ここからは、動画のセリフを使いながら、前置詞 under・over・through・about が持つ12の顔を1つずつ見ていきましょう。
最初の3つがunder=上から覆われる、次の3つがover=上を弧でまたぐ、続く3つがthrough=中を突き抜ける、2つがabout / around=周りをぐるっと、最後の1つが川底15メートルで言い直す目玉です。
今回も12枚すべてが、動画に実際に出てくる例文です。
① under=上から覆われる
- right under ~ ― 上から覆われている「真下」
- go under ― 後ろの名詞が消えても under
- dug under ~ ― 広い地面にかぶさられた「地下」
② over=上を弧でまたぐ
- over at ~ ― 何かをまたいだ「向こう」
- look over to ~ ― 視線が川をまたいで向こう岸へ
- look back over ― 来た道を「越えて」振り返る
③ through=中を突き抜ける
- come through ― 入口から出口まで「抜けてくる」
- go through ~ ― トンネルを「くぐり抜けて」次へ
- all the way through to ~ ― 途中を全部通って「〜まで」
④ about / around=周りをぐるっと
- tell you about ~ ― 話題の「まわり」をぐるっと話す
- just around the corner ― 角をぐるっと回った「すぐ先」
⑤ 川底15メートルで言い直す
- right underneath / 15 meters under ― 同じ場所を underneath と under で2回言う
以下のカードをタップすると、それぞれの視点を実際の例文つきで詳しく確認できます。
カードをタップすると詳しい説明が開きます
under は上から覆われる、over は上を弧でまたぐ、through は中を突き抜ける、about は周りをぐるっと囲む。
テムズ川の川底トンネルを歩く8分の散歩が、この4枚の絵だけで語れます。川の向こう岸を見て(over)、川の下にもぐり(under)、トンネルを抜けて(through)、角を回った先の駅へ(around)。
大事なのは、同じ川でも、どこを通るかで前置詞が入れ替わるということ。12枚すべてが動画のセリフです。
under のコアイメージは「上から覆われている」です。上に何かがかぶさっていて、その影の中に入っている位置が under です。
この文では、トンネルがテムズ川という大きな水のかたまりに、上からすっぽり覆われています。日本語だと「〜の下」の一言ですが、英語の under には「上にあるもので隠れている」感じが入っています。
前に付いた right は「ちょうど・まさに」。right under で「真下」になります。この動画では right under the Thames(0:58)、right underneath the Thames(3:06)と、案内人が何度も right を付けています。「本当にこの真下なんですよ」と驚きを押し出しているわけです。
- right under the Thames(0:58)= 真下
- right underneath the Thames(3:06)= まさに真下
- right by the north bank of the Thames(6:31)= すぐそば
- right in front of you/right behind you = 目の前/真後ろ
※ ルール中の最後の例は、この動画に登場しない参考例です。
川・橋・テーブル・木など、上に覆うものがあれば under。the cat under the table(テーブルの下の猫)も、上に天板がかぶさっているから under です。
- …that is the roof that the foot tunnels takes, right under the Thames.(0:55〜0:58)
- And at this point, we are right underneath the Thames.(3:06)
この under の後ろには、名詞がありません。under the river とも under the Thames とも言わず、under だけで文が終わっています。
これは、何の下なのかが目の前の景色で分かりきっているからです。カメラには川が映っていて、「この川の下に行く」のは見れば分かる。だから the Thames を省いて、under だけを残したわけです。このように後ろの名詞を省いた前置詞は、副詞として働きます。
go under は「下に行く」、つまり「くぐる・もぐる」。このあとのカード⑥の look back over、カード⑦の coming through も同じ形です。前置詞は、後ろが分かりきっていれば1語で立てると覚えておくと、会話の聞き取りがぐっと楽になります。
going under(何の下?→川の)、coming through(何を?→トンネルを)。補える名詞が見つかれば、それは副詞になった前置詞です。
- And there you go, there’s a bike coming through.(1:25)
- Not many come and stand at the north bank, look back over…(7:01〜7:02)
今度の under の後ろは「ロンドン」という街全体です。川1本ではなく、広い街がまるごと上にかぶさっていて、その下一帯にトンネルが広がっています。日本語なら「ロンドンの地下」。「地下」を1語で言いたいとき、英語は under + 地名で済ませてしまいます。
よく比べられるのが below です。below は「高さの目盛りで下」、under は「真上に覆うものがある」。気温が below zero(0度より下)なのは目盛りの話なので below。トンネルが街に覆われているのは under です。
under は、この「覆われている」感じのまま、目に見えないものにも広がります。under construction(工事という覆いの下=工事中)、under pressure(圧力の下)、under 18(18という天井の下=18歳未満)。どれも上から何かがかぶさっている絵です。
- 場所:under London(3:54)/under the base of the Thames(3:08)
- 状態:under construction(工事中)/under repair(修理中)
- 力・影響:under pressure(プレッシャーを受けて)
- 数の天井:under 18(18歳未満)/under £10(10ポンド未満)
※ ルール中の「状態」「力・影響」「数の天井」は、この動画に登場しない参考例です。
The sun went below the horizon.(地平線という目盛りより下)と tunnels under London(ロンドンに覆われた地下)を並べると、違いがつかめます。
- The first tunnel ever built underwater was here in London…(3:38)
- …all of those tunnels then turned into sort of tube train lines, et cetera, as well.(3:55〜3:57)
over のコアイメージは「上を弧を描いてまたぐ」です。虹のように、何かの上をアーチでまたいで向こうへ行く線が over です。
この文の over は、話し手の今いる場所から、何かをまたいだ「向こう」を指しています。at Greenwich だけでも意味は通じますが、over を入れると「あっちの、グリニッジにある」という距離感が出ます。over there(あそこに)の over と同じです。
日本語に訳すと over は消えてしまいます。でも英語の話し手は、自分と相手のあいだに「またぐ距離」があることを over で伝えている。電話で「今そっちに行くね」を I’ll come over. と言うのも、同じ弧の絵です。
over at ~/over there/come over/over here。どれも、話し手の位置からひとまたぎした先を指しています。
- …straight over at that building with the dome on the top…(0:51〜0:53)
- …if you look over to the other side of the Thames…(0:38)
ここでは、視線が over の弧を描きます。南岸に立って、川の上をまたぐように、向こう岸へ目を飛ばす。look over to ~ で「〜のほうへ目をやる」です。
面白いのは、同じテムズ川に、この動画では over と under の両方が使われていることです。視線は川の上をまたぐので over、トンネルは川に覆われるので under(カード①)。川は1本なのに、上を通るか下を通るかで前置詞が入れ替わるわけです。
また、6:40 には views across Greenwich(グリニッジ一帯を見渡す眺め)という言い方も出てきます。across は平らな面を端から端へ横切るイメージで、over のような高さのある弧はありません。川を「またいで」見るなら over、街を「横切るように」見渡すなら across です。
fly over the city(街の上空を飛ぶ)と walk across the street(道を渡る)。足が地面についているなら across、宙を越えるなら over です。
- …which as we turn round and look to the other side, gives spectacular views across Greenwich on the south bank.(6:35〜6:40)
- …straight over at that building with the dome on the top…(0:51〜0:53)
トンネルを抜けて北岸に出た案内人が、いま通ってきた川を越えて、南岸を振り返る場面です。back は「来たほうへ」、over は「川をまたいで」。2語で「川越しに振り返る」になります。
この over の後ろにも、名詞がありません。カード②の going under と同じで、何をまたぐのかは目の前の川で分かりきっているからです。動画の冒頭で look over to the other side(0:38)と南から北を見た視線が、最後に look back over で北から南へ戻ってきます。
つまりこの動画は、over で向こう岸を見て、under で川の下をくぐり、over でまた振り返るという1往復の構成になっています。前置詞の絵をたどるだけで、8分の散歩がまるごと頭の中で再生できるわけです。
look back over(またいで振り返る)、come back through(抜けて戻ってくる)、go back under(またくぐる)。back が向き、前置詞が道すじです。
- …and if you look over to the other side of the Thames…(0:38)
- And there, off in the distance, you can see the tunnel entrance we came in…(6:43〜6:44)
through のコアイメージは「中を突き抜ける」です。筒やトンネルのような空間にこちらの口から入って、向こうの口から出る。その中を通る線が through です。
under・over が川の「下」「上」を言うのに対して、through はトンネルの「中」を言います。同じトンネルでも、川から見れば under、トンネルから見れば through。どこを基準に見るかで前置詞が変わります。
ここでも through の後ろに名詞がありません(カード②と同じ副詞の形)。coming through は、人ごみで「すみません、通ります」と言うときの決まり文句でもあります。Excuse me, coming through! と言えば、人の間を抜けていく合図になります。
トンネル・森・ドア・窓・人ごみ。両側に口があって、中を通り抜けるときに through を使います。
- …and as you can see, lots and lots of cyclists coming through.(2:14〜2:15)
- …there are lots and lots of bikes coming through…(4:08)
今度の through は、後ろに the tunnel がはっきり付いた前置詞の形です。go through the tunnel で「トンネルを通り抜ける」。入って、中を進んで、出るまでの全部がこの1語に入っています。
ここで大事なのは、through は出口まで行き着くということです。go into the tunnel なら「トンネルに入る」だけで、まだ中にいます。go through なら、もう反対側に出ています。だからこの文は、抜けたそのあとに then race off(それから急いで去る)と続けられるわけです。
through は「中を最後まで通る」から、go through a hard time(つらい時期をくぐり抜ける)のように経験にも使います。トンネルの絵が、そのまま時間のトンネルに置き換わった形です。
walk into the forest(森に入る)と walk through the forest(森を抜ける)。反対側に出たかどうかで選びます。
- …those that wanna continue their journeys into the city… often use this tunnel as their walkway.(5:11〜5:16)
このトンネルは、ドーバーからスコットランドまでイギリスを縦断する自転車ルート「C1」の一部です。その道のりを、案内人は from ~ through to ~ で言っています。through to Scotland は「途中を全部通って、スコットランドまで」。to だけだと着く先しか言いませんが、through を入れると途中の全部を通ってきた長さが出ます。
all the way は「ずっと・はるばる」。all the way from Dover と all the way through to Scotland で、出発点と終点の両方に all the way を付けて、道の長さを強調しています。
そして真ん中の just coming over from the continent にも注目です。ドーバーに来る自転車は、ヨーロッパ大陸から海峡をまたいで渡ってきたばかり。come over は海の上を弧でまたいで来る絵で、カード④の over と同じです。1文の中に、海をまたぐ over と、国を縦に抜ける through が同居しているわけです。
アメリカ英語では Monday through Friday(月曜から金曜まで、金曜も含む)のように期間にも使います。(※動画には登場しない参考例)
- …taking you from the south side of the Thames, ‘cause we’re going from south to north at Greenwich…(4:10〜4:12)
- …and we’re going from the southbound side to the northbound side.(3:12〜3:15)
about のコアイメージは「周りをぐるっと囲む」です。中心に1つのテーマがあって、そのまわり一帯をぐるりと回るのが about です。
tell you about ~ は「〜について話す」。話題の中心そのものだけでなく、その周辺の事情もまとめて話す感じがあります。ここでは about の後ろに why this is so popular という文のかたまりが来ています。about の後ろは名詞だけでなく、why・how・what で始まるかたまりも置けます。
実はこの動画、about はこの1回だけです。トンネル散歩の実況なので、under・over・through のような「位置」の前置詞は何度も出るのに、「話題」の about はほとんど出てこない。逆に、雑談やインタビューの動画だと about が一番多くなります。前置詞の出方で、その動画が「場所の話」か「話題の話」かが分かるわけです。
a book about London(ロンドンにまつわる本)より、a book on London は専門的な印象になります。(※動画には登場しない参考例)
- The reason for that is, believe it or not, this tunnel is on the C1 route.(4:17〜4:20)
about の「周りをぐるっと」を、目に見える場所で言うのが around です。around the corner は、角をぐるっと回り込んだところ。つまり「角を曲がってすぐ」=すぐ近くです。
about と around は兄弟のような前置詞です。around は形のある周り(角・テーブル・街)、about は形のない周り(話題・事情)に使われやすい、と押さえておくと整理できます。about 50 people(50人くらい)の「くらい」も、50のまわりをぐるっとという同じ絵です。
イギリス英語では、around を round と短く言うこともよくあります。この動画でも、トンネル入口の案内で go round to the right and follow it round(1:20)、北岸に出たところで as we turn round(6:35)と言っています。
walk around the park(公園をぐるっと歩く)/talk about the park(公園について話す)。イギリス英語の round は around と同じ意味です。
- As you go into the entrance and if you go round to the right and follow it round…(1:19〜1:20)
- …which as we turn round and look to the other side…(6:35〜6:37)
この記事の目玉です。トンネルのちょうど真ん中で、案内人が同じ場所を2回続けて言い直しています。1回目は underneath、2回目は under。
underneath は under をさらに「覆われて隠れている」側に寄せた語です。1回目は right underneath the Thames で、「今、川に完全に覆われている」という実感を言っています。2回目は 15 meters under the base で、数字を前に置いて「どれだけ下か」を測っています。数字 + under は、15 meters under(15m下)、two minutes over(2分オーバー)のように、前置詞の前に距離を置ける形です。
そしてこの2文を、動画の最初と最後につなげてみてください。冒頭では over at Greenwich(向こうのグリニッジ)と right under this(この真下)、トンネルの中では coming through、北岸では look back over。テムズ川1本をめぐって、under・over・through が全部そろう。それが、この8分の動画を教材に選んだいちばんの理由です。
意味はほぼ同じですが、underneath のほうが「すっぽり隠れている」感じが強く、少し口語的です。迷ったら under で間違いにはなりません。
- The first tunnel ever built underwater was here in London…(3:38)
- The length of the tunnel itself is 370 meters.(3:32)
一人プレゼンを実施してみる

まずは何も見ずに例文を自分で作って説明してみて、
うまく言えなかった項目だけ解説例を確認する、
という使い方がおすすめです。
12問あるので、1日に全部やろうとしなくて構いません。
説明するときは、必ず「覆われる・またぐ・抜ける・囲む」のどれかを最初に言ってから理由を話してみてください。
図解の右側の絵が、そのままヒントになっています。
まずは under=上から覆われる の3問です。
① right under ~、説明できますか?

例文:
We’re looking at something equally as old but it goes right under this, the River Thames.
今日見るのは、同じくらい古いもの。でもそれは、この真下を通っているんです。テムズ川の。
要点:
- under のコアは「上から覆われている」
- トンネルがテムズ川にすっぽり覆われている
- right under で「真下」。right は「ちょうど・まさに」
解説例:
under のコアイメージは「上から覆われている」です。
上に何かがかぶさっていて、その影の中に入っている位置が under です。
この文では、トンネルがテムズ川という大きな水のかたまりに、上からすっぽり覆われています。
日本語だと「〜の下」の一言ですが、英語の under には「上にあるもので隠れている」感じが入っています。
前に付いた right は「ちょうど・まさに」で、right under で「真下」になります。
案内人は何度も right を付けて、本当にこの真下なんですよ、と驚きを押し出しているんです。
② go under、説明できますか?

例文:
Yip, we’re going under here.
そう、ここから下にもぐります。
要点:
- under の後ろに名詞がない
- 何の下かは景色で分かるので省いた=副詞
- go under=くぐる・もぐる
解説例:
この under の後ろには、名詞がありません。
under the Thames とは言わずに、under だけで文が終わっています。
これは、何の下なのかが目の前の景色で分かりきっているからです。
前置詞は、後ろの名詞が分かりきっているときは省いて1語で使えるんです。このとき前置詞は副詞として働きます。
go under は「下に行く」、つまり「くぐる・もぐる」ですね。
このあと出てくる look back over や coming through も同じ形です。
③ dug under ~、説明できますか?

例文:
And ever since, lots and lots of tunnels were dug under London
そしてそれ以来、ロンドンの地下にはたくさんのトンネルが掘られてきました。
要点:
- under + 街の名前で「その地下一帯」
- below は目盛りで下、under は覆われて下
- under construction・under 18 も「覆い」の絵
解説例:
今度の under の後ろは、ロンドンという街全体です。
広い街がまるごと上にかぶさっていて、その下一帯にトンネルが広がっている絵ですね。
日本語なら「ロンドンの地下」ですが、英語は under と地名だけで言えてしまいます。
よく比べられる below は目盛りで下、under は上に覆うものがある下です。
under は目に見えない覆いにも広がって、under construction で工事中、under 18 で18歳未満になります。
次は over=上を弧でまたぐ の3問です。
①〜③の under と比べて、川の下を通るのか、川の上を越えるのかを意識して説明してみてください。
④ over at ~、説明できますか?

例文:
It’s the Cutty Sark over at Greenwich.
グリニッジにある、あのカティーサーク号です。
要点:
- over のコアは「上を弧を描いてまたぐ」
- over at ~ は「またいだ向こうの〜」
- 訳に出なくても、距離感を伝えている
解説例:
over のコアイメージは「上を弧を描いてまたぐ」です。
虹のように、何かの上をアーチでまたいで向こうへ行く線が over です。
この文の over は、話し手の今いる場所から、何かをまたいだ向こうを指しています。
at Greenwich だけでも通じますが、over を入れると「あっちの」という距離感が出るんです。
over there の over と同じですね。
日本語訳では消えてしまいますが、英語の話し手はこの over で距離を伝えています。
⑤ look over to ~、説明できますか?

例文:
and if you look over to the other side of the Thames
そしてテムズ川の向こう岸に目をやると、
要点:
- 視線が川の上を弧でまたぐ=look over to
- 同じ川で、視線は over、トンネルは under
- across は平らな面を横切る。高さの弧はない
解説例:
ここでは、視線が over の弧を描きます。
南岸に立って、川の上をまたぐように向こう岸へ目を飛ばす。look over to で「〜のほうに目をやる」です。
面白いのは、同じテムズ川に over と under の両方が使われていることです。
視線は川の上をまたぐので over、トンネルは川に覆われるので under。
よく似た across は、平らな面を端から端へ横切るイメージで、over のような高さの弧はありません。
⑥ look back over、説明できますか?

例文:
Not many come and stand at the north bank, look back over and look to the Cutty Sark
北岸に立って、川越しに振り返ってカティーサーク号を眺める人は、あまりいません。
要点:
- back は来たほう、over は川をまたいで
- 後ろの名詞は景色で分かるので省略
- over で見て、under でくぐり、over で振り返る
解説例:
トンネルを抜けて北岸に出た案内人が、通ってきた川を越えて南岸を振り返る場面です。
back は「来たほうへ」、over は「川をまたいで」で、2語で「川越しに振り返る」になります。
この over の後ろにも名詞がありません。何をまたぐかは目の前の川で分かりきっているからです。
この動画は、over で向こう岸を見て、under で川の下をくぐり、最後に over でまた振り返るという1往復の構成になっているんです。
続いて through=中を突き抜ける の3問です。
⑦ come through、説明できますか?

例文:
And there you go, there’s a bike coming through.
ほら、自転車が通り抜けてきますよ。
要点:
- through のコアは「中を突き抜ける」
- 川から見れば under、トンネルから見れば through
- Excuse me, coming through!=通ります
解説例:
through のコアイメージは「中を突き抜ける」です。
トンネルのような空間にこちらの口から入って、向こうの口から出る、その中を通る線が through です。
同じトンネルでも、川から見れば under、トンネルから見れば through。基準によって前置詞が変わるんです。
ここでも through の後ろに名詞がない、副詞の形ですね。
人ごみで Excuse me, coming through! と言えば、「すみません、通ります」の合図になります。
⑧ go through ~、説明できますか?

例文:
Many who go through the tunnel then race off to Island Gardens on the Docklands line railway
トンネルを抜けた人の多くは、そのままドックランズ線のアイランド・ガーデンズ駅へ急いでいきます。
要点:
- go through the tunnel=入って・進んで・出る
- into は入るだけ、through は反対側まで
- go through a hard time のように経験にも使う
解説例:
今度の through は、後ろに the tunnel が付いた前置詞の形です。
go through the tunnel で、入って、中を進んで、出るまでの全部を言っています。
go into なら入るだけで、まだ中にいます。go through なら、もう反対側に出ています。
だから、抜けたあとに then race off と続けられるんですね。
through は go through a hard time のように、つらい時期をくぐり抜けるという経験にも使えます。
⑨ all the way through to ~、説明できますか?

例文:
all the way from Dover on the south coast of England, just coming over from the continent, all the way through to Scotland
イングランド南岸のドーバー、つまり大陸から海を渡ってきたばかりのところから、スコットランドまでずっと。
要点:
- through to ~=途中を全部通って〜まで
- all the way を出発点と終点の両方に付けて長さを強調
- 1文に、海をまたぐ over と国を抜ける through
解説例:
このトンネルは、ドーバーからスコットランドまでイギリスを縦断する自転車ルートの一部です。
その道のりを、案内人は from と through to で言っています。
to だけだと着く先しか言いませんが、through を入れると途中の全部を通ってきた長さが出ます。
all the way は「ずっと・はるばる」で、出発点と終点の両方に付けて道の長さを強調しています。
真ん中の coming over from the continent は、大陸から海峡をまたいで渡ってきたばかり、という over の弧の絵です。
そして about / around=周りをぐるっと の2問です。
⑩ tell you about ~、説明できますか?

例文:
I’ll tell you a bit more about why this is so popular with cyclists in just a couple of seconds.
なぜここが自転車に乗る人にこんなに人気なのか、このあとすぐ、もう少し詳しくお話ししますね。
要点:
- about のコアは「周りをぐるっと囲む」
- about の後ろには why ~ のようなかたまりも置ける
- about の数で、動画が「場所の話」か「話題の話」か分かる
解説例:
about のコアイメージは「周りをぐるっと囲む」です。
中心に1つのテーマがあって、そのまわり一帯をぐるりと回るのが about です。
tell you about で「〜について話す」。話題の周辺の事情もまとめて話す感じがあります。
この文では、about の後ろに why this is so popular という文のかたまりが来ています。
実はこの動画で about はこの1回だけ。場所の実況なので、位置の前置詞ばかりが出てくるんです。
⑪ just around the corner、説明できますか?

例文:
to Island Gardens on the Docklands line railway, which is just around the corner.
角を曲がってすぐのところにある、ドックランズ線のアイランド・ガーデンズ駅へ。
要点:
- around the corner=角をぐるっと回ったすぐ先
- around は形のある周り、about は形のない周り
- イギリス英語では round とも言う
解説例:
about の「周りをぐるっと」を、目に見える場所で言うのが around です。
around the corner は、角をぐるっと回り込んだところ、つまり「すぐ近く」です。
around は形のある周り、about は形のない周りに使われやすいと押さえておくと整理できます。
about 50 people の「くらい」も、50のまわりをぐるっと、という同じ絵です。
イギリス英語では round とも言って、この動画でも go round to the right と言っています。
最後は、この記事の目玉です。
同じ場所を2回言い直している理由を説明してみてください。
⑫ right underneath / 15 meters under、説明できますか?

例文:
And at this point, we are right underneath the Thames. We are 15 meters under the base of the Thames here
そしてこの地点で、私たちはまさにテムズ川の真下にいます。ここグリニッジで、川底から15メートル下にいるんです。
要点:
- 同じ場所を underneath と under で2回言い直す
- underneath は実感、15 meters under は測った距離
- テムズ川1本で under・over・through がそろう
解説例:
これがこの記事の目玉です。
トンネルのちょうど真ん中で、案内人が同じ場所を2回続けて言い直しています。
1回目の underneath は「今、川に完全に覆われている」という実感、2回目の 15 meters under は数字で測った距離です。
数字を前置詞の前に置くと、どれだけ下か、どれだけ越えたかを言えます。
冒頭の over at Greenwich と right under this、中の coming through、北岸の look back over。
テムズ川1本をめぐって、under・over・through が全部そろうんです。
一人で言えた例文は、相手がいると急に出てこなくなります。
文法が身につくのは、通じた/通じなかったを自分の耳で確かめた瞬間です。
とくに under・over・through は、道案内や旅の話でいちばん出番が多いのに、とっさに出てこない前置詞です。
まずは量をこなせる環境で、自分の通勤路や旅行先の話を、今日の12文を借りて話してみてください。
今日の表現をAnkiで復習しよう

記事に出てきた動画の表現を、そのままAnkiに取り込めるようにまとめました。
今回は新しい動画なので、12表現すべて新規です。
テーマは「街を歩きながら案内するための12表現」です。
Stick with us.(最後までついてきてね)から I’m off for a coffee.(コーヒーを飲みに行ってきます)まで、動画の順番どおりに並べてあります。
今回のテーマに引きつけて1つ挙げるなら、just around the corner(すぐ近くに)です。
カード⑪で見たとおり、角をぐるっと回った先という around の絵そのままの表現で、道案内でそのまま使えます。
知らなかった表現を追加・編集して、自分専用のカードを作ってみてください。
知らなかった表現を追加・編集して、そのままAnkiに取り込めます。
| 表現 | 発音記号 | 意味 | 動画の例文 | シンプル例文 |
|---|
- PC・Android(AnkiDroid含む):「💻 PC・Android用」ボタンで
anki_import.txtをダウンロードし、Ankiのファイル → インポートから取り込む(区切り文字はTabを選択) - iPhone(AnkiMobile):「📱 iPhone用」ボタンで
anki_import.apkgをダウンロードし、AirDropやFilesアプリでiPhoneに送って、AnkiMobileの設定(歯車) → Import File から開く
まとめ:前置詞 under・over・through・about の12の顔を再確認しよう

さて、今回は「前置詞 under・over・through・about は、基準のどこを通るかの4枚の絵」というテーマで、12の顔を見てきました。
- right under ~ ― 上から覆われている真下。right は「ちょうど」
- go under ― 後ろが分かりきっていれば前置詞1語で立つ
- dug under ~ ― 目盛りなら below、覆いなら under
- over at ~ ― 訳に出ない over は「向こう」のサイン
- look over to ~ ― 弧を描くなら over、平らに横切るなら across
- look back over ― back が向き、over が道すじ
- come through ― 川から見れば under、トンネルから見れば through
- go through ~ ― into は入るだけ、through は反対側まで
- all the way through to ~ ― to は着く先、through to は途中の全部
- tell you about ~ ― 話題のまわり。後ろに why ~ も置ける
- just around the corner ― 形のある周りは around、形のない周りは about
- right underneath / 15 meters under ― 実感の underneath、測る 数字+under
12と聞くと多く感じますが、使っている物差しは「基準のどこを通るか」だけです。
下で覆われるなら under、上をまたぐなら over、中を抜けるなら through、周りを回るなら about。
そしてこの物差しは、川にもトンネルにも、話題や時間にも、同じように使えます。
今日の12のうち、まずおすすめしたいのは⑦の coming through です。
次に電車やエレベーターで人の間を抜けるとき、心の中で Excuse me, coming through. と言ってみてください。入口から出口まで「抜ける」絵が、自分の体の動きとして残ります。through の感覚が「訳」から「位置の絵」に変わります。
もし今日の内容で「なるほど」と思った部分があれば、ぜひコメントで教えてください。
これで前置詞のパートは完結です。
次回からは⑨WH修飾に入り、まずは関係代名詞の who・which・that を扱う予定です。
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