イマージョンでto不定詞の3用法を理解する

And we decided to go to a friend’s house to use the ice bath and sauna.

「それで、アイスバスとサウナを使いに、友だちの家へ行くことにした」

30日でブレイクダンスを覚えて大会に出る、と決めた Tim Kim が、練習でボロボロになった体を回復させに行く場面のセリフです。

この1文には to が3つあります。to go、to a friend’s house、to use。

学校では「to go は名詞的用法、to use は副詞的用法」と習いました。

でも、見た目がまったく同じ to なのに、なぜ名前が変わるのか。ここでつまずいた人は多いと思います。

僕自身、TOEIC300点からのスタートでした。

オンライン英会話を7年続けて910点まで来ましたが、

3用法は長いあいだ「見分け問題を解くための暗記」でした。

でも生の英語を聞くようになって、はっきり分かったことがあります。

to は3つとも同じ「向かう先の矢印」。違うのは、そのかたまりが文のどこにはまっているかだけということです。

名詞の席にはまれば名詞的、名詞のうしろなら形容詞的、それ以外なら副詞的。to はいつも同じ矢印

読み終えるころには、I decided to ~/a chance to ~/~ to get better を、英会話の中で迷わず組み立てられるようになっているはずです。

イマージョン学習で英文法を学ぶ前の確認事項

動画紹介

今回教材にするのは、Tim Kim の「I Learned How To Breakdance in 30 Days! (Entered a Bboy Jam!)」という動画です。

毎回1つのスキルを30日で身につける挑戦をしている Tim Kim が、中学生のころにやめたブレイクダンスに挑みます。

幼なじみのジャレッドをコーチに呼び、大技の練習、ケガと回復、そしてコロンビアの大会(ジャム)へ。

約12分。英語学習のために作られた動画ではなく、ふつうの挑戦Vlogです。

今回この動画を選んだのには理由があります。

3用法のうち、いちばん集めにくいのが副詞的用法(〜するために/〜するには)です。

旅行ガイドの動画には places to visit のような形容詞的用法はたくさん出ますが、「〜するために」はあまり出てきません。

挑戦Vlogは「何のために練習するか」を毎回言うので、3用法がきれいにそろいます。

別々の投稿者の動画20本の字幕を数えて比べたうえで、3用法がそろい、手動字幕がついているこの動画を選びました。

なお、10:02と11:12には少し乱暴な言葉が出てくるので、例文には使っていません。

12枚のカードすべてを、動画に実際に出てくるセリフで組めました。

▼ 動画はこちら

時間がない方は、4:38〜4:47(To get in even more practice, … the confidence to practice)と6:07〜6:13(decided to go to a friend’s house to use)の2か所だけでも見てみてください。

学習の進め方

文法の知識を実際に使いこなすには、

その言葉が使われる場面や気持ちごと覚えるのが近道です。

だからこそ今回は、動画の生きたセリフを教材にして、「to 不定詞の3用法」の視点を見ていきます。

読み方は、目的に合わせて選んでみてください。

英語を楽しみながら勉強したい方は、このまま記事を読み進めてください。

動画のセリフをたどりながら、

「to 不定詞の3用法」の感覚を少しずつ自分のものにしていけます。

逆に、効率的に英文法だけを押さえたい方は、要点だけをまとめた別記事へどうぞ。

30代・40代の英語やり直し|英文法200時間(参考書10周)を乗り越える勉強法 文法学習は1冊を徹底的に10周する 30代・40代で英語をやり直そうとすると、多くの人が文法で止まります。 日本語...

to不定詞の3用法とは何か ― 矢印は1本、はまる場所が3つ

前回の記事32で、to は「これから向かう先を指す矢印」だと整理しました。

その矢印の先に行為(動詞の原形)を置いたものが to 不定詞です。

今回のポイントは、その「to + 動詞の原形」のかたまりを、文のどこにはめるかです。

I decided to go. ― decided の「何を?」の席(名詞の席)にはまる → 名詞的用法「〜すること」

a chance to go ― 名詞 a chance のうしろにぶら下がる → 形容詞的用法「〜する(ための)」

I practiced to get better. ― 動作や文全体、形容詞にぶら下がる → 副詞的用法「〜するために/〜するには」

名詞・形容詞・副詞という名前は、そのかたまりが名詞・形容詞・副詞の仕事をしているという意味です。

名詞の仕事は文の主語や目的語になること、形容詞の仕事は名詞を説明すること、副詞の仕事はそれ以外を説明することでした。

  • 名詞的(名詞の席):decided to see/starting to see/what to expect/it got harder to go in
  • 形容詞的(名詞のうしろ):a chance to pursue/a long way to go/the confidence to practice/time to go
  • 副詞的(それ以外):to get closer(目的)/To get in more practice,(文頭の目的)/too hurt to compete(〜するには)

見分けるときは、to の直前を見るのがいちばん速いです。直前が「何を?」を求める動詞なら名詞的、名詞なら形容詞的、文が完成していたり形容詞だったりすれば副詞的です。

このシリーズでは、ここまで32回に分けて、名詞のまわりと修飾、助動詞、前置詞、WH修飾、動詞の -ing 形、そして to 不定詞のコアイメージを整理してきました。

  • 限定詞編・代名詞編・形容詞編・副詞編:名詞の前につく語、代わりになる語、説明する語
  • 比較編・否定編:目盛りを使う/打ち消す範囲を指し示す
  • 助動詞編(can・may・will・must・would・could・have+過去分詞):動詞に話し手の気持ちをかぶせる
  • 前置詞編(at・in・on/to・for・from/of・with・by/under・over・through・about):位置・方向・近さ・通り道を絵で表す
  • WH修飾編(関係代名詞・関係副詞・what・疑問詞の名詞節):名詞のうしろに説明をぶら下げる・疑問文を名詞にする
  • -ing 形編(現在分詞・動名詞・分詞構文):-ing の「動いている最中」を、修飾・名詞・文への付け足しに使う
  • to 不定詞編(コアイメージ・3用法):to の矢印で「これから向かう先の行為」を指し、文の中の3つの場所にはめる

前回の to 不定詞のコアイメージ編をまだ読んでいない方は、先にこちらからどうぞ。今回の3用法は、すべてそこで見た矢印の絵で説明しています。

英語イマージョン学習|Youtubeで英文法#32【to不定詞のコアイメージ】to不定詞は3用法の暗記ではなく「これから向かう先を指す矢印」で理解できます。Doctor Mike の英語12文で、want to・want 人 to・目的の to・前置詞 to との違い・I'd love to. まで図解します。...
 \ 詳細説明はP453~474 /

イマージョンで学ぶ【to不定詞の3用法】12の顔

ここからは、動画のセリフを使いながら、to 不定詞の3用法が持つ12の顔を1つずつ見ていきましょう。

最初の4つが名詞的用法、次の4つが形容詞的用法、続く3つが副詞的用法、最後の1つが3つの to が1文に並ぶ目玉です。

今回も12枚すべてが、動画に実際に出てくる例文です。

① 名詞的用法(名詞の席にはまる)

  1. decided to see ― to のかたまりが「〜すること」として目的語の席にはまる
  2. starting to see it ― start to も start -ing も「始める」の目的語
  3. what to expect ― 疑問詞+to で「何を〜すべきか」という名詞
  4. it got harder to go in ― 形式主語の it。中身の to はうしろに回す

② 形容詞的用法(名詞のうしろにぶら下がる)

  1. a chance to pursue ― 名詞のうしろで「どんな〜?」を指す
  2. a long way to go ― 名詞は to の行為の相手(go a long way)
  3. the confidence to practice ― to が名詞の中身を言う
  4. time to go to Bogota ― It’s time to ~ も名詞のうしろの to

③ 副詞的用法(名詞以外にぶら下がる)

  1. worked on … to get closer ― 動作のうしろで「何のために?」
  2. To get in even more practice, ― 目的を文の頭で先に言う
  3. too hurt to compete ― 形容詞にぶら下がって「〜するには」

④ 1文に3つの to

  1. decided to go to a friend’s house to use ― 名詞的・前置詞・副詞的が1文に並ぶ

以下のカードをタップすると、それぞれの視点を実際の例文つきで詳しく確認できます。

カードをタップすると詳しい説明が開きます

to 不定詞の3用法 は、to のかたまりが文のどこにはまっているかに付いた名前です。
名詞の席(主語・目的語)にはまれば名詞的、名詞のうしろにぶら下がれば形容詞的、それ以外(動作・形容詞・文全体)にぶら下がれば副詞的。
to そのものは、記事32で見た「これから向かう先を指す矢印」1本だけです。
ブレイクダンスに30日で挑戦した Tim Kim のセリフから、12枚すべてを動画のセリフで組みました。
主語 動詞 目的語・人 補語 名詞的(名詞の席にはまる to) 形容詞的(名詞のうしろの to) 副詞的(何のために・〜するには) 前置詞 修飾・その他
セクション① 名詞的用法decided to・starting to・what to・it … to(カード1〜4)
decided to see 名詞的用法:to のかたまりが「〜すること」として名詞の席にはまる ▼
I decided to see if I could learn how to break-dance
タップして詳しく見る →
I decided to see if I could learn how to break-dance
ブレイクダンスを覚えられるかどうか、やってみることにした
出典:動画スクリプト(0:18)

友人がコロンビアでブレイクダンスの大会を開くと聞いたティムが、挑戦を決めた場面です。I decided to see if I could learn how to break-dance(ブレイクダンスを覚えられるか、やってみることにした)。

decided(決めた)は「何を?」が必要な動詞です。その「何を」の席、つまり目的語=名詞の席に、to see … というかたまりがまるごとはまっています。だから訳すと「〜すること」。これが名詞的用法です。

矢印そのものは記事32と同じで、decide という気持ちがまだ起きていない行為(see)へ向かうだけ。「名詞的」という名前は、そのかたまりが文のどこにはまっているかに付いた名前にすぎません。

見分け方
to のかたまりを it や something に置きかえられたら名詞的。
I decided something. ← 何を? → to see …
他の名詞的用法(スクリプトより)
  • So just like anytime I wanted to learn something,(0:25)
  • So I decided to focus on my recovery leading up to the event.(5:23)
starting to see it start to も start -ing も「始める」の目的語 ▼
I am starting to see it
タップして詳しく見る →
I am starting to see it.
見えてきたぞ。
出典:動画スクリプト(3:44)

5日目。ずっとできなかった技(90)に、手ごたえが出てきた瞬間です。直前のナレーションが I started seeing some progress.(3:40)、そして本人の声で I am starting to see it.(3:44)。4秒の間に、start -ing と start to が両方出てきます。

どちらも start(始める)の「何を?」の席にはまっている、名詞の働きです。start・begin・like・love のように、to でも -ing でも意味がほとんど変わらない動詞があります。

あえて言えば、to see は「見える方へ向かい始めた」、seeing は「見えている場面が始まった」。大会当日の後半には I started to get out of my head./I started to enjoy the music. と、to がくり返し出てきます。

使い分け
start・begin は to も -ing もOK(意味はほぼ同じ)。
want・decide は to だけ、enjoy・finish は -ing だけ
他の start(スクリプトより)
  • And around day five, I started seeing some progress.(3:40/-ing の形)
  • I started to get out of my head.(10:15)
  • I started to enjoy the music.(10:17)
what to expect 疑問詞 + to:「何を〜すべきか」で名詞の席にはまる ▼
I had no idea what to expect since it was my first jam
タップして詳しく見る →
I honestly had no idea what to expect, since it was my first jam.
初めてのジャムだったから、正直、何が起きるのか見当もつかなかった。
出典:動画スクリプト(8:56)

コロンビアの会場に着いた場面です。I honestly had no idea what to expect(何を予想すればいいのか、まるでわからなかった)。

what to expect は「何を予想すべきか」。疑問詞のうしろに to を置くと、「何を/どう/どこで〜すべきか」というひとかたまりの名詞になります。ここでは no idea の中身を説明していますが、know what to do のように動詞の目的語にもなります。

動画の最初でティムは YouTube に how to break-dance(ブレイクダンスのやり方)と打ち込みました。how to ~ は「〜のしかた」。検索窓に打ち込む言葉そのものが、疑問詞+to の名詞です。

形
what to ~(何を〜すべきか)/how to ~(〜のしかた)/where to ~(どこで〜すべきか)。
どれも1つの名詞として、文の中にはまる
他の疑問詞+to(スクリプトより)
  • I went to YouTube and I typed in how to break-dance.(0:28)
  • Jared gave me this video on how to start training the 90,(2:27)
it got harder to go in 形式主語の it:主語の席に to を置く代わりに it を先に出す ▼
The longer I waited, the harder and harder it got to go in
タップして詳しく見る →
The longer I waited, the harder and harder it got to go in.
待てば待つほど、輪の中に入っていくのがどんどん難しくなった。
出典:動画スクリプト(9:43)

ジャムでは、踊りたい人が自分からサークル(サイファー)の中に入っていきます。初心者のティムは、その一歩が出ません。The longer I waited, the harder and harder it got to go in.

何が難しくなったのか。to go in(中に入っていくこと)です。本当の主語は to go in ですが、To go in got harder. と頭に長いかたまりを置くと重たいので、主語の席にはひとまず it を置き、中身の to go in をうしろに回しています。これが形式主語の itで、to go in は「主語」という名詞の席の中身=名詞的用法です。

会話でいちばんよく聞くのは It’s hard to ~/It’s easy to ~/It’s nice to ~ の形です。it を聞いたら「中身はうしろの to で来る」と待つのがコツです。

形
It + 動詞 + 形容詞 + to ~(〜するのは…だ)。
it = to go in(入っていくこと)。中身はうしろで言う
続きのセリフ(スクリプトより)
  • The longer I waited, the louder the voice in my head got as well.(9:56/同じ the 比較級 の形)
セクション② 形容詞的用法a chance to・a long way to go・the confidence to・time to(カード5〜8)
a chance to pursue 形容詞的用法:名詞のうしろで「どんな〜?」を指す ▼
it was something I never had a chance to pursue seriously
タップして詳しく見る →
but it was something I never had a chance to pursue seriously.
でも、本気で取り組む機会は一度もなかった。
出典:動画スクリプト(0:03)

動画の最初のセリフです。ブレイクダンスは中学生のころ遊びでやっていたけれど、something I never had a chance to pursue seriously(本気で取り組む機会が一度もなかったもの)。

ここでの to pursue は、文の主語でも目的語でもありません。a chance(機会)という名詞のうしろにぶら下がって、「どんな機会?」を指しています。名詞を説明するのは形容詞の仕事なので、これを形容詞的用法と呼びます。

絵は「名詞 → to → 行為」。その機会は、どんな行為へ向かう機会なのかを矢印が指しています。日本語では「〜する(ための)機会」と、名詞の前から説明するのがふつうです。

見分け方
to の直前が名詞で、「どんな〜?」に答えていれば形容詞的。
a chance → どんな機会? → to pursue(取り組む)
他の a chance to(スクリプトより)
  • because we got a chance to hang out with DJ Fleg,(8:11)
  • and I just kept looking around for a chance to go.(9:51)
a long way to go 名詞は、to の行為の「目的語」になっていることが多い ▼
Got a long way to go
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Got a long way to go.
先は長いな。
出典:動画スクリプト(1:01)

幼なじみで、ずっとブレイクダンスを続けてきたジャレッドに、久しぶりの踊りを見てもらった直後のひと言です。Got a long way to go.(まだ先は長い)。主語の I’ve が落ちた、会話らしい形です。

a long way to go は「行くべき長い道のり」。to go が a long way のうしろにぶら下がる形容詞的用法です。

ここで面白いのは、go a long way(長い道のりを行く)と、名詞が to の行為の目的語のような関係になっていることです。something to eat(食べる何か ← eat something)も同じ。形容詞的用法の名詞は、to の行為の相手であることがとても多いのです。

読み方
名詞 + to ~ は、うしろから「〜すべき/〜するための」。
a long way to go ← go a long way
他の名詞+to(スクリプトより)
  • he’s going to be the one to prepare me for the jam.(0:58/名詞が to の行為の主語)
the confidence to practice 名詞の「中身」を to が言う(自信 = 練習できる、という自信) ▼
This gave me the confidence to practice the proper technique
タップして詳しく見る →
This gave me the confidence to practice the proper technique
これで、正しいテクニックを練習する自信がついた
出典:動画スクリプト(4:44)

もっと練習量を増やすため、リビングの家具をどけて練習スペースを作った場面です。This gave me the confidence to practice the proper technique(これで、正しい技を練習する自信がついた)。

to practice は the confidence のうしろにぶら下がる形容詞的用法です。ただしカード6と違って、confidence が practice の目的語になっているわけではありません。「どんな自信?」→「練習できる、という自信」と、名詞の中身そのものを to が言っています。

chance・time・way・ability・decision・plan のように、「何かをすること」を中に含む名詞は、この形をよくとります。動画の終盤には an opportunity to express what you do(自分のやることを表現する機会)も出てきます。

2つのタイプ
a long way to go(名詞が to の行為の相手)/the confidence to practice(to が名詞の中身を言う)。
どちらも名詞のうしろにぶら下がるので形容詞的用法
他の「中身を言う」to(スクリプトより)
  • and an opportunity to express what you do.(10:48)
time to go to Bogota It’s time to ~:「〜する時間」も名詞のうしろの to ▼
Now it was time to go to Bogota
タップして詳しく見る →
Now it was time to go to Bogota.
いよいよボゴタに向かうときが来た。
出典:動画スクリプト(7:55)

3週間の練習を終えて、大会の開かれるコロンビアの首都ボゴタへ出発する場面です。Now it was time to go to Bogota.

time to go は「行く時間」。to go が time のうしろにぶら下がる形容詞的用法です。It’s time to go./It’s time to eat. は、会話でいちばんよく聞く形容詞的用法かもしれません。

この1文には to が2つあります。to go は矢印の先が行為(動詞の原形)なので不定詞、to Bogota は矢印の先が場所なので前置詞。記事32の目玉 fly to Monaco to do my Ted talk と同じく、1本の矢印が行為にも場所にも向いています。

決まり文句
It’s time to ~.(〜する時間だ)
time → どんな時間? → to go
他の time to(スクリプトより)
  • just in time to participate in the jam.(0:21/in time to ~=〜するのに間に合うように)
セクション③ 副詞的用法〜するために・文頭の To ~,・too … to(カード9〜11)
worked on … to get closer 副詞的用法:動作のうしろで「何のために?」を指す ▼
I worked on my handstands to get closer to the 90
タップして詳しく見る →
I worked on my handstands to get closer to the 90
90(片手倒立回転)に近づくために、倒立を練習した
出典:動画スクリプト(2:39)

2日目。片手で倒立して回る大技「90(ナインティ)」には、まず倒立が必要だと言われた場面です。I worked on my handstands to get closer to the 90(90に近づくために、倒立を練習した)。

to get closer は、名詞の席にもはまっていないし、名詞のうしろにもぶら下がっていません。worked on my handstands という動作全体にぶら下がって、「何のために?」を指しています。名詞以外を説明するのは副詞の仕事なので、これを副詞的用法(目的)と呼びます。

矢印の絵はいつもと同じです。練習という動作が、まだ届いていない「90に近づく」へ向かっている。この動画では、練習の話をするたびにこの「〜するために」が出てきます。

見分け方
to のかたまりを取っても文が成り立ち、「何のために?」に答えていれば副詞的。
I worked on my handstands.(ここで文は完成)+ to get closer
他の「〜するために」(スクリプトより)
  • I started practicing in the wild to get as many reps as I could.(4:07)
  • I realized that I needed to practice Cyphering … to get comfortable putting all my moves together.(7:20〜7:22)
To get in even more practice, 文頭の To ~, は「〜するために」を先に言う ▼
To get in even more practice and even more reps, we decide to clear up the living room space
タップして詳しく見る →
To get in even more practice and even more reps, we decide to clear up the living room space, so we could go all out.
もっと練習量と反復回数を増やすために、リビングを片づけて全力で練習できるようにした。
出典:動画スクリプト(4:38〜4:41)

1週目の終わり、練習量をさらに増やすために家の中を作り変える場面です。To get in even more practice and even more reps, we decide to clear up the living room space

文の頭の To get in even more practice …, は、うしろの「リビングを片づけることにした」全体の目的を先に言っています。副詞的用法は文の頭にも置ける。目的を先に聞かせたいときの言い方です。

そして同じ文の中の decide to clear up は、decide の「何を?」の席にはまる名詞的用法。1つの文に、副詞的な to と名詞的な to が並んでいます。to の形はまったく同じ。違うのは、どこにはまっているかだけです。

見分け方
文頭の To ~, =「〜するために」(コンマのあとに本体の文が来る)。
To ~ のあとに動詞が来て、To ~ が主語になる形(To go in got harder.)は名詞的
同じ decide to(スクリプトより)
  • we decide to increase the intensity up a notch.(1:41/decide to = 名詞的)
too hurt to compete too … to ~:形容詞にぶら下がって「〜するには」 ▼
I was starting to worry that I’d be too hurt to compete at the jam
タップして詳しく見る →
I was starting to worry that I’d be too hurt to compete at the jam.
ケガがひどくて、ジャムに出られないんじゃないかと心配になってきた。
出典:動画スクリプト(5:18〜5:21)

練習を詰めこみすぎて、体がボロボロになってきた場面です。I was starting to worry that I’d be too hurt to compete at the jam.

too hurt to compete は「出場するには痛めすぎ」=「痛めすぎて出られない」。to compete は、名詞ではなく hurt(痛めた)という形容詞にぶら下がって、「何をするには?」を指しています。これも副詞的用法です。

同じ形容詞+to の仲間に I didn’t feel ready to perform at a Jam.(7:15/ジャムで踊る準備ができていると思えなかった)があります。ready to ~・happy to ~・easy to ~ のように、形容詞のうしろの to はすべて副詞的用法です。ちなみに文の前半の starting to worry は名詞的用法です。

形
too + 形容詞 + to ~(〜するには…すぎる=…すぎて〜できない)
形容詞 + to ~(ready to/happy to)も副詞的
他の形容詞・程度の to(スクリプトより)
  • I didn’t feel ready to perform at a Jam.(7:15)
  • I wanted to have enough energy today to start training again.(6:56/enough ~ to)
セクション④ 1文に3つの todecided to go to a friend’s house to use(カード12/この記事の目玉)
decided to go … to use 1文に3つの to:名詞的・前置詞・副詞的 ▼
we decided to go to a friend’s house to use the ice bath and sauna
タップして詳しく見る →
And we decided to go to a friend’s house to use the ice bath and sauna.
それで、アイスバスとサウナを使いに、友だちの家へ行くことにした。
出典:動画スクリプト(6:07)

ボロボロの体を回復させるため、マッサージに続いて、友だちの家のアイスバスとサウナを借りに行く場面です。And we decided to go to a friend’s house to use the ice bath and sauna.

この1文に to が3つあります。to go は decided の「何を?」の席にはまる名詞的用法。to a friend’s house は矢印の先が場所なので前置詞。to use the ice bath and sauna は「何のために行くの?」を指す副詞的用法です。

3つとも同じ「向かう先を指す矢印」です。決めた気持ちが「行く」へ向かい、行く動きが「友だちの家」へ向かい、その移動が「アイスバスを使う」へ向かう。名詞的・形容詞的・副詞的という名前は、矢印がどこにはまっているかに付いたラベルにすぎません。直後には本人が we’re at my buddy Kyle’s place to do an ice bath.(アイスバスをしにカイルの家に来た)と言い直しています。

読み方
動詞の「何を?」の席 → 名詞的/先が場所 → 前置詞/「何のために?」→ 副詞的。
decided to go to a friend’s house to use …
直後のセリフ(スクリプトより)
  • Oh, we’re at my buddy Kyle’s place to do an ice bath.(6:11)

一人プレゼンを実施してみる

まずは何も見ずに例文を自分で作って説明してみて、

うまく言えなかった項目だけ解説例を確認する、

という使い方がおすすめです。

12問あるので、1日に全部やろうとしなくて構いません。

説明するときは、必ず「to の直前に何があるか」「to のかたまりが文のどこにはまっているか」を最初に言ってから、用法の名前を言ってみてください。

図解の色分け(名詞的=青、形容詞的=緑、副詞的=紫、to=コーラル)が、そのままヒントになっています。

まずは 名詞的用法 の4問です。

to のかたまりが、どの名詞の席(目的語・主語)にはまっているかを最初に言ってみてください。

① decided to see、説明できますか?

例文:

I decided to see if I could learn how to break-dance
ブレイクダンスを覚えられるかどうか、やってみることにした

要点:

  • decided の「何を?」の席に to see がはまる
  • 名詞の席 = 名詞的用法「〜すること」
  • 矢印は記事32と同じ(まだ起きていない行為へ)

解説例:

ティムは I decided to see if I could learn how to break-dance と言っています。

decided は「何を決めたの?」が必要な動詞で、その目的語の席に to see というかたまりがはまっています。

名詞の席にはまっているので「〜すること」と訳し、これを名詞的用法と呼びます。

矢印そのものは、決めた気持ちがまだ起きていない行為へ向かう、という記事32と同じ絵です。

② starting to see it、説明できますか?

例文:

I am starting to see it.
見えてきたぞ。

要点:

  • starting の「何を?」の席に to see がはまる
  • start は to も -ing もとれる
  • 3:40 seeing → 3:44 to see が4秒差で並ぶ

解説例:

ティムは I am starting to see it. と言っています。

to see は starting の目的語、つまり「何を始めたの?」の席にはまっているので名詞的用法です。

4秒前のナレーションでは I started seeing some progress. と -ing を使っています。

start や begin は、to でも -ing でも意味がほとんど変わらない動詞です。

③ what to expect、説明できますか?

例文:

I honestly had no idea what to expect, since it was my first jam.
初めてのジャムだったから、正直、何が起きるのか見当もつかなかった。

要点:

  • what to expect = 何を予想すべきか
  • 疑問詞+to は、ひとかたまりの名詞
  • how to break-dance = ブレイクダンスのやり方

解説例:

ティムは I honestly had no idea what to expect と言っています。

what to expect は「何を予想すべきか」で、疑問詞のうしろに to を置くと、ひとかたまりの名詞になります。

動画の最初で YouTube に打ち込んだ how to break-dance も、「やり方」という名詞です。

名詞なので、know what to do のように動詞の目的語の席にもはまります。

④ it got harder to go in、説明できますか?

例文:

The longer I waited, the harder and harder it got to go in.
待てば待つほど、輪の中に入っていくのがどんどん難しくなった。

要点:

  • it の中身は to go in
  • 主語の席の中身 = 名詞的用法
  • It’s hard to ~ と同じ形

解説例:

ティムは The longer I waited, the harder and harder it got to go in. と言っています。

難しくなったのは to go in、つまり「中に入っていくこと」で、主語の席にはひとまず it を置き、中身をうしろに回しています。

主語という名詞の席の中身なので、to go in は名詞的用法です。

会話の It’s hard to ~ や It’s nice to ~ も、まったく同じ形です。

次は 形容詞的用法の4問です。

to がどの名詞のうしろにぶら下がり、「どんな〜?」に答えているかを意識してみてください。

⑤ a chance to pursue、説明できますか?

例文:

but it was something I never had a chance to pursue seriously.
でも、本気で取り組む機会は一度もなかった。

要点:

  • to pursue は a chance のうしろにぶら下がる
  • 名詞を説明する = 形容詞的用法
  • a chance to ~ は動画に3回出てくる

解説例:

ティムは it was something I never had a chance to pursue seriously と言っています。

to pursue は a chance という名詞のうしろにぶら下がって、「どんな機会?」を指しています。

名詞を説明するのは形容詞の仕事なので、これを形容詞的用法と呼びます。

a chance to hang out や a chance to go も、同じ形で動画に出てきます。

⑥ a long way to go、説明できますか?

例文:

Got a long way to go.
先は長いな。

要点:

  • to go が a long way のうしろにぶら下がる
  • go a long way の関係が隠れている
  • something to eat も同じ形

解説例:

ティムは Got a long way to go. と言っています。

to go が a long way という名詞のうしろにぶら下がって、「行くべき長い道のり」を表す形容詞的用法です。

a long way は to go の目的語のような関係で、go a long way がそのまま隠れています。

something to eat(食べる何か)も、同じように名詞が to の行為の相手になっています。

⑦ the confidence to practice、説明できますか?

例文:

This gave me the confidence to practice the proper technique
これで、正しいテクニックを練習する自信がついた

要点:

  • to practice は the confidence のうしろにぶら下がる
  • 「どんな自信?」の中身を to が言う
  • chance・time・way・opportunity も同じ

解説例:

ティムは This gave me the confidence to practice the proper technique と言っています。

to practice は the confidence のうしろにぶら下がって、「どんな自信?」の中身を言っている形容詞的用法です。

a long way to go と違って、名詞が to の行為の相手になっているわけではありません。

chance や opportunity のように、中に「何かをすること」を含む名詞がこの形をよくとります。

⑧ time to go to Bogota、説明できますか?

例文:

Now it was time to go to Bogota.
いよいよボゴタに向かうときが来た。

要点:

  • to go は time のうしろにぶら下がる
  • It’s time to ~ は形容詞的用法の代表
  • to go(不定詞)と to Bogota(前置詞)

解説例:

ティムは Now it was time to go to Bogota. と言っています。

to go は time という名詞のうしろにぶら下がって「行く時間」を表す、形容詞的用法です。

うしろの to Bogota は、矢印の先が場所なので前置詞です。

It’s time to go. や It’s time to eat. は、会話でとてもよく使う形です。

続いて 副詞的用法の3問です。

to が何にぶら下がり(動作・文・形容詞)、「何のために?」「〜するには?」のどちらかを説明してみてください。

⑨ worked on … to get closer、説明できますか?

例文:

I worked on my handstands to get closer to the 90
90(片手倒立回転)に近づくために、倒立を練習した

要点:

  • to get closer は動作全体にぶら下がる
  • 「何のために?」= 副詞的用法(目的)
  • 取っても文が成り立つ

解説例:

ティムは I worked on my handstands to get closer to the 90 と言っています。

to get closer は、倒立を練習したという動作全体にぶら下がって「何のために?」を表す副詞的用法です。

I worked on my handstands. だけで文は完成していて、to のかたまりは付け足しです。

練習の目的を言うたびに、この形が動画にくり返し出てきます。

⑩ To get in even more practice,、説明できますか?

例文:

To get in even more practice and even more reps, we decide to clear up the living room space, so we could go all out.
もっと練習量と反復回数を増やすために、リビングを片づけて全力で練習できるようにした。

要点:

  • 文頭の To get in …, =「〜するために」
  • 副詞的用法は文の頭にも置ける
  • 同じ文の decide to clear up は名詞的

解説例:

ティムは To get in even more practice and even more reps, we decide to clear up the living room space と言っています。

文頭の To get in even more practice は、うしろの文全体の目的を先に言う副詞的用法です。

同じ文の decide to clear up は、decide の目的語の席にはまる名詞的用法です。

形は同じ to でも、はまっている場所で名前が変わります。

⑪ too hurt to compete、説明できますか?

例文:

I was starting to worry that I’d be too hurt to compete at the jam.
ケガがひどくて、ジャムに出られないんじゃないかと心配になってきた。

要点:

  • to compete は hurt(形容詞)にぶら下がる
  • too … to ~ = …すぎて〜できない
  • ready to ~ も形容詞のうしろの副詞的用法

解説例:

ティムは I was starting to worry that I’d be too hurt to compete at the jam. と言っています。

to compete は hurt という形容詞にぶら下がって「出場するには」を表す副詞的用法で、too と組んで「痛めすぎて出られない」になります。

7:15 の I didn’t feel ready to perform も、形容詞 ready のうしろの to です。

形容詞のうしろの to は、すべて副詞的用法と考えて大丈夫です。

最後は、この記事の目玉です。

3つの to がそれぞれどこにはまっているかを説明してみてください。

⑫ decided to go … to use、説明できますか?

例文:

And we decided to go to a friend’s house to use the ice bath and sauna.
それで、アイスバスとサウナを使いに、友だちの家へ行くことにした。

要点:

  • to go = 名詞的(decided の目的語)
  • to a friend’s house = 前置詞(先が場所)
  • to use = 副詞的(何のために)

解説例:

これがこの記事の目玉です。

ティムは And we decided to go to a friend’s house to use the ice bath and sauna. と言っています。

to go は decided の目的語なので名詞的、to a friend’s house は先が場所なので前置詞、to use は「何のために行くか」なので副詞的です。

3つとも同じ「向かう先の矢印」で、どこにはまっているかで呼び名が変わるだけです。

ここまで言えたら、次は人に向けて

一人で言えた例文は、相手がいると急に出てこなくなります。

文法が身につくのは、通じた/通じなかったを自分の耳で確かめた瞬間です。

to 不定詞の3用法は、やりたいこと(名詞的)・やること(形容詞的)・やる理由(副詞的)を話すときに必ず出てくる文法です。

まずは量をこなせる環境で、I decided to ~. や I have a lot of things to do. や I’m learning English to ~. を、実際のレッスンで使ってみてください。

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今日の表現をAnkiで復習しよう

記事に出てきた動画の表現を、そのままAnkiに取り込めるようにまとめました。

今回は新しい動画なので、12表現すべて新規です。

テーマは「挑戦と練習を語る英語12表現」です。

have a chance to ~(〜する機会がある)から with open arms(心から歓迎して)まで、動画の順番どおりに並べてあります。

have a long way to go(先は長い)のように、to 不定詞を使った決まり文句も入れてあります。

知らなかった表現を追加・編集して、自分専用のカードを作ってみてください。

知らなかった表現を追加・編集して、そのままAnkiに取り込めます。

表現発音記号意味動画の例文シンプル例文
プリセット(最初から入っている表現)
カードの表:表現のみ / 裏:発音記号 → 意味 → 📺動画の例文 → 💬シンプル例文
Ankiへの取り込み方
  1. PC・Android(AnkiDroid含む):「💻 PC・Android用」ボタンで anki_import.txt をダウンロードし、Ankiのファイル → インポートから取り込む(区切り文字はTabを選択)
  2. iPhone(AnkiMobile):「📱 iPhone用」ボタンで anki_import.apkg をダウンロードし、AirDropやFilesアプリでiPhoneに送って、AnkiMobileの設定(歯車) → Import File から開く

まとめ:to不定詞の3用法を再確認しよう

さて、今回は「to 不定詞の矢印は1本。はまる場所で3つの名前が付く」というテーマで、12の顔を見てきました。

名詞的用法と形容詞的用法
  • decided to see ― 「何を?」の席にはまる=名詞的
  • starting to see it ― start は to も -ing もOK
  • what to expect ― 疑問詞+to は「何を〜すべきか」という名詞
  • it got harder to go in ― 形式主語の it、中身は to go in
  • a chance to pursue ― 名詞のうしろで「どんな〜?」=形容詞的
  • a long way to go ― 名詞は to の行為の相手
  • the confidence to practice ― to が名詞の中身を言う
  • time to go to Bogota ― It’s time to ~
副詞的用法、そして目玉
  • worked on my handstands to get closer ― 動作のうしろで「何のために?」
  • To get in even more practice, … ― 目的を文頭で先に言う
  • too hurt to compete ― 形容詞にぶら下がって「〜するには」
  • decided to go to a friend’s house to use ― 名詞的・前置詞・副詞的が1文に

3用法と聞くと見分け問題を思い出しますが、やっていることは「to の矢印のかたまりを、文のどこかにはめる」の1つだけです。

名詞の席なら名詞的、名詞のうしろなら形容詞的、それ以外なら副詞的。

今日の12のうち、まずおすすめしたいのは⑨の 「〜するために」の副詞的用法 です。

次に英会話で「なぜ英語を勉強しているの?」と聞かれたら、I’m learning English to ~. と、文を言い切ったあとに to を足して答えてみてください。文を完成させてから矢印で目的を指す感覚がつかめれば、3用法が「暗記した名前」から「文を組み立てる道具」に変わります。

もし今日の内容で「なるほど」と思った部分があれば、ぜひコメントで教えてください。

次回は⑪ to 不定詞の最後、「不定詞の意味上の主語」(for 人 to ~/It’s kind of you to ~)を予定しています。

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CHOBI
40代の子育てサラリーマン。 みんなが苦手な家計管理、筋トレ、 英語にチャレンジしてます。 ・英語学習歴 2019年 日本企業から外資系企業に転職 想定TOEICスコア200〜300点 コーチングスクールに半年通う 2020年 TOEIC700点超え →独学・オンライン英会話開始 2021年 TOEIC800点の壁をこえられず 2022年 一から基礎(発音・文法・単語)をやり直す 2023年 TOEIC910点達成 2024年 別の外資系企業に転職