「タラレバ表現」(仮定法過去完了)とは?
If it had not rained, we could've had a picnic.
この英文を見て、こんなふうに感じたことはありませんか?
- 「if で始まってるけど、過去形じゃないの?」
- 「had と have が2つ出てきて、どっちがどっち?」
- 「could’ve ってなに? could of とは違うの?」
実はこの1文には、仮定法過去完了のエッセンスがギュッと詰まっています。
過去の「もし〜だったら」を話せるようになると、後悔・反省・たらればトーク が一気に広がります。
この記事では、
- 文全体の意味
- 仮定法過去完了の形とルール
- 発音(リズム・リンキング)のポイント
- 自然な言い換えフレーズ
- ありがちな間違い
を、中学英語レベルの言葉だけで、ていねいに解説します。
結論:
If it had not rained, we could've had a picnic.
=「もし雨が降っていなかったら、ピクニックができたのにね」という
「過去の、実際とは違うタラレバの話」 をしている文です。
仮定法過去完了は中級者でもつまづきがちなポイントです。
実際、私も苦労しているポイントの一つです。
でも、型で覚えればこわくない文型なので、この記事で一気に整理してしまいましょう。
1. まずは意味をシンプルに理解しよう
例文
If it had not rained, we could’ve had a picnic.
/ɪf ɪt hæd nɒt ˈreɪnd | wi ˈkʊdəv hæd ə ˈpɪknɪk/
もし雨が降っていなかったら、ピクニックができたのに。
ポイントは3つだけです:
- 実際には雨が降った
- だから ピクニックはできなかった
- そのことを、過去を振り返ってタラレバで言っている
2. 文法:これは「仮定法過去完了」
仮定法過去完了という言葉は覚える必要ありません。
しっかり使い方を覚えましょう!!
基本の形
If + 主語 + had + 過去分詞, 主語 + would / could / might + have + 過去分詞
今回の文にあてはめると:
- If it had not rained,
- we could have had a picnic.
文の分解
- If it had not rained
- 「もし雨が降っていなかったら」
- had + 過去分詞(rained)=過去完了
- we could have had a picnic
- 「ピクニックができたのに」
- could have + 過去分詞(had)=過去にできた可能性
なぜ「過去形」じゃないの?
- 仮定法過去 :今のタラレバ(If I had money, I would travel.)
- 仮定法過去完了:過去のタラレバ(If I had had money, I would have traveled.)
今回の文は「過去の話」なので、had + 過去分詞 を使っている、というイメージでOKです。
3. 発音・リズム・リンキングのポイント
キーになる部分
- If it had not rained
- /ɪf ɪt hæd nɒt ˈreɪnd/
- 「if-it」「it-had」「had-not」が弱くつながる
- rained を少し強めに
- we could’ve had a picnic
- /wi ˈkʊdəv ˈhædə ˈpɪknɪk/ に近いリズム
- could’ve = could + have の短縮
→ /ˈkʊdəv/(「クドゥヴ」に近い) - had a → /ˈhædə/(「ハダ」のようにリンキング)
リズムのイメージ
太字が強く読むところ:
if it had not RAINED, we COULD’ve HAD a PICnic.
- 内容語(RAINED / COULD / HAD / PICnic)が強く
- it / had / not / a などは弱く、さらっと流す
よくある発音の間違い
- ❌ could of と発音・スペルしてしまう
- 正:could have(音が /kʊdəv/ に聞こえるだけ)
- ❌ クッドハブ と1語ずつはっきり区切る
- 自然:クドゥヴ くらいにつなげる
4. 自然な言い換えフレーズ
4-1. 否定を短縮形にする
If it hadn’t rained, we could’ve had a picnic.
/ɪf ɪt ˈhædnt reɪnd | wi ˈkʊdəv hæd ə ˈpɪknɪk/
もし雨が降っていなかったら、ピクニックができたのに。
ネイティブ会話では、had not → hadn’t がとても一般的です。
4-2. 「ピクニックに行けたのに」
If it hadn’t rained, we could’ve gone on a picnic.
/ɪf ɪt ˈhædnt reɪnd | wi ˈkʊdəv ɡɒn ɒn ə ˈpɪknɪk/
もし雨が降っていなかったら、ピクニックに行けたのに。
- had a picnic:ピクニックをした
- gone on a picnic:ピクニックに行った
どちらも自然です。大きな違いはありません。
4-3. 「〜できたかもしれない」
If it hadn’t rained, we might’ve had a picnic.
/ɪf ɪt ˈhædnt reɪnd | wi ˈmaɪtəv hæd ə ˈpɪknɪk/
もし雨が降っていなかったら、ピクニックができたかもしれない。
might have にすると、
「たぶん/ひょっとしたら」くらいの弱めの可能性になります。
5. 文型パターンで覚えよう
基本パターン
If + 主語 + had (not) + 過去分詞, 主語 + would / could / might + have + 過去分詞
他の例も見てみましょう。
If I had studied harder, I could’ve passed the exam.
もっと一生懸命勉強していたら、その試験に合格できたのに。
If she hadn’t missed the bus, she would’ve been on time.
バスに乗り遅れていなかったら、彼女は時間どおりに着いていただろうに。
If we had left earlier, we might’ve avoided the traffic jam.
もっと早く出発していたら、渋滞を避けられたかもしれない。
6. よくある間違いと修正
❌ 間違い1:if の中で would を使う
✕ If it would not have rained, we could have had a picnic.
if節では had を使うのがルールです。
〇 If it had not rained, we could have had a picnic.
❌ 間違い2:過去完了ではなく過去形を使う
✕ If it didn’t rain, we could have had a picnic.
(これは「今・これから」の可能性にも聞こえる)
〇 If it hadn’t rained, we could’ve had a picnic.
(過去のタラレバ)
❌ 間違い3:スペルを could of と書く
✕ we could of had a picnic.(スペルミス)
〇 we could’ve had a picnic.
〇 we could have had a picnic.
音が「クドゥヴ」で /could of/ に聞こえるため、
スペルミスする英語ネイティブも実はいますが、テストではNG です。
7. ネイティブっぽさのポイント
- If it hadn’t rained を一気に言う
- if-it-hadn’t-rained(弱→弱→弱→強)
- could’ve had a はつなげて
- could’ve-had-a → /ˈkʊdəv ˈhædə/
- 全体のリズムは
- if it had not RAINED, we COULD’VE HAD a PIC-nic
1語ずつはっきり読むよりも、
「弱いところはさらっと・強いところはしっかり」
このメリハリを意識すると、一気にネイティブっぽく聞こえます。
まとめ
If it had not rained, we could've had a picnic. は、「もし雨が降っていなかったら、ピクニックができたのに」という過去のタラレバ(仮定法過去完了) の文です。
この文では、
- if節:had + 過去分詞 で「過去に実際とは違う条件」
- 主文:could have + 過去分詞 で「そのとき可能だったこと」
を表しています。
つまり「実際には雨が降ったから、ピクニックはできなかった」という意味が含まれます。
- If I had studied harder, I could’ve passed the exam.
- If she hadn’t missed the bus, she would’ve been on time.
- If we had left earlier, we might’ve avoided the traffic jam.
どれも「実際にはそうならなかった過去のタラレバ」です。
「If + had + 過去分詞, could/would/might have + 過去分詞」という型で暗記してしまえば、過去の後悔や「〜だったのに」を、英語で自由に話せるようになります。
オンライン英会話で「タラレバ英語」を口に出して練習しよう
仮定法過去完了は、「頭でわかったつもり」になりやすく、いざ話そうとすると口から出てこない 文型の代表です。
If it hadn’t rained, we could’ve had a picnic.
この1文も、何度か声に出してみると、
- had と have の位置
- could’ve / would’ve / might’ve の音
- 「過去のタラレバ」の感覚
が、少しずつ体にしみ込んできます。
でも、独学だけだと「本当に通じてるのかな?」という不安も出てきますよね。
そんなときは、Cambly のようなオンライン英会話で、実際にネイティブ講師に向かって
- 「If it hadn’t rained, we could’ve had a picnic, right?」
- 「If I had left home earlier, I wouldn’t have been late. Is this natural?」
と、自分の実話に当てはめて話してみるのがおすすめです。
講師は、
- 不自然なところをその場で直してくれる
- 発音やリズムをまねする見本になってくれる
- あなたの言いたい「タラレバ」を英語に変換する手伝いをしてくれる
ので、**ノートで勉強する何倍ものスピードで「使える文」**になっていきます。
この記事で文法の土台はばっちりなので、あとは「話してみる」だけ。
今日覚えた If it had not rained, we could've had a picnic. をきっかけに、
あなたの過去の「あの時もし〜していたら…」を、ぜひ【Cambly(キャンブリー)】
で英語にしてみてください。
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